岡山電気軌道  7900形
 
  早くも側窓の大きさに惹かれてしまいそうな、1989年から1995年にかけて5両が製造された7900形です。今回は2011年、2022年に取材した8301号の模様を中心にお届けします。
瀬戸大橋開通前後に増備された7600形、7700形の外観をほぼそのまま踏襲しています。その7600形、7700形のウィキ○ディアの紹介を見ると「当時バスで流行していた様式のものに変更」との記載がありますが…内折れ窓、バスで流行していたのでしょうか?…何はともあれ熱戦吸収ガラスに冷房を載せた時代の先端を行く装備は増備から30年が経過しようとしている今も若々しく見える秘訣の一つかもしれません。
現在も岡山電気軌道の2路線で見ることができます。様々なラッピングにも注目したいところですが、願わくばオリジナル塗装をそろそろ見てみたいものです…。
(取材・撮影 岡山電気軌道東山本線・東山 他)

 

 

 


車内に入ってもやはり大きな窓に釘づけです。他の事業者でも見ることができそうな構成ですが、独特の形状の窓が気になって仕方がありません。そして、床を見るにつけ外観よりも車内の方がくたびれているように見える印象は働き者の証拠でもあります。
前後扉でセッティングした2ドア、ロングシートの車内です。


2011年の画像から乗務員室との仕切り周りです。オレンジ色で大変目立つ運賃箱をセンターに配置し、上の方には「次とまります」の表示灯、さらに蛍光灯も見えます。このポジションに蛍光灯があるケースは他事業者ではあまり見ないので運賃収受の際に役立っているんだろうなぁ…と思ったら、撤去された車両もあるようです(^^;; 2011年から2022年にかけて、運転士の氏名プレート差しが追加されています。
運賃箱のすぐ上がくりぬかれていますが、一日乗車券の日付の確認がしやすいのは良い反面、客室からの光が前面の窓に反射して夜間運転時に見難くなるのでは…と、余計な心配をついついしてしまいます。


2011年に撮影した天井周りです。吊革の気になる部分は後ほど。
中央からラインデリア、吊革、蛍光灯の順に並ぶフラットな天井ですが、意外と中吊り広告は気になりません。それだけ車内の高さが程良く確保されているのでしょう。なお、荷棚は設置されていません。


2022年の床です。果たして新製当時の床の色がどうだったか辿るのがなかなか難しい色合いになってしまっています(^^;; それでも床そのものがくたびれていないのは整備が行き届いている証拠で、歩いていても予告の無い凹凸に悩むようなことはありません。別形式でフローリングを模したクッションフロアのような素材の床に貼り替えているケースもありましたが、そろそろあの方の出番では…と、MOMOを見て思うのでした…。え、あっちもくたびれているって?!あれは所謂味ですよ、甘くてちょっと酸っぱい桃の味…(殴


片開き扉で統一された扉周りです。
ノンステップバスに見慣れているとちょっとドキッとするステップですが、補助ステップでしっかりカバーしているので、あとは踏み外さなければ大丈夫、といったところです。
扉そのものは化粧板が貼られた大人しい形状のもので、路面電車では珍しく「出口」「入口」の表記がドア周りにありません。島式、相対式乗り場が入り乱れる岡電ならではの仕様です。


窓周りです。画像ではわかりにくいですが着色ガラスを用いてカーテンを省き、内折れ窓を採用しています。窓枠もブロンズの色合いでなかなかお洒落ですし、開閉部分と固定部分のバランスも悪くないと思います。なお、荷棚はありません。
…と何のためらいもなくカーテンを省き、と書いてしまいましたが…ハレの国岡山でカーテンを省くことが容易だったかどうかは気になるところで、どうもJR209系の酷評と重ね合わせてしまう自分がいるのですが…多分、すんなり受け入れられたのでしょう。


座席です。優先席とは分け隔てなく蘇芳色のモケットが真っ直ぐ展開しています。
ちょっと着座位置が高いように感じる座席は奥行短め、詰め物しっかり柔らかめ、背もたれ薄めのセッティング。私の中では小田急1000形を彷彿とさせるものがあります。パッと見て12人くらいは座れそうな長さですが、少し立客が気になる時間帯も若干間を開けながら座っていたのが印象的でした。

なお、優先席の表記は側窓や床に貼りついています。


2011年の袖仕切りの内側です。山陽電車の座席を濃くしたような模様のモケットが貼られていますが、背もたれや座面とは全く異なるモケットになります。後年この部分のモケットの変更があったようで、2022年は見られませんでした。
このモケットが登場時の座席モケットだったかどうかはあいにく資料を持ち合わせておらず確認できず…ですが、兄貴分の7600形のデビュー当時の車内画像を見たところ、袖仕切りとは別のモケットが登場していただけに…謎の存在…です(^^;

 
さて、7900形の真骨頂は実は降車ボタンの上に描かれた瀬戸大橋や吊革の側面に貼られた葡萄のイラストにあると思います。ブームにあやかりたかったのか、ご当地ランナーとしてのアイコンを示したかったのか、わかりすいイメージをワンポイントで付け加えるアイデア、凄く好きです。勿体ないのは1cm角の吊革のアイコンで、剥がれてしまったと思しき部分がチラホラ… 成れの果てではなく「次の一手」に期待したいところですが、おっと誰かが呼ばれて飛び出て(以下自主規制…
 
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