近江鉄道  900形「淡海号」
 
  近江鉄道と言うと「あかね号」が有名ですが、こちらのデビューはひっそりと…でした。平成25年生まれです。
紺色にピンクの帯が印象的で、ドアに描かれたイルカがドアを開け閉めする度にキスを…というわけではないと思いますが、イルカの80年代的イラストセンスに早くも頬がピンクに染まりそうです(^^;; 淡海と書いて「おうみ」号として、近江鉄道全線で活躍しています。
現在1編成のみが淡海号として活躍しており、西武からの新101系・301系の改造車はその後100形「湖風号」に移行しています。
ブラックフェイスは今も昔も変わらずで、淡海号としてデビューした際にLED表示器を設置しています。側面には方向幕がついていない姿は西武時代と一緒ですが、これは800系と一緒なので慣れたものでしょう。
いつまでも近江路のアイドルとして活躍して欲しいものです。
(取材・撮影 近江鉄道本線・貴生川)

 

 

 


車内全景です。西武鉄道時代を色濃く残す車内になっています。モケットも青色のものに切り替える車両が多い中、茶色のものを引き続き用いています。あれ、車端部が…?!
2両編成で各車両ともワンマン機器、車椅子スペース等を備えています。車内で見る限り、2両の差は車端部の貫通扉がついているかいないか…くらいになります。


乗務員室との仕切りです。こちらはどちらも座席を撤去していて、片側を運賃箱、もう片側を車椅子スペースにしています。デビュー時は運賃表示器が液晶ではなかったはずですが、近年液晶ディスプレイに交換されています。運賃箱と車椅子スペースのデュオは近江鉄道ではお決まりの改造内容で、運賃箱の位置も800系と同じです。ちょっと面白いのが乗務員室との仕切りに備わっている横引カーテンで、これは近江鉄道になってから設置されたものになります。
なお、左側の横引カーテンの右斜め下には何かのコンセントのようなものがありますが、蓋がされており、中身の形状まではわかりません。


車端部です。2両とも片側が自転車スペース、もう片側がクロスシートの優先席になっています。画像は貫通扉がある側の車両のもので、無い側も構成は同じです。まさかのクロスシートに驚くものの、種車の様子を知っているとかなり頑張って改造した事が伺えます。ちなみに700系「あかね号」も片側はロングシート、もう片側はクロスシートになり、貫通扉も片開きの物が備わっています。確かに両側ともクロスシートを置くと通路が狭くなる上に、貫通扉も開けにくくなります…。そしてサイクルトレインとして時間帯の制限があるものの、自転車の持ち込みができる近江鉄道ならではの車端部に仕上がりました。

 
車椅子スペースと自転車スペースです。どちらも荷棚があるのが近江鉄道流といったところでしょうか。特にヘルメットの置き場に困る自転車スペースでは嬉しいです。尤も、横方向の握り棒は自転車スペースにもあると立客のためにも、握り棒に加えてゴム紐を用意しておくとスポーツ自転車の転倒防止に一役買うことができます。
車椅子スペースには滑り止めの加工も施されています。また、非常通報機は薄緑色で、どこかで見たことがあるような、無いような…。


天井周りです。中央にラインフローファン、そして周りに吹き出し口も備えたフラットな天井です。吊革はドア〜ドア間の座席上のみ設置しており、それ以外の部分は外されています。やや暗い配色の化粧板なので、蛍光灯の明るさがガッチリフォローしている点はかつての西武線から全く変わっていません。吊革が黄色くなっても、ここはさすがにちょっと昔の雰囲気を堪能できます。


灰色一色の床ですが、ドアの前には滑り止めも兼ねた黄色いシートを貼り付けています。これは嬉しい配慮です。
自転車を車内で転がすと時にブレーキ跡が残っていることがありますが、まだこの車両に関してはそれらしき跡が見られません。マナーが良いのか、はたまた利用台数が少ないのか…。

 
ドア周りです。こちらも黄色いテープで所謂ゆびづめやドア挟みの注意を徹底しています。
ただ、ドア周りは西武時代のものそのままで、ワンマン運転時無人駅では進行方向前の車両の前と後ろのドアしか開かないものの、その開け閉めは西武時代と同じような音を立てます。101系・301系を知っている方には懐かしささえ感じるのではないでしょうか。
握り棒は既製品の塗り替えで、今後の色落ちが心配です。また、袖仕切りを塞ぐネジも要チェックポイントです。
余談ですが、右の画像のドアの左側、狭い戸袋窓と狭い開閉窓が私のお気に入りです。


側窓です。4つ独立した開閉窓は下段が固定されています。スタンションポールは近江鉄道からついたものですが、新101系が譲渡される際に設置した鉄道会社が多く、長いロングシートがより使いやすくなったのではないかと思います。

で、淡海号との愛称がついていますが…外にいたイルカは中には残念ながらいません。信楽高原鉄道のような遊び心を追求するのはやりすぎかもしれませんが、外のイルカのような遊び心を中に取り入れると、もうちょっとだけ面白い淡海号になるかもしれませんね。良かったら、ぜひ!


座席です。ググッと腰を支えてくれるスペーサーがついた西武ならではの座席がお出迎えです。座面の位置が少し高く感じるものの、少し硬さを感じながらも程良く沈み込み、奥行き十分のロングシートはなかなか素敵です。
欲を言えば袖仕切りが前時代的で、長距離客のよりかかりを考えると大型の袖仕切りが恋しくなってきます。スタンションポールも真ん中の1本だけなので、ドア〜ドア間2か所になるともう少し使い勝手が良くなるかな?と思います。

 
車端部はまさかのこちらがスタンバイ。JR185系でかつて使用していた転換クロスシート、700系に続いて抜擢されました。
背もたれは固定されているので、無理に動かそうとしてもビクともしません。また、手すりは黄色に塗り替えられています。モケットはベージュ。ヘッドレストカバーは700系「あかね号」とは別の物を使用しています。ちょっとピンクがかったヘッドレストカバーが上品ですが、背面のモケット張りが汚れそうな気がして…ちょっとそわそわしています。
優先座席…なのですが、座面低め、背もたれも含めて程良くフィットする柔らかめのセッティングはロングシートとはやや対を成す物で、着座時の向き等も含めて、ある意味究極の選択とも言えます。
ただ、この区画を優先座席にすると相席を気にする方がちょっと座りにくかったり、杖をつかれる方が座るまでの動線がややシビアになってしったりする事も考えられるので、優先座席を1両はロングシートに指定しても良いのでは、と思います。
 
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