小田急2600形  (2670F・旧塗装)
 
  いつもの小田急とは違う、ちょっと重みのある塗装。
2600形引退を記念にと、最後の1編成になった2670Fをスポンサーを募って2003年10月ごろよりかつての小田急線通勤車の塗装に塗り替え、他の車輌に混ざって6両の運用で活躍してきました。
その僅かな間、懐かしがる方もいれば、物珍しさにケータイで撮影する方もいるなど、最後の勇姿に暖かい眼差しが注がれてきました。
1964年、2600形が登場してからちょうど40年目。時代の流れが残した「お土産」をいっぱい詰めて、いよいよ最後の花道を駆け上がるときが来てしまったようです。
長い間、お疲れ様。

(撮影・取材:小田急小田原/江ノ島線・登戸/藤沢〜片瀬江ノ島駅)

 

 

 


車内の様子、まずは先頭車からです。
小田急は比較的早い時期から車体幅を広げて、通称「裾絞り」をやっていたのですが、その効果もあってかなり広々と、開放的な車内になっています。ロングシートで両開き4ドアという構成は小田急通勤車としては初の試みでした。
(但し片開き4ドア・ロングシートの構成は2600形よりも前に在籍していた1800形が「元祖」です。)

車内に大きく出っ張った吊革のフレームが結構ユニークですね。


一方こちらは中間車の車内。
寒色系の落ち着いた車内だけに、ついつい側窓の方に目がいってしまいます(^^;
側面、上部の広告枠は当時から結構高い位置に設けられていたようで、ドア上、窓上共に設置場所が上下しないように工夫されています。整然と並んだ広告に思わず機能美を感じてしまいました。

ちなみに先ほどの画像、一番手前の広告は♪ツッパリ男の勲章〜でお馴染みの生茶、今回の画像、一番手前の広告にはジョージアが掲載されているようですね。このように、今回の旧塗装復元は複数の飲料メーカーがスポンサーになったからこそ実現しました。だから?と言われればそれまでですが(^^;;このようなセールスも「技あり!」なんだなぁと感心した次第。


ちょちょっと中間車の車端部に突撃してみます。
貫通扉は無く、大きく開いた通路で隣の車輌と行き来できます。また、その両隣には縦長の固定窓も。
とにかく奥行き感や明るさを全面に押し出した雰囲気が伺えます。
貫通路下をご覧頂くと、踏み板がきちんと車内の床に合わせて緑系の色で塗られています。車端部の特徴の一つで、今の時代に登場していたら無塗装、銀色のままだったかもしれませんね。

それにしても消火器が・・・随分わかりやすい位置に設置されています(^^;;が、車端部をギリギリまで詰めてしまった「成れの果て」といった感じも受けました。


ちょっとホロに近づいてみました。なんとホロまで緑色で塗られています!!
この徹底ぶりに、思わず脱帽。

その両脇には2枚のプレートが設置されており、
左の紺のプレートには「連結部分(ここ)には立ち止まらないようにしてください」
右の白いプレートには「危険ですから幌にもたれかけないでください」
と書かれています。貫通扉を設けていない車輌だからこその注意書きですね。

それにしてもこういうところで「アンティーク」な空気を感じるのは自分だけでしょうか。


さてさて再び先頭車に戻ってきました。乗務員室との仕切りです。
化粧板が仕切りと側面で同じ色になっていることや、窓回りの銀縁が仕切りにかけて設けられていることから、なんだか「乗務員室」がテキトーにくっついているような気がしました。
仕切りの窓は大きくとられており、全面展望も問題ないのですが、実は画像向かって一番左の窓からの展望は、他の2箇所よりもちょっとだけ「ハイビジョン」のような印象を感じてしまうなんてオチがあったりします。
乗務員室の前面窓、いわば仕切りの奥の窓サイズにご注目ください。


さて、ここからは天井二景、まずは冷房の吹き出し口を中心にご覧頂いております。
この車輌は非冷房車として登場しましたが、1981年ごろまでに全車冷房が取り付けられました。
さすがにラインデリア・・・というわけにはいかなかったと思いますが、それを意識したかのように左右2列に並んだ吹き出し口からの涼風は結構効きが良かったです。

冷房化の際に平天井にしたのも特筆すべき事項かもしれません。スッキリした分見た目はグッと良くなりました。


そしてその涼風を車内の隅々まで届けていたのがこの扇風機・・・いや、扇風機なんてどこにも?!・・・ところがあるんです。
天井のちょうどど真ん中、えらく大きなカバーがありますが、この中に首振りの扇風機が入っているのです!!
「ファンデリア」を埋め立てたものとは一寸違うようで、実際首振ってました(^^)
冷房化最大の特徴でもある「平天井化」のメリットの一つで、このカバーによって実に見栄えもよく、また扇風機の有効活用で車内の居心地も良くなるとなれば、それに越した事はありません。

ただ、扇風機に何か不具合が生じたらその度にカバーを外さなくてはいけなくなってしまうので、メンテナンスは大変でしょうけどね・・・(^^;;

ちなみに、自分は2600形の醍醐味はこの天井にあり!と思っています。勝手に。


上を見たら首が痛くならないうちに下も見ておくことにします。床です。
こちらも至ってシンプル。緑がかった灰色が広がっています。
化粧板との相性が何よりもあっていました。


さて、ドアまわりを・・・って両方開いていたら見られませんね(^^;;;
藤沢駅や新宿駅ではドアを両方とも開ける事があり、乗り降りや乗換えに一役買っています。
・・・ただそれだけです(^^;;


と、いうことで改めてドア周りです。
ドア、車内側は塗装されておらず、銀色に黒のHゴムが目立っています。
その両隣の戸袋窓ですが、ロールカーテンが設けられていない分少し青みがかった窓ガラスを使用しています。
画像ではイマイチよくわからないのが残念ですが、実車を見てもそんなに違いはわかりませんでしたので、極端に青かったりして窓の先の風景が真っ青!私の顔も真っ青!!なんてことは回避できそう・・・です。

ちょっとした気配りですねが生きてきています。


戸袋窓に触れたついでに、隣の側窓のカーテンを閉めてみました。
こちらも爽やかな青が使われています。特に直射日光がまぶしい夏場などは、カーテンを閉めると涼しいムードに浸れそうですよね。通勤車のカーテンというと灰色のものをよく見かけるのですが、このあたりは小田急のセンスに軍配をあげたいと思います。

ちなみに、妻窓も若干青みがかった窓ガラスを使用しています。


さて、座席の方もチェックです。まずはドア〜ドア間の7人掛けのロングシート
紺一色のモケットは飾り気が全く無く、今日主流のバケットシートや「模様」が入ったシートに見慣れていると高級感というか、落ち着いたイメージを感じます。
ただ、座ってみると高級感などどこ吹く風、奥行きがあまりとれていない座面にちょっと薄めの背もたれ、そしてヘタレてはいないものの反発力が強く、長距離では無駄に疲れてしまう座り心地に通勤車としての哀れさを感じずにはいられませんでした。
奥行きの無さをあまり感じないことがウリ(ぉぃの小田急通勤車の座席らしぃと言ってしまえばそれまでなのですが・・・


車端部はどういうわけだか4人掛けの腰掛。そのため車端部には余裕が無く、ドア側もギリギリのところまで座席が設けられています。
その分袖仕切りはちょうど肘がくるあたりから座席の外側に出っ張るスタイルをとっており、定員どおり座っても窮屈…ということはあまりありませんでした。
尚、一部の優先席区画もこのモケットの座席になっています。


さて、こちらが本家本元シルバーシート。現在は優先席と名を変えています。
営団などで、また小田急でも9000形などでお馴染みの、青の座面に青基調、クリーム帯グラデーションの背もたれで構成されています。また、一部の2600形には鶯色のモケットが使用されていました。
個人的にはこちらのグラデーションの方のモケットが好きです。「うすしお胡麻」のパッケージような雰囲気がたまりません。

余談ですが、2003年末に他の小田急通勤車が優先席区画に、白い吊革に代わって続々とオレンジの吊革を導入していったのですが、この2670Fに限って、優先席区画の吊革は白色が「続投」しました。もう消え行く車輌には投資したくなかったのでしょうか?それとも、往年の雰囲気を少しでも良い状態で伝えたかったからでしょうか…。

昼下がりの「江ノ島」にて。
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