大井川鐵道 16000系 | ||
近鉄特急としての出で立ちですが… 特急らしさよりもレトロな雰囲気、ちょっとくたびれた雰囲気が特急料金の支払いを躊躇する今日この頃、勿論大井川鉄道の普通列車としての運用は特別な料金は要りません(^^; 大井川鉄道では2両3編成が入線しました。今回は平成9年に入線した2編成の様子をご覧頂きます。 近鉄時代から外装はほとんど変化はありません。ただ、ワンマン化は行われ、助手席側にはそれを示す行燈が追加されています。取材した時点では南海車の方がくたびれているように感じますが(^^;; 平成27年に1編成が廃車になりました。ちなみに残り1編成はリクライニングシート車で、ちょっとした乗りドク感があります。 (取材・撮影 大井川鉄道 新金谷〜千頭) |
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車内全景です。回転クロスシートの車内はレトロムード満載。このポジションから見ると近鉄特急の雰囲気そのままではないでしょうか。新金谷での出庫時は4人1組のボックスシート配置になっています。ま、窓枠が間に…(^^;; 2ドア車ですがかなりドア幅は狭く、吊革なんてありません。元特急車の登板なので当たり前ですが、この路線の輸送力が2両編成、それも全員着席で賄えることが垣間見えます。 種車もそうだったので手を加えていない事になりますが、デッキの仕切りはありません。ドアと直結。これぞ近鉄特急のスタイルですが、近鉄では絶滅危惧種状態です。デッキの奥には便所などがあった区画ですが現在は機器室の扱いになっています。ドアも開きっぱなし、富山地鉄のように無理に座席スペースに改造することはありません。 近鉄時代の写真が白黒で掲出されていますが、その脇にある整理券発行機も今となってはなかなか趣きのある逸品です。 デッキの奥、機器室と通路です。機器室はテプラ表記、で、明らかにその前に何かが取り付けられていたのが一目瞭然です。抜かりなく照明をつけてキレイにしているのはワンマン運転で人の移動があるからで、もう少し使うのであればここには手すりが欲しかったところです。 運賃箱が不思議な位置に設置されている乗務員室との仕切りです。元々仕切り窓は高めの位置に設置されていましたが、あれよあれよと様々な広告が貼られてしまい、取材時はこの有様です。一過性のものなら良いのですが、特急車故の広告枠不足に悩める状態であれば網棚の上も有効活用したいところです。それでも仕切り扉の上のプレートには何が入るのか、号車表示なのか、自由席指定席のプレートか…気になる今日この頃です。 その乗務員室、ドアの背後には立席スペースや車椅子スペースが設置されています。車椅子スペースには手すりとベルトが設置されていますが、ベルトがダラーンと伸びている状態はある意味シュールです。 この区画で注目したいのが床です。画像でもチラッと写っていますが…座席の台座跡がそのまま残っています。さすがに座席番号の表示は撤去されていますが…ワンマン運転の絡みか、混雑対応か、果たしてどちらの目的で撤去したのでしょうか… 天井です。近鉄独特のカバーつき蛍光灯を軸に、吹き出し口などをフラットな天井で展開しています。この蛍光灯が一列で端から端まで並ぶ様子も今見るとすごく清々しいです。 一つ一つのパーツがハッキリ言って大袈裟なのが昭和っぽいですが、網棚もなかなかすごいことになっています…これ、最近流行りのキャリーバックは載せられないですぞ。 床もくたびれていますが…天井とは異なりクッキリハッキリフットライン。奥行きを感じます。 ドアは折戸。そしてデッキなしの姿なのですぐ脇にクロスシートが来ます。京阪電車っぽい優先席のステッカーも合わせてどうぞ。 近鉄特急でもまだまだ見かける折戸ですが、この形式は開閉時の可動部分が示されていません。そこまで立客がドアそばにピタッといることはないのでしょうか…。 ワンマン運転の場合、無人駅では後ろの車両のドアが開きません。静かに停車している姿は南大阪線の単線区間を彷彿とさせる…かもしれませんが、前後の走りがなぁ…(^^;; 固定窓に横引きのカーテン。座席番号は窓の上に貼られています。 座席です。出庫時は4人1組のクロスシートで構成されていますが、この通り回転させることも可能です。昭和60年日本リクライニングシート株式会社製の座席です。東武6050系のように社名・製造年が記されたプレートが残っています。 昭和60年のデザインとしてはやや古さを感じますが、1人ずつ区分けされた座面に対し角度がつけられた背もたれは2人1組、背面のモケットが裏面に貼られたテーブルも含めて今ではなかなか見かけない構成になってしまいました。 …でもこのスタイル、私は工業品としての緩やかなカーブが美しいと思います。 座面のくたびれさ加減が残念な今日この頃で、背もたれの角度に対して座面が柔らかすぎて足元に力が入りがちです。 デッキ周りの雑多なポスター類の中には近鉄特急のかつての姿を紹介した物も。私の履歴書的なコーナーですが、SL列車の客車群や井川線ナロー客車の履歴書も見てみたいところです。大井川、意外と新車もいたりします。自社製造の(^^;; トイレ付近には冷房のスイッチが乗客でも押せる位置にあります。583系にもあったスイッチですが、扇風機のスイッチのように気軽に操作できる時代があったのでしょうか…。取材時は冬だったので専ら「寒気」…もとい「換気」です。 |
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