大阪市交通局  谷町線22系
 
  大阪市営地下鉄の車両と言えばすっかりこの顔がお馴染みになりました。紫色の帯を巻いた谷町線にもご多分に漏れず投入されており、22系という括りになりました。
当初は少数勢力だったものの、2004年頃から中央線からの転属が始まり、続々と勢力を増してきました。現在は30系とともに谷町線の主力として君臨しています。細かく言うと中央線からの転属車は22系50番台と名乗っており、さらに中にはOTSという今は無き鉄道会社の所有車両も含まれていることから、同じような外観ながら車内のバリエーションは大きく二つ、大阪市交バージョンと元OTSバージョンに大別することができます。今回は元々谷町線で活躍している車両を中心に、大阪市交バージョンの車内を取り上げます。
(取材・撮影 大阪市営地下鉄谷町線・八尾南)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。18mの車体長に4つのドアを設けています、ロングシートの車内です。
いかにも1990年代前半の車両っぽいなぁというデザインも感じる一方、後ほどご案内するにょきっと縦に伸びた窓がある貫通扉が斬新に映ったのではないでしょうか。
最近はモケットがくたびれたように見える座席が多くなってしまい、その部分がなんとも残念ではありますが、谷町線の22系についてはモケット交換後もこのデザインを採用しているようで、「大阪市交通局」らしいデザインは車外・車内ともにしばらくは楽しめそうです。


乗務員室との仕切りです。貫通扉の上には声に出して読みたい日本語ことお客様へのご案内が縦書きで記されています。非常通報機の灯りがほのかに目立つ中、注目すべきは仕切り窓かと思います。中央線など他路線との共通設計だと思われますが、地下路線が大部分を占める谷町線の車両にしてこの大きさを確保したのは見事です。前面展望はさすがに難しいですが、後方展望なら可能かと思います。車掌さんも車内が覗きやすそうかな?

車端部もそうですが、天井がやや低くなっています。しかし、この低さに留めるにあたって様々な努力があったようで、室外機の薄さは今でも語られることがあるようです。

 
車端部、まずは車椅子スペースが備わった区画からです。各車両1箇所はこの車端部になっており、車椅子スペースを探し求めて右往左往する必要はありません。それと引き替えに座席数が減っていますが、立席スペースの状態を維持し続けている事を考えると、ある程度定着したのかなぁと感じます。
右がその車椅子スペースです。固定道具や握り棒が充実しており、特に斜めに下がった握り棒はより多くの方につかみやすくなっているように思います。ただ、非常通報機の位置が高く、車椅子に乗っている方には使いづらそうです・・・(^^;;

 
中間車には車椅子スペースの無い車端部もあり、両側とも優先座席に指定されています。
左の画像は導入当初の物、右の画像はモケットを交換した車両の車端部で、新たに青色のモケットが採用されています。元々優先座席としての立場があまり目立っていなかったこともあり、モケットを交換してもちょっと目立っていないかなぁ…という印象でした。一応貫通扉の上には矢印と「優先座席」と書かれたプレートが貼ってありますが…(^^;;
非常通報機はこの面にもセットされています。数が多いのは心強い限りです。


天井、画像は車両中央付近の模様を写しています。
ラインデリア、そしてカバーつきの蛍光灯が並んでいます。このあたりの雰囲気は1990年代の車両っぽく、以後の大阪市交通局の車両でもお馴染みの構成になっています。ただ、カバーつき蛍光灯はこの形式が久々の採用だったとのことで、近鉄や阪急など採用例が目立つ関西圏の鉄道車両としてはちょっぴり意外です。
ちょこっと天井の低い車端部でも基本的な構成は変わりません。


床は茶系統のツートンカラー。モケットを意識したような色で、モケットと同じく線を意識しています。

 
ドア周りです。千鳥配置で鴨居部分にLED表示器のあるドアと無いドアが配置されており、それぞれ並べて掲載しています。左の画像は車端部に近いドアということもあり、天井が途中から低くなっていることが実感できると思います。

ドアそのものは化粧板を貼った落ち着いた物になっています。

 
LED表示器と路線図です。それぞれ同じような形状に仕上がっており、どちらを見回しても違和感が無いような作りになっています。黒く凸凹した樹脂で周りを囲っているのが特徴的で、外観とのちょっとした共通点にもなりそうです。
LED表示器はやや文字が小さいですが、次駅表示、行き先表示、発車前の案内などしっかりこなします。

ここもモケット同様改良が加えられつつあり、LED表示器の周りに大阪市交通局のキャラクターが描かれたシールと路線名の入ったシールを「OSAKA」シールに代わって貼られている車両が増えてきています。「OSAKA」のデザイン、洗練されていて好きだったのですが、さすがに見飽きた方の方が多いでしょうか(^^;;


側窓は1段下降窓、地上区間がわずかなのにも関わらずカーテンがしっかり備わっています。ちょっとヘタれ気味に感じたのも無理はありません…。


座席は3種類、まずは6人掛けの座席からです。オーソドックスなシルエットに仕上がっており、バケット形状などの改造も行われていません。背もたれのモケットがやんわりと着席区分を示していますが、側壁まで線が回り込んでいるのが印象的です。このプリントも当初はもっとメリハリの効いた黒だったのかなぁと思うと、ちょっとしみじみしてしまいます。
スプリングの効いた柔らかな座り心地で、奥行きが気持ち短いこと以外は特に気になりませんでした。


車端部は3人掛けバージョンです。端の席も壁との間に若干余裕があり、あまりにも窮屈な思いはしないで済みそうです。ただ、モケットの長方形が車端部と中央で幅が異なっており、視覚的な窮屈感は否めません。このあたりの矛盾はデザインの宿命ですね。
優先座席もモケットが新しい物に交換されていない座席についてはこちらがモケットになります。


モケット交換後の優先座席です。とはいってもモケットと服のこすれ具合は他の座席とあまり変わらないようで、ちょっと目立ってしまっている点が濃い青の魅力を減らしているように感じます。プリントされた横線で形成された模様や色は茶色のモケットと同じです。


最後にクローズアップ袖仕切り。通常のモケットの座席のみならず、優先座席の内側にもそれ相応の色を施したモケットが貼られており、このあたりの手入れは完璧に行っています。仕切り独特の冷たさを解消し、見た目にも若干高級感の出る袖仕切りのモケット内貼り戦法ですが、外側にもオシャレな柄の化粧板を貼っており、こちらは優先座席も仕様を合わせて色褪せることなく使用されています。

間もなく新型車両30000系が登場する谷町線。
快適さではどちらの方に軍配が上がるのか、その行方が楽しみです。

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