大阪高速鉄道(大阪モノレール)  2000系
 
  大阪高速鉄道と言われてもなかなかピンッと来るものはありませんが、大阪モノレールと言われると頷けます。意外とその歴史は浅いようで、浅い割には車両の展開が改造も含めて変化が激しい一面を持っています。私が初めて乗った時には確か転換クロスシートの車両がいた気がしますが…?
2000系は平成13年に最初の編成が登場しました。初めからオールロングシートで登場しているせいか、1000系のような大きな改造はまだ受けておりません。今回は平成19年に増備された17編成の車内を中心に取り上げます。取材したのは彩都線ですが、専属と言うわけではなく本線も走ります。帯がオレンジなのがこの編成の見ため上の特徴なので、すれ違う車内からでも判別できそうです。
(取材・撮影 大阪高速鉄道彩都線・公園東口〜彩都西)

 

 

 


車内全景です。2ドアでロングシート、1両当たり15mの長さで構成されています。
ご覧のとおり明るい車内ですが、乗ってすぐ側窓の緑に着色されたガラスが思いの外視界に飛び込んできました。緑の着色ガラスを採用した編成はこの編成と次の18編成の2編成のみで、違和感がある点は否めません。
その側窓を中心にモノレールらしいパーツもありますが、本線で利用する分には一般的な通勤「電車」として気軽に乗り降りできる印象が強く残りました。袖仕切りの形状や吊革の多さもより通勤「電車」らしさを生み出しています。


乗務員室の仕切りから背後のドア付近までまとめて見てみます。大阪空港方、門真市方両側とも同じ構成で、片方が車椅子スペース、もう片方がクロスシートになります。このクロスシートが意外と人気で始発駅では結構早めに埋まってしまいます。一段高くなっているので展望はまずまずで、運転席の真後ろにはならないのは嬉しい配慮です。また、個人的にはその仕切りの後ろに縦長の側窓が設置されている点がお気に入りです。

先に車椅子スペースです。握り棒が仕切りと脇に一つずつ、そして非常通報機が備わっています。非常通報機の下にも何やら蓋がありますが、中に何が入っているか、乗客が勝手に見ていいものなのかどうかはわかりません。もしかしたら車椅子固定用のベルトかもしれません。
ワンマン運転なので乗務員さんがいない最後尾の車椅子スペースを使う時は非常通報機が心強い味方になります。立席の方もわかるように仕切り壁右上にステッカーが貼られている点もポイントです。


車端部です。優先座席はステッカー対応のみで、座席モケットは通常のものと同じです。2000系では幅広で貫通扉が無い貫通路がなくなり、どちらかの車両についた貫通扉で各車両が仕切れるようになりました。その貫通扉は縦長の窓ガラスが入ったもので、両面とも白い化粧板を貼っています。貫通扉の無い貫通路の頃の見通しの良さを確保したかったのか、関西の他私鉄の貫通扉をそのまま真似たか、事の真相はわかりません(^^;; ただ、妻窓と合わせて通勤「電車」のような当たり障りのない構成であることは確かです。


天井です。所々ファンデリアを設け、脇には吊革、そして剥き出しの蛍光灯がお出迎えです。天井の高さがある程度確保されているので新交通システムのように蛍光灯に触れることもないため、カバーも必要ないとの判断なのでしょう。
ただ、乗務員室仕切り背後の中吊り広告に関しては空調の関係で広告がパタパタ揺れないような透明の押さえを設けています。こちらに頭をぶつける人も多分いないとは思いますが、勢いよく前面展望に行かないよう注意したいところです。


意外とシンプルな床です。グレーを基本にした柄物です。

 
ドア周りです。左の画像のマップ式停車案内を備えた鴨居部と右の画像のLED表示機を備えた鴨居部が千鳥配置になっています。ドア自体は白い化粧板で覆われており、点字ステッカーや指を挟みこまないよう注意喚起するステッカーが賑やかに貼られております。ドア窓そのものにステッカーが無いので外の様子が立っていても良くわかる点は見事です。
画像ではわかり難いですが、ドア脇の握り棒の上に丸い引っ掛け金具がくっついています。全ての握り棒の上ではないようですが、一体何のために使うのでしょうか…?

 
マップ式の停車駅案内です。彩都線折り返し運用のため、オレンジで停車駅を5駅分、そして進行方向を緑の矢印で示しています。この手の停車駅案内は近年停車駅の追加や駅番号の制定などが災いし使用停止に追い込まれるケースが多いですが、この車両に関してはまだまだ現役でいけそうです。動きがあるとすれば彩都線の延伸ですが…いかがですか?
 
こちらもスッキリした意匠のLED表示機です。正直文字が小さく一度に出る文字の量も少ないですが、表示は多彩で、行先、次駅案内から広告まで流れてきます。画像では蛍光灯の映り込みがかなり見られますが、実際に見ると映り込みはあまり気になりません。先ほど取り上げた引っ掛け金具は左の画像の鴨居部のすぐ右下にあるものです。新幹線の如く整備中に札でも引っ掛けるための物でしょうか…?


側窓です。物を落とさないよう開閉できる幅や角度が小さめに設定されています。このあたりはモノレールらしい配慮です。また、熱吸収ガラスが使用されているものの、それとは別にロールカーテンが備わっています。高い所を走るモノレールでは嬉しい設備ですが、窓の開閉方法の関係で窓を開けるとカーテンの使用ができなくなってしまいます。横引きの方が使い勝手が良かったかもしれません。


座席です。ドア〜ドア間の10人掛けで、真ん中にスタンディングポールが鎮座しています。加速が鋭いモノレールなので正直スタンディングポールは3人・4人・3人に座席を分割するよう2本あっても良かったと思います。
座面・背もたれともに縫い付けがされているロングシートで、沈み込みはあまりありませんが、バケット形状が強いわけでもありません。切り立つ背もたれに若干傾斜角を付けて座り心地に一工夫加えています。


車端部は5人掛けです。妻面にいくらか余裕があるので長距離の乗車でもあまり窮屈な感じはしません。ただ、座席自体が奥行きがあまりなく、加減速の繰り返しになるので本線を端から端まで乗り通すとちょっと疲れてしまいそうです(^^;;

画像は優先座席に指定された区画ですが、モケットの色は通常のものと変わらず、紫色のモケットでお出迎えです。大阪モノレールの座席の色として定着しつつあるこの色ですが、関西ではあまり見かけない色ではないでしょうか。


袖仕切りは背もたれの形状をカバーした独特のものです。立席部分が広く、製造年が平成19年ということで大型袖仕切りの投入もあり得そうな年代ですが、広告枠の関係などもあって従前どおりの形状で投入しています。確かに大阪伊丹空港からスーツケースを片手に乗り込む方にしてみれば手の届く範囲で荷物置き場があるようなもので、それを壁で阻むのはナンセンスかもしれません。

ただ、車端部の座席に関してはスーツケースを置く余裕もなく、すぐそばにドアがある位置関係です。ドアが開く側にスーツケースを置いたら即一発退場です(^^;;


最後に、わざわざ一段高くしたクロスシートです。この座席はなかなか腰回りや座面の沈み込みがなかなか良い座り心地で、通路側のみならず窓側まで肘掛が備わっていています。
故に、ロングシートとはかなり差がついています(^^;; これは本気です(^^;;;
見た目もスポーティな色の使い方で、紫色のまったりしたイメージはどこへやら。単なる展望用であればロングシートと同じ背丈の低い座席でも十分役目を果たしそうですが…このスタイル、そして姿勢は南海1000系を見ているような気分です。
一つ注文を付けるとすれば足元が狭いことで、運転席も無い区画なので江ノ電の前面展望席のように仕切り壁にちょっと足を入れられるような空間を作るとさらに良くなると思います。
 
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