大阪市交通局  鶴見緑地線70系
 
  初めてこの路線に乗った時の90年代感が未だに忘れられません。とにかく明るいホームに恥ずかしいくらい鳴り響くシンセサイザーの接近メロディ、そして来た電車が70系です。ブラックフェイスの直線的なデザインに小断面の車体、そしてリニアモーター駆動の初々しさは花博をやっていた頃も、そして今も大阪市交通局の他の路線とは一味違う高揚感を与えてくれるようです。リニアモーター駆動の大阪の地下鉄はその後今里筋線が登場していますが、あちらは2路線目ということもあり落ち着いた、完成系のイメージが先行してしまっています。
一方、1路線目の鶴見緑地線もリニューアルが行われており、近年特にピンク色の帯を入れた車両はこれまでのイメージとは異なる雰囲気で楽しませてくれるのですが…これまでの車内がなくなる前に、この車両の車内をたっぷり満喫しておくことをお勧めしたいと思います。
(取材・撮影 大阪市交通局鶴見緑地線・門真南 他)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシートの車内は小断面ということもあり、大阪市交通局の車両ではなかなか見ないコンパクトな車内…と言いたいところですが、全景に限って言えばそれなりに広さを感じさせてくれます。中吊り広告が無いこと、天井の高さの違い、そしてその高さを活かしたライトワーク…空間の制約を逆手にうまくデザインした格好です。
確かに床や座席にくたびれているように見える部分があったり、袖仕切りがちょっと懐かしい部類になりつつある形状ですが…え、これで更新しちゃうの?!と思わずにはいられません。


乗務員室との仕切りです。クーラーが載っている部分になるため、天井が低くなっている部分でもあります。妻面のLED表示器は後程取り上げるとして…
右側の小さな窓と扉の窓以外は全て壁ですが、非常通報機が仕切りにあるのがポイントです。ワンマン運転なので最後尾でも押すような場面も想定できるので、心強い味方です。
一方、天井の制約でしょうか、ドア前に吊革がありません。4両編成の前後に階段がある駅もあるだけに、混雑時への対応が気になります。


優先座席は中間車のみの設置です。モケットを青くして区別している点は大阪市交通局の他の車両と同じですし、中間車のみ優先座席を設置しているのもニュートラムなどで見かけます。このあたりの考え方は各車両に設置!が前提のJRとは発想がちょっと違うようで、会社間の違いを楽しめる大きなポイントになります。
大きく伸びた貫通扉が印象的ですが、空間が無い中でLED表示器、非常通報機など様々な設備を詰め込んでいる格好です。


車椅子スペースがある区画の車端部です。車椅子スペースは各車両1か所ずつ設けられています。改造でついた車両、当初からついた車両まちまちのようですが、現在は全ての車両に車椅子スペースが設けられています。安心です。
車椅子スペースの隣に2人掛けのロングシートが設けられるくらい車端部から側ドアまで長さに余裕があります。ドア〜ドア間の6人掛けに対して車端部は4人掛け…ここでも車内奥までの詰め込みが効くかどうか、悩めるポイントです。

袖仕切りと一体になった握り棒がポイントの車椅子スペースです。近年ベビーカーマークが追加されましたが、素材の違いもあり、車椅子マークよりも目立っています。
車椅子固定器具が窓の下にありますが、非常通報機は妻面の車椅子では届かない位置にあります。移設は更新車でもしていないので、何かあったら他の乗客に頼るようになります。広告枠の上のフタはドアコックです…。通報機ではありませんでした。残念!


天井は低い位置から眺めています。光の道がまっすぐ続く様子はなかなか爽快で、影のでき方がワンポイントになってさらに空間の広がりを感じさせます。カバー付きの蛍光灯がなせる芸術です。低い部分の天井との一体感はなかなか出せませんが、吊革の設置方法が名鉄通勤車で見られるもので、大阪ではちょっと違和感があります。


床はベージュの柄物です。ちょっとくたびれているように見えるのは天井や側壁とは異なり柄物になっていること、そして点検蓋があるからで…更新でこのあたりがどうシャキーンとするかが楽しみです。


ドア周りです。ドア窓の段差が無い仕様で、車体の制約で途中から内側に折れており、鴨居部分もかなり厳しい空間になってしまっています。それでもドア本体に化粧板を貼り、ドア窓も側窓と同じ高さに揃え、一体感を出そうとする姿勢が素敵です。ドア窓が大きい点は降りる際にホームドアが確認できるので、ホームドアの作動をはっきり確認してから降りることができます。
広告が多いのも気になるところですが、中吊りが無い分仕方がないかなぁ…といったところです。


側窓は1段窓でこちらも内側に折れている窓枠が気になります。ロールカーテンの溝はありますが、設置されていません。これで設置されていたら…きっと引き出しにくかったと思います。


ドア〜ドア間の座席は6人掛けです。大阪市交通局としては珍しく明るい色を用いてはいますが…路線カラーを考えれば今里筋線の80系と完全に逆で、こちらが先発なんだから御堂筋線のようにもう少し融通効かせられたのに…と思うところです。また、着席区分をプリント柄で示していますが、端の席は着席区分の柄が端に寄りすぎてちょっと窮屈そうな感じです。
背もたれが反り返るような見栄えが頂けません。実際のところ背もたれは薄く、姿勢正しく座ろうとすると背もたれの存在感をあまり感じません。
 
車椅子スペースがある車端部は4人掛け、2人掛けのロングシートがお出迎えです。車端部の余裕のある作りはもう一歩低くしてひじ掛けになりえる高さに仕上がれば文句なしです。袖仕切りを見ると車椅子スペース隣の袖仕切りが肘が入らないくらい窮屈で、この手の座席では珍しく2人掛け席がハズレ席の様相を呈しています。
座面はクッション性はあまりありません。また、画像では座面の位置が高いように見えますが、実際高さを感じることはありません。



優先座席は青いモケットで区別しています。近年ステッカーの種類が増えて窓周りが賑やかになってきました。対称的な色のモケットですが、着席区分がより一層目立つように工夫されています。

袖仕切りです。内側にモケットを貼り、外側は化粧板…明らかに90年代流行っていた袖仕切りです。袖仕切りのモケット張りはもっと普及していくのかなぁ…と思っていたところでしたが、残念ながら袖仕切りは大型化が加速していき、モケット張りが新車に採用されることは皆無になっていきます…。


さて、これが70系の真骨頂。LED表示器です。2段に分かれて次駅案内、所要時間案内などとにかく表示が多彩で、発車時にはこのような表示もでます。大阪市交通局はとにかくVVVFマークやLim表記など車両の性能に関するロゴやマークが数多く見られますが、これもその一つだと思えば、なるほどと納得するわけです。すごく自己主張が強いわけではありません(^^;;

 
そして、3色のLEDを駆使して…沿線の名所をイラストで表示することも。
更新車にはこのLED表示器は使われませんので、1990年代の珠玉の芸術を堪能するならお早めに。
それにしても…よく考えたものです。

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