埼玉新都市交通  2020系
 
  新交通システムは格好良い乗り物である。これが小学生の頃、ちょうどゆりかもめができた頃の「思い」でした。
あれから二十年近くが経過し、グッドデザイン賞を受賞した新交通システムの車両が埼玉にいます。2020系です。
車体断面が六角形であることを活かし、六角形をイメージしたデザインを施し、大宮駅も六角形の列車表示器を採り入れるなど、格好良い乗り物になろう…と、少しずつ、少しずつ頑張っているようです(^^;; 大宮駅は夏になれば扇風機が回りますが、これも六角形にはならないですし(^^; 一部の駅窓口はコカ・コーラの看板を掲げる売店も兼ねてむしろ懐かしいたばこ屋のような様相… これもこれでいんでしょいんでしょ。
今回は21編成の模様をお届けします。
(取材・撮影 埼玉新都市交通伊奈線・丸山〜内宿 他)

 

 

 


車内全景です。エメラルドグリーンをアクセントにした車内で、色だけ見れば落ち着いて見えますが…窓形状にだいぶ挑戦的なデザインを感じます。これを「お、格好良い!」と思うか「昔の貸し切りバスの平行四辺形や台形の窓を思い出すわぁ」と思うかで、年齢がバレてしまう側面もあります(^^;;; また、格好良いことであまり目立っていませんが、天井はラインデリアなどはなく、冷房は車端部から吹き出す格好です。つまり…在来車とあまり構成は変わっていない、というオチです。
車内の構成は中間車と先頭車の2パターンがあり、どの車両も1ドア、ロングシートです。


車端部です。正面に立って左手が5人掛けのロングシート、右手が6人掛けのロングシートになるよう、それぞれ点対称で設置されています。これは内宿駅から出発した列車が大宮駅では折り返さないままグルッとテニスのラケットのように回って内宿駅まで戻るため、車両の向きによって車内設備に大きな変更が生じない配慮にもなります。
進化した点は冷房の下の照明がついたところ、そして吹き出し口が黒色になってあまり劣化を感じさせない色になったところです。広告枠も上下の枠に色がついてお洒落ですが、これも三菱重工クオリティ。


先頭車両、乗務員室の後ろには優先席と車椅子スペースです。運転手が常時乗っていることもあり乗務員室の仕切りが入りますが、その形状のナナメ上を行く格好良さたるや…とはいえ、ある程度の低さまで下げられた仕切り扉のガラスは前面展望で重宝しそうです。大宮駅では先頭部分に乗りたいための列ができるような案内表示がありましたが、この車両であればドア窓や面白い形状の側窓から見る新幹線もまた愉しいのでは、と思います。

優先席と乗務員室の仕切りの間には機器スペースがありますが、その箱も何やら角を直角にしない不思議な形状です。


車椅子スペースです。三菱重工がデザインしたステッカーが格好良いところですが、その左隣の台形の窓がまた面白く、さらに仕切り窓も…わざわざここに窓をつけてグッジョブ!と言いたくなる細さです。
非常通報機と握り棒が1本あり、内壁のツルンとした化粧板を心行くまで楽しめます。床素材がそこそこの高さまで壁にも貼られている点はメンテナンスを考えての事でしょうか。


天井です。ツルンとした天井にはスピーカーと防犯カメラのコンビをど真ん中に。その両側を黒い吊革がぶら下がり、照明はその外側になります。先述のとおり車端部から吹く冷風を邪魔しないとばかりに、中吊り広告はありません。
天井が少し低めですが荷棚はあり、内側に折れる格好の窓から荷物が落ちないよう設けられたパンチングがちょっとレトロですが、座っていてもあまり気が付きません(^^;;


床です。淡い緑色一色です。意外と遊びが無い柄ですが、飽きもこない絶妙な加減がこの車両の個性になっていると思います。あ、これカラー画像です。


ドア周りです。広告枠のため…というわけではないと思いますが、ドア窓が「!」のような配置になっています。角に丸みを持つ姿がちょっとレトロな雰囲気も持つ、なんだか不思議な…でも側窓のような尖ったデザインを期待したかった扉です。
また、窓に挟まれた広告が50cm幅であることからも伺えますが、これまでの車両よりも若干ドア幅が広くなっています。その広告の周りにも貼られたドアに手を挟まれないよう注意喚起するステッカーも格好良いデザインです。

 
LED表示器です。鴨居部にあまり面積を割けないところを逆にデザインに活かし、LED表示器が外付けになったような凝ったデザインに仕上がっています。LED表示器は一度に表示できる文字の数自体は少ないものの、次駅案内からニューシャトルの案内まで充実の表示です。
残念なのが路線図の文字。小さく、色もあまりはっきりせず、遠目から見るには厳しいです…。
一見さんにとっては大宮から乗って降りる駅が何駅目かわからない…というシチュエーションも大いに考えられるだけに、もう少し路線図を大事にして欲しかったものです。


窓周りです。注目の逆台形の窓は内側に折れる格好で開きます。ここも広告ステッカーが貼られていますが、さすがにそこまでは凝っていないようです。天井の関係で、荷棚は妻面の少し手前で途切れています。

 
ロングシートは5人掛けと6人掛けの片持ち式です。三菱重工の新交通システム車両で近年採用例が増えているG-Fitをこの形式でも採用しています。黒いモケットの面積が大きい分なかなかお洒落に見えますが、実際乗ってみたところエメラルドグリーンが想像よりも少し淡い印象でした。
座り心地は硬めのバケット形状で、腰回りの形状がしっかりサポート。少し狭い印象を受ける一方で、意外と揺れる2020系ではちょっとした安心感もありました。


優先席の2人掛けです。ここも三菱重工車両でよく見かけるステッカーを貼り、オレンジと黒の組み合わせのモケットも徐々に浸透し始めているかなぁ…という印象なのは、きっと私くらいでしょう(^^;; ただ、今後も広がる可能性は十分に考えられます。
ハートのマークはもっと広がっても良いのになぁ。

編成中4席しかない優先席ですが、特段色の変更以外の仕掛けはありません。ただ、隣が機器箱ということを考えるともう少し乗り降りしやすくなるような仕掛けを作っても良かったのかなぁ…と思うところもあります。この機器箱だけがなんか味気ないです…。


袖仕切りです。透明感の一切ない、プラスチックの質感を全面的に押し出した形状です。
2000系ではアクリル板が中途半端な隙間を生み、そこと座席の間に埃がたまっている車両が散見されたことを思えば、案外堅実な路線だと思います。とはいえ、立客が寄りかかられるとちょっと気になってしまいます。
え、安っぽいって?!おもちゃの車のタイヤのような質感に、否定は…。
鉄道博物館の事前学習と捉えましょう(殴
 
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