小田急電鉄  5200形
 
  9000形の製造も一段落しつつあった1977年、5000形の6両バージョンとして登場したのが5200形です。
9000形の影響を含み、窓が1段下降窓になったのが大きな特徴だったものの、「小田急顔」と呼ばれる前面スタイルはそのまま残り、気がつけば小田急顔の最後の系列となってしまいました。
1997年から2001年にかけて車両更新が行われ、5000形も含めるとバリエーションが豊富。今回はその中の1種をお届けします。
5200形は全て6両編成なので江ノ島線、多摩線、小田原線などで単独で運用される他、10両編成では小田原方について快速急行や急行の運用にも就いています。しかし、まもなく廃車が始まってしまうとか、始まらないとか…
(取材・撮影  小田急小田原線・多摩線/登戸・唐木田)

 

 

 


車内の様子です。更新工事が施工されたこともあって4000形や2600形の「薄い緑に紺の座席」とは全然違う、むしろ1000形に近いカラーコードの車内に仕上がっています。4ドアロングシートの車内は小田急の他の通勤車と同じスペックです。
バケットシートに裾絞り、そして吊革の多さも小田急だなぁといった印象を抱かせます。


乗務員室との仕切りです。戸袋窓があったり仕切り窓そのものも大きかったりとなかなか開放的なつくりになっています。また、向かって右の窓は上下に開閉可能な具合になっています。
また、ラッシュに備えてでしょうか、吊革や握り棒がここでも充実しています。充実している一方で禁煙マークや号車表示が若干見難いという弱点もあるんですけどね・・・そちらの克服の前に、ラッシュの混雑率低下なんとかを克服して欲しいと願う自分は小田急ラッシュ体験者です…orz


そんな中、仕切りにある3枚窓のうち向かって右の窓にはこのような表示があります。ちょっぴり心が和みますよね・・・。

 
車端部の様子です。まずはこちら、ほとんどの号車で見られる貫通扉無しのバージョンです。右の画像は幌の近くに設置されている注意プレートです。紺地に白、丸ゴシックのフォントはなんだか上品な雰囲気を感じます。
また、幌に直接寄りかからないようにゴムなどでできた黒い柵のような、いやアコーディオンのような(^^;;ものを内側にも設けています。どことなく東京メトロ6000系と同じような仕掛けだ!と思わせますが、こちらの方がどっちかというとおとなしめな様子。ちなみに幅広貫通路もこの5200形が小田急では最後になりました。8000形からは全車幅が狭めの貫通路に移行しています。


小田原より先頭車両は女性専用車に指定されています。貫通路はオープンでも朝の上り準急や急行において1号車に野郎が侵入することは許されない行為でございます(^^;; くれぐれもご注意を。
そして、車椅子スペースがこの位置にきています。5200形は更新時期によって車椅子スペースが無かったり、位置が車端部だったり先頭部分だったりするなどバラエティに富んでいます。(これがバラエティに富んでいるのも若干利用しづらい問題が生じていますが(^^;;; )

その車椅子スペースです。うまく非常警報機や手すりを組み込んだな、という感じがして、さっぱりしたムードです。
この部分、逆サイドは優先席なので車椅子スペースも携帯電話の電源オフを示す黄色い吊革が採用されています。また、邪魔にならないように短めの物が使われているのですが…これだけの立席スペースで守られているかどうか、特に朝ラッシュは気になるところです。


そして3号車と4号車の間には貫通扉付の車端部があります。側扉とはちょっと違う雰囲気のドアで、黒いゴムが目立つのがポイントになります。そしてその隣の宙ぶらりん消火器も負けずにアピールしています。
全て扉なしにしてしまうと車内を強い風が吹き抜ける環境になってしまうためこうした措置がとられているわけですが、火災の延焼防止の役割も果たしていることが最近密かに認知し始められてきています。

メトロは貫通扉の設置を増やしてきていますが、こちらはどうやら増やさないまま終焉を迎えそうです・・・。
3両単位での区切り、いらないと言われればいらない長さかもしれませんね。メトロは5両単位での区切りでしたし。


天井です。フラットな天井が実現しているのが大きなポイントです。ただ、冷房の吹き出し口はちょっと時代がかった印象を受けますね(^^;; 一方方向への吹き出しのほか、ドア付近を中心に所々カバーに入ったファンデリアを設置して冷風が隅々に行き渡るよう工夫されています。ただ…効果の程は…??


床です。最近でこそ3000形で増えてきた色つきの床ですが、更新直後の通勤車両といえば床=灰色が全盛の時代。小田急にしてみてはかなり大胆な一歩をこの車両の更新で踏み出したのではないでしょうか。
その割には中央にクリーム、両端にブラウンと、なかなか好印象な配色できれいにまとまっています。


ドア周りです。鴨居部にもしっかり白の化粧板が貼られています。
ドアそのものは貫通扉とは違って金属支持のガラスを始め、あまりゴムが目立たない仕様になっています。
雨風に対抗するためには金属支持の方が良いのでしょうか。そしてスマートな印象も受けます。
妻窓、そして画像に上がっている戸袋窓は例によって若干青みがかった窓を使用しています。画像の方ではかなり確認しづらいですね(^^;;;


座席をご覧頂きます・・・っとこれは座席のシーンではあまり見かけない縦構図の画像でございます。
袖仕切りはそのままに、バケット化と3人・4人に着席人数を分けるスタンディングポールが設けられてより着席定員を重視した座席へと進化を遂げました。このスタンディングポールもついている編成とついていない編成とに大別できますが、今回はついている方をご紹介です。
少し斜めになっていて座面に棒をつなげよう!と工夫しているわけですがそれが逆にアクセントになっています。


おなじみの横構図でドア〜ドア間の7人掛けです。もう座り心地はお察しついたかと思いますが…座面の沈み込みはあまりなく、左右幅に余裕があまりないので3000形などと比べると窮屈な感じは否めません。モケットの触り心地は好印象ですし、収まり具合は悪くないとは思うんですけどね…。
そのモケットは一部の1000形と同じ蘇芳色をベースにしたものになっています。


こちらは車端部の4人掛け。妻窓が少し凹んでいるとはいえ、無理にバケット化してしまったものだから…こっちの方が窮屈さを感じてしまうかも。でも1人でも多くの方が座れた方が嬉しいし…微妙なところであります。


そして優先席もこちら4人掛けにあります。カラーコードは一部の1000形に合わせて紫ベースのモケット。
座り心地に差は無く、どちらかというとこちらの方が地味かな・・・という印象。

それにしても・・・かつてこの座席で経堂から小田原まで急行で乗り通したことがありますが、ピークは秦野から新松田の間でしたね(笑 その後やってくる新松田の停車時間の長さが嬉しいこと嬉しいこと(^^;; 伸びしてリフレッシュして目指すは小田原、なるほど小田急もうまい時間配分&車内環境を考えたな〜と思った道中でした。そして感想、
「あれ、小田原ってこんなに遠くて、こんなに疲れる位置だったっけ・・・??」
 
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