小田急  1000形
 
  1988年に登場した1000形。
9000形のイメージを残しつつステンレス化。小田急の通勤電車の決定版的な位置づけなのでしょう、千代田線乗り入れの多摩急行から箱根登山鉄道の乗り入れまでなんでもござれ。今回はそんな1000形の車内から、比較的初登場の時の面影を残しているバケットシートでは無い座席を搭載した車内をご紹介します。
このタイプの車内は多摩急行に充当される10両固定編成よりも、快速急行や急行などで新宿寄りに連結される4両編成の方が多いようです。また、8両固定編成もバケットシートではないのですが、車内にLEDがついているため若干雰囲気が異なります。…といった具合に、この形式もやっぱりバリエーションが豊富なんですね(^^;;
(取材・撮影 小田急小田原線/新宿〜新百合ヶ丘)

 

 

 


車内全景です。今まで寒色系の車内を作り続けてきた小田急、1987年に製造が終了した8000形の一部にも暖色系の車内が採用されましたが、この形式はその流れを受けて暖色系の車内を採用しました。また、この形式の後に製造された2000形も基本的な流れはこの1000形で採用された暖色系の車内であり、1988年に登場したとはいえ、1990年代における小田急の通勤車のスタンダードを内装面で確立してと言ってもいいのではないでしょうか。えぇ、中々落ち着いた赤はかなり良い色だと思いますよ。
4ドアロングシート、裾絞りも小田急らしいアイテムですね。地下駅で取材したのであまり実感が沸きませんが、実に開放感のある、広々とした車内です。


先に乗務員室との仕切りです。地下鉄運用も考慮したのでしょう、運転席背後には窓が無く、機器類が収められているようです。蓋と思しきものが上下に設置されています。9000形と8000形の折衷案といった形になりましたが、蓋のおかげで左右ほぼ対称にデザインされています。なお、仕切り面に広告枠はついていません。
吊革がびしっと前までついています。長めの吊革には広告枠がついており、時折縦長の広告が貼られています。


逆サイド、車端部です。両側とも優先席で、携帯電話のオフを呼びかける黄色のハンカチならぬ吊革がしっかりとあります。
この形式も戸袋窓や妻窓には薄く青い着色ガラスが使われています。車内にいる分にはあまり気がつかないですが、こうして画像にして貫通扉の窓と比べると、隣の車両の着色ガラスの効果もあるのかもしれませんが、青いです。その青さがまた小田急っぽくて良いですね。

貫通扉は全ての車端部に備わっています。大型の取っ手は使いやすさだけではなく、見栄えもいいですね。

車端部にはこのようなメッセージも。この丸ゴシック体といい、紺に白という色のバランスといい、単なる注意書きを越えた美しさを持っているかのようです。

ただ、その一方で車端部に備わっている消火器は…ちょっと減点かもしれません。カバーは確かにアルミ素材だし、つや消しになっている分見栄えも良くて存在感が出ているのもわかるのですが、客席側にフタそのものがはみ出してしまっています。ただでさえ狭く感じる一番端の席ですが、この存在がさらにそうさせていると思うだけに、もう少しひっこまなかったのでしょうか…。


天井はフラットになっていて、中央部にはラインデリアがどかんと。そして両脇には蛍光灯が剥き出しのまま設置されています。このあたりの構成は8000形と大差ありません。
このラインデリアは三菱電機が作ったらしく、夏場に冷房としてラインデリアが稼動すると時折網越しに「MITSUBISHI」の文字やマークが入ったロゴが回ってきます。「だから何?」と言われればそれまでですが(^^;; 真夏のささやかな楽しみにロゴ探し、いかがっすか?


床も天井と同じくシンプルに灰色一色。最近でこそ色々と床のデザインに凝り始めた小田急ですが、1000形ではその様子がまだ見られません。ただこの灰色が赤いモケットを引き立てているような気もします。

 
ドア周りです。右の画像は乗務員室の背後、左の画像は中間車にて撮影しました。2枚載せた理由とかはあまり無いのですが(^^;;乗務員室の背後のみ戸袋窓が無い仕様になっています。
ドア自体は両開き扉で、化粧板を貼られ落ち着いた雰囲気が出ています。後にLED表示機を備えた編成が増備されましたが、初期の頃はそのような設備は無く、今もドア上の鴨居部は広告枠となっている編成が多く残っています。
背景のタイルの色をドアの部分と戸袋窓の部分で比較すると若干戸袋窓の方が青みがかっています。この戸袋窓にも着色ガラスが使われています。


窓は1段下降式。9000形ほどのうるささではないですが、それなりにバタつきます。
そしてロールカーテンは茶色。なんだかくたびれたり汚れたりするとかなりその部分が目立ったり、より一層そう感じさせたりするような色ですが…もちろん無いよりはいいかな。


座席です。ドア〜ドア間の7人掛けからご覧下さい。とにかく個人的な意見から言っちゃうと1000形のこの座席は小田急の通勤車の中ではかなりゆったりと座れるのではないでしょうか。左右幅が従来車よりもほんの若干広く、かつ背もたれの高さ、膨らみともにほど良い感じです。ただ、この赤のモケットは滑りやすいという欠点があります。従って姿勢悪く座っていると次第に前の方にずれていってしまう感じがします。色も触り心地も良いのですが、ちょっと勿体無いなぁなんていう個人的な感想を持ちました。


車端部の4人掛けです。車端部には余裕さはあまり無いようですが、座席と同じ色のモケットが貼られており、着席時に化粧板の冷たさを直接触れることが無いように配慮がなされています。
データイムなどでお客さんが少ない時間帯はバケットシート車よりもゆったりと活用されていそうな感じですね。


優先席も4人掛け。当初は青1色のモケットで登場しており、この柄は実質マイナーチェンジ版といったところでしょう。とはいえ、9000形や営団の車両でお馴染みの白グラデーション・・・ 赤主体の車内においては目立つことは目立ちますが、いかんせん今までに無かった鮮やかさを誇る赤とは逆に新鮮味が欠けています。
なお、青1色バージョンの優先席も現在ごく少数ながら残っています。

 
最後にクローズアップ袖仕切り。この形式で板状+パイプといった形の袖仕切りを採用しました。見てくれは201系や205系に似ていますが、内側にもモケットが貼られており、外側の化粧板も車内の化粧板と同一仕様になっています。優先席部分はきとんと青のモケットを使っています。磁石や床屋さん状態にならずに済んでいます。

化粧板の上にある横のバーは車体にかけて少々膨らんだ格好になっています。そのまま直線でも戸袋窓にはギリギリ干渉しない位置ですが、座っている方の居住性を考慮したのでしょう。この頃(というかこのバージョン)の小田急通勤車はゆとりを少なからず取り入れているなぁなんて印象を抱いたのですが、後にそんな会社がまさか同じ1000形でゆとりとラッシュを天秤にかけるとは…想像もつかない車内なわけで…うーむ…。
 
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