肥薩おれんじ鉄道  HSOR−100形
 
  鹿児島本線の八代〜川内は九州新幹線の開業と同時に第3セクターへと変化を遂げました。電化こそされているもののディーゼルカーが導入されました。時に熊本、鹿児島中央まで足を伸ばすのが今回ご案内するHSOR-100形になります。
基本的にはJR九州のキハ125形と同じ会社による製造ですが、外観はヘッドライトの位置や車体塗装などに「おれんじ鉄道」の個性を伺う事ができます。また、イベント貸切用の車両もあり、それらも含めてペインティング車両が多く在籍しているのも特徴です。先述の通り数は少ないながらも広範囲に渡る活躍故に、インパクトも大きそうです。定期列車としてはJR八代〜新八代にも控えめ気味に乗り入れており、一駅だけですが青春18きっぷなどで「体験乗車」することもできます。
(取材・撮影 JR鹿児島本線・新八代〜八代)

 

 

 


車内はイベント車と一般車に大別でき、一般車はさらに青系の車内、赤系の車内、緑系の車内の3種類があります。今回は青系の座席モケットや床の模様をご覧頂きたいと思います。
全景は川内方から八代方向に向かってご覧頂きます。2ドアでドア付近にロングシート、中央部分に固定クロスシートを左右3組ずつ設置しています。第3セクターのディーゼルカーならではのパッケージですが、明るくまとめた車内と天井のラインデリアが北越急行のような電車を思い浮かべてしまいます。


川内方の乗務員室との仕切りです。乗務員室は完全に半室構造で、残り半分は車椅子スペースとして開放されています。ダイナミックな前面展望もここから満喫できます。
ワンマン機器もこちらにまとめられていますが、運賃表示器は右に寄った位置に固定されています。吊革が邪魔でやや見難いかもしれません。逆に整理券発行機は真ん中にどどんと構えています。「肥薩おれんじ鉄道」だから「オレンジ」なのでしょうか(^^;;


八代方には洋式の大きなトイレスペースが備わっています。車椅子対応型です。その奥の乗務員室の仕切りは先ほどご紹介した反対側と同じ仕様ですが、運賃表示器は完全に見えなくなってしまっています(^^;;;
トイレの反対側にはロングシート、それも優先席があります。トイレから出てきた人とまじまじとご対面できる頂けないアイデア、とうとう新型車両にまで広がってしまいました。この点はトイレの反対側も転換クロスシートにしたイベント車両の方が居心地良さそうです。


乗務員室脇の車椅子スペースです。乗務員さんの鞄つきです(^^;
固定器具と壁掛けのヒーター、手すりの他、乗務員さんが使うドアスイッチも備わっています。逆に非常通報機はトイレの先に移動してしまいましたが、乗務員室がすぐ隣にあるのでなんとかなるのでしょう(^^;;
眺めは良さそうな車椅子スペースですが、ワンマン機器使用時は特に降りる時の動線に被ってしまっています。また、ドア開閉時は何かと寒そうです。スペースの有効活用には賛成ですが、もう少し居心地良くしても良かったのかなぁなんて思います。


トイレの入口はロングシートの反対側から引き戸です。丸みを帯びたユニットが今風に映ります。
815系や817系などの特徴的なトイレユニットとは異なり天井の隙間が埋まった状態で設けられていますが、これが意外と見ていて落ち着きます。嗚呼、フツーなんだなぁ…なんて(^^;;;
壁には貸切車両のご案内などのパンフレットも備えています。


天井です。ここは最近のディーゼルカーらしくラインデリアでフラットな天井で決めています。無骨な印象は全くありません。
蛍光灯は数こそあまり多くないものの周りの化粧板の白色のおかげで空間をかなり明るくしています。吊革はロングシート部分のみの設置になります。


床です。青系の座席モケットに合わせて青色の床をチョイスしています。従って赤系のモケットの時には赤色を、緑系のモケットの時には緑色のモケットをそれぞれ用意しています。車両によって座席や床の色を変えるのは常連客的には「次はどの色の車内かなぁ?」とワクワクする要素の一つにつながる可能性もあります。次のステップとして1両だけ内装を大きく変えた「大当たり」車両を作ると面白いかもしれません。


ドア周りです。単なる無塗装の片開き扉ですが、ドア下にステップが無いのは実に画期的な事です(^^)
これはホームのかさ上げによって実現できた事で車両側の努力というわけではないのですが、車椅子を利用した乗り降りも含め、スムーズな人の流れに一役買っています。
…床に座らないで下さいステッカーはここにも貼ってあります。九州ではお馴染みのステッカーですが、九州ではそこまで「座る人」が多いのでしょうか(^^;;;


側窓は景色もキレイに見える1段窓。ロールカーテンも常備しています。


その下、トイレの反対側の9人掛けロングシートから怒濤の座席オーシャン。
硬め設定のロングシートは着席区分がしっかり盛り込まれています。一応この区画は優先席とのことですが、特にモケットやカバーなどで分けているわけではありません。トイレの反対側が優先席…あらゆる意味でホッとできる配置です(^^;; ちょっと着座位置が高めのような気がします。あまり座面が沈み込まない分経年劣化を見越したのも一因かもしれません。


トイレとクロスシートの間に挟まれた3人掛けロングシートです。ここもクロスシートにすればわざわざ半端な座席を作らなくても良かったと思うのですが…(^^;; 思えばJR北海道のキハ150形や国鉄キハ48形もこの区画は大なり小なりロングシートでした。その系譜を受け継いでいるわけですね(^^;;
台座は濃いグレーを採用。今風の色で格好良く決めています。

 
川内方のロングシートはいずれも5人掛けです。川内行き進行方向左側が優先席に指定されていますが、一体何席分が優先席にあてがわれているかは不明です。
その優先席は排気管のそばまで設けられていますが、その排気管脇には袖仕切りや肘掛けがありません(^^; 他の袖仕切りも簡易的な物で、ちょっと味気ない印象です。

 
クロスシートです。左の画像は端のクロスシートです。右の画像は4人1組のクロスシートになります。
もはやロングセラーの域になりつつある山形県の陸羽西線などで走っているJR東日本のキハ110形と同一のフレームで、肘掛け周りのモケット張りも同じです。ただ、ヘッドレストカバーが設置されたり、肘掛けが木目を意識したような茶色で塗られているあたりに高級感を出しています(^^;; こちらも着席区分が入っており、ある程度形状ができています。沈み込みが少ない感覚はロングシートと同じですが、その点は「本家」キハ110形よりもシビアかな、なんて思います。


ハシゴとゴミ箱はトイレの脇に設けています。回収口は別々で中は同じというゴミ箱はよく見かけますが、このゴミ箱はそれぞれ独立しています。「だから何?」と言われればそれまでですが、袋の中に何もかもごちゃごちゃ入ったゴミの分別って意外と面倒なんです(^^; それだけです(^^;;;

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