小田急電鉄  1000形[バケットシート車]
 
  小田急線では初のステンレスカーとして登場した1000形。当初は真っ赤な区分分けなどされていない座席を搭載しての登場でしたが、後にバケットシートやLED表示機を搭載した車両も新車として登場します。小田急通勤車のバケットシートへの道はここから本格的に始まったと言っても過言ではないでしょう。このバケットシートの登場により、車内の雰囲気も変化しています。今回はその辺を中心にご紹介しようと思います。
なお、バケットシートを搭載した編成は10両固定編成を中心に見かけることができ、特に千代田線直通に充当される編成に多いような気がします。画像もその多摩急行に充当中の10両固定編成(だったかな(殴))この1枚の画像の中に懐かしアイテムが二つほどある時点で、小田急の変化の速さを感じさせられます。
(撮影・取材 小田急小田原/多摩線・登戸〜唐木田)

 

 

 


車内全景です。バケットシートになってから若干暖かみが抑えられた感じでしょうか。鮮やかすぎる赤!に代わって目に飛び込んでくるのは紫とも捉えられそうな蘇芳色の座席です。構成は4ドアロングシートのまま。幅広車体を採用しているのですが、あまり広く見えないのは気のせい・・・?!

それにしてもだぁっと並んだ吊革が小田急の混雑の凄まじさを物語っています。


車端部です。化粧板は白系のものを引き続き採用しています。こうしてみると意外に車端部は座席以外の変化があまり見られないですね。それだけ基本コンセプトがしっかりした車両だったのでしょうか。
貫通扉は化粧板がしっかりついていて、他と違和感がでないように工夫されています。
そして、妻窓の青みがかった窓ガラスはこの車両でも要チェックです。


乗務員室との仕切りです。運転士が座るスペースの背後は壁。このスタイルも登場時から変わらずです。が、その背後のLED表示機の存在が思ったよりも大きいです。
よく見ると助手席の背後の窓ガラス、上下に分割されています 車掌さんのアナウンス確認用でしょうか。それとも・・・まさか暑い時に車内からの冷房を・・・?!いや、それは考えすぎですね(^^;;;

この断面で「あぁ幅広車体なんだ・・・」なんて認識できます。


さて、天井の方も見ていきましょう。エゴイストな広告がだいぶゴッツイですが(^^;;
ラインデリアが車内をずばっと貫通する勢いで設けられています。その周りにはむき出し状の蛍光灯も。ラインデリア自体は8000形で登場済みなのであまり珍しくなく、最低限の設備を整えたといった感覚ですが、ごちゃごちゃしておらずスッキリしたスタイルになっています。これも1000形登場時からそのまま。


床もやっぱりシンプル・イズ・ベストに灰色一色。
座席の色が落ち着いたものになったせいか、若干暗くなってしまったように見えます。その一方で引き締まって見えるので、一長一短といった具合です。


ドアです。ちょいとホワイトバランス崩壊気味ですが(^^;;;
戸袋窓がこの車輌でも見られます。妻窓もあり、開放的な車内作りがこの車輌でも取り組まれています。
この戸袋窓も青みがかっています。ロールカーテンが設置できないために「少しでも遮光できれば・・・」という願いを込めて、妻窓共々青いガラスを使っています。廃車になってしまった2600形を初め各車で見られる粋な計らいはまさに小田急クオリティ。

2004年前後から各ドアの鴨居部には乗車している車輌位置を示す号車ステッカーが貼られています。


鴨居部分のLED表示機です。シャッタースピードの関係でちょいと切れてしまいましたが、1段の表示で種別から行先、ドアまで幅広くご案内。そして両側のスピーカーからはドア開閉時にチャイムが流れる仕組みです。

特筆すべき事項として、小田急の車輌では唯一全てのドアの上にLED表示機が設けられています。LED表示機は千鳥配置の車輌が多いだけに、思わず「ヨッ!太っ腹!!」なんて言ってしまいそうです(^^;;
LED表示機のフレームが少々汚れている感じがしますが、ドアの化粧板共々周りと色調を合わせた、控えめな雰囲気がまた落ち着きを作り上げています。


座席、まずはドア〜ドア間の7人掛けのシートからです。
背もたれ、座面ともバケット形状になっていて、かなりはっきりと区分がつけられています。モケットは蘇芳色をベースにして青い破線のようなものでアクセントをつけたもので、後に小田急5000形や8000形の一部に採用されたり、2000形のモケットのベースになったりしています。
袖仕切りは内側にモケットを貼った豪華仕様。ちょうど小田急1000形が登場した頃に関東私鉄各車で流行っていたものと形状がほぼ一致します。ただ、戸袋窓の関係で化粧板の上のバーが少々扉側に膨らんだスタイルになっています。若干余裕ができてプチハッピーといった感覚でしょうか(^^;;


車端部の4人掛けです。車端部は肘掛けに相当するスペースがとれなかった代わりに、モケットを貼って「ここも座席の一部なんだ!」というのを意識しています。とはいえ、狭いものは狭い・・・(^^;;;
座り心地ですが、バケットシートにしては健闘しているほうかなぁ・・・と思います。ただし、これは空いている時か全部座席が塞がっている時にバケットの窪みにジャストフィットする人だけしかあてはまりません(^^; 

ただ、この車輌、下手すると所要時間90分以上のロングランにも平気で入ってきます。座面の前後は特にですが、全体的にやや硬めで、姿勢がある程度強制されてしまうので、ちょっとギブアップが早めになってしまうかなぁ・・・というのが心配です。

個人的にはバケット形状の座席ではなかなか良い出来なのでは、なんて思うのですが・・・乗車区間や乗車時間、混み具合によってだいぶ評価がばらつきそうなシートです。


最後に優先席です。4人掛けの部分のみの設置で、紫色のモケットを使用しています。ちょっとおしとやかな雰囲気で、蘇芳色のモケットとは一線を画した雰囲気。

画像はちょっといつもとは違う角度で撮影してみましたが、座面の凸凹が思った以上に激しいようです。これで万が一凸の部分に座ってしまったら・・・いやぁ、ダークな優先席になるのでやめておきましょう、想像するのは(^^;;

そうそう、今までの小田急線とは違うところ・・・になると思うのですが、今までの車輌よりも気持ち座面位置が低めに設定されています。特に4000形や9000形から乗り換えてくるとその微妙な位置の違いに気づきやすいと思います。


優先席付近はこのように携帯電話の電源オフを訴えた黄色い吊革が設けられています。
オレンジがかった黄色はなかなか目立ちますが、あまり街中では見なさそうな色ですよね(^^;;
この1000形では丸い吊革が採用されています。他の吊革と同じ形のものを持ってきたのですが、握った時に「あ、ここ優先席なんだ・・・」とわかるような工夫がしてあると、もう少し良かったかもしれません。
 
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