近江鉄道  800系
 
  前パンタが勇ましいブラックフェイスの800系。近江鉄道の主力車種として全車2両編成で活躍しています。
元をたどれば西武鉄道401系で、3ドア車や黄色、切妻の形状などに見覚えのある人も多いのではないでしょうか。これらを1990年から97年にかけて譲受し、ワンマン化、車端部の切り欠きなどの改造を行い、現在のスタイルになっています。401系はバリエーションが豊富だっただけに、譲渡後もバリエーションがさらに豊富になってしまっています。820系として西武時代をより色濃く残した系列も在籍していますが、800系にも黄色い車体に銀色のドアという西武時代を彷彿とさせる出で立ちの車両もいます。会うか会わないかはまさに「運次第」、多賀線などの支線も含め、全線で活躍しています。
(取材・撮影 近江鉄道本線・彦根/日野)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。2両編成の端から中間部を見て端を見る格好で撮影してみました。モケットこそ貼り替えられているものの、この場所からはワンマン機器もあまり目立たず、西武時代の面影を良く残しているのではないでしょうか。面影と言えば聞こえは良いですが、ちょっとくたびれていそうな部分もちらほらと伺えます。

3ドアロングシートの車内はJRの新快速から乗り換えるとガランとした雰囲気をより強く感じさせます。


全景画像ではあまりよく見えなかった乗務員室との仕切りです。大きな仕切り窓は西武時代からの誇り、その佇まいは今も変わりません。ワンマン化にあたって運賃箱の設置や車椅子スペースの確保のために仕切り背後の座席が撤去されており、その部分だけ化粧板が新しくなっています。
無人駅での降車は運転士さんがわざわざ重たそうな扉を開けて運賃を確認しています。お疲れ様であります。

車椅子スペースです。800系グループではついている編成とついていない編成に大別できるようですが、これからのスタンダードは車椅子スペースを設ける格好とのことです。米原側の車両、貴生川側の車両、両方とも設置されています。
マークをつけ、座席と吊革を撤去した簡易なスペースですが、車椅子のみならず小径の自転車をちょっと置くこともできます。自転車「同伴」の乗車も時間帯によっては認めている近江鉄道だからこそ、多目的に使えそうです。
 
一方ワンマン設備はバス用の物を思わせる運賃表示器と運賃箱の設置に留め、運賃箱「広場」のようにがっちりと周りを囲ったり、運賃箱をドア付近まで持ってくるようなことはありません。運賃表示器の設置にあたって網棚を撤去していますが、その跡はあまり目立っていません。右の画像は始発駅で見られる「系統」表示です。やはりバスを彷彿とさせますが、なぜ14系統なのでしょうか(^^;;バックカラーを黒にするケースが多い中、灰色バックの表示器はちょっと珍しい気がします。


中間部分はどちらの車両も車端部になっています。ここも西武時代からはあまり変化がなく、幅広の貫通路ががっちり前後を結んでいます。妻窓ももちろんあり、妻窓越しに見える黄色く塗られた配管ももちろんあることから、薄ら目を開けていなくてもそこには西武っぽい雰囲気を満喫できる要素が転がっています。
幅広の貫通路はワンマン運転の際に威力を発揮しています。


天井周りです。吹き出し口の他にラインデリアも所々に設置してあり、フラットな天井と快適な冷房を提供しています。扇風機などはありませんが、冷房としては必要十分です。
吊革は丸い物で、シルバーシートとの区別はつけていません。


床です。見事に灰色一色です。車椅子スペースの床も同じ色、同じ材質です。


ドア周りです。画像は車端部に近く、整理券発行機を設置したドアになります。ドアそのものは西武時代と大差はありません。とはいえこのドアだけを見て西武時代を偲ぶのはなかなか難しい物がありますが(^^;; あ、ワンマン運転時のドアの開き方などが記されたステッカーがありますが、存在感がちょっと薄いです(^^;;;
内側は無塗装のドア。外側も無塗装だとすごく嬉しいのですが…この編成はしっかり黄色く塗られています。


窓周りです。戸袋窓も含めて縦長の窓が連続して設けられています。2段窓ですが下段は開く事ができません。
袖仕切りと一体化していない網棚は関西圏ではわりとお馴染みの光景ですが、網棚の支えが白く塗られているのはちょっと珍しい気がしますし、レトロな雰囲気に一役買っています。


その下、ドア〜ドア間のロングシートです。目分量で10人掛けくらいでしょうか。西武鉄道ならではの座席だなぁと思った方も多いかもしれませんが、座面と背もたれを分けた座席は近江鉄道でも健在。自社でモケットの変更を行った譲渡車は近江くらいしかなく、新鮮な青いモケットは隠れ近江鉄道名物と銘打っていきたい印象です。

最近は座り心地のみならずFRPのスペーサーもちょっとくたびれかけているようです。

 
車端部の座席は5人掛けです。基本的にはドア〜ドア間の座席そのままで、シルバーシートの区別もステッカーなどで行うようになっています。車端部挟んで一方向ずつ千鳥配置で設けられています。ステッカーの表記が控えめなのは嬉しい限りです。
余談ですが、この800系の座席は何パターンかあるようで、中には一体型の袖仕切り+FRPスペーサー無し、モケットは茶色というオーソドックスな座席もみられます。西武時代からいくつかバリエーションはありましたが、そのバリエーションを凌ぐ近江800系。適度な座り心地を維持している努力も含め、保守管理も編成ごとの対応でさぞかし大変なことでしょう。


このスペーサーを見てしまうとこの視点からつい撮りたくなってしまいます。茶色と青が不釣り合いですが、この座席の座り心地はゆったりまったり座る分には適していると思います。腰の支えと座面の奥行き、丸みが緩やかな袖仕切りを従えてゆっくりくつろぐ粋なヒトトキを過ごす事が出来ました。

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