西日本鉄道  313形
 
  生まれはなんと昭和27年!走行音からも、見た目からもそんなに古さを感じさせない車両が西鉄貝塚線にいま…した。
4編成製造されたものの現在は1編成のみが残っており、ラッシュ時を中心に活躍していま…した。
平成27年1月、往年の塗装を身にまとった313形は関東在住の身としては密かに引退してしまいました。私的には2000形並の引退劇を期待していましたが…福岡では盛り上がったのでしょうか?噂によると座席のモケットも交換したとか…その姿も見たかったものです。
私的には外観の逸話が五感で味わえるくらいもう少し取材を重ねたかったところですが、この形式が最後に取材受けたのはNHKのブラタモリだったそうです。
「また見に来てくれるかな〜?」
(取材・撮影 西鉄貝塚線・貝塚〜西鉄新宮)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシートです。更新工事、そして冷房化も行われたこともあり外観ほどの古さは感じません。この車内が2ドア車でもっと重みのある車内だった…ことはあまり想像させません(^^; 3ドア車になってなお窓配置が独特で、思えば西鉄では最後の片開き扉車だったんですね…。
ワンマン運転を行っていますが、運賃箱や整理券発券機はありません。


車端部の様子です。2両どちらも車端部は優先席に指定されており、ラベンダー色の鮮やかなモケットがスタンバイしています。貫通扉は特に設置されていないのは貝塚駅での通り抜けも想定してのことかなぁと思ってしまいますが、どうも登場時からこの幅広の貫通路だったようです。
313形は更新工事を経て3ドアになりましたが、車端部の側窓が3つ並ぶところは今も昔も変わらないようです。ただ、登場時の窓からアルミサッシへ交換されたこともあり、見た目がスッキリしています。その上下、荷棚の支持方法と床の蓋から、良い感じに哀愁を感じます。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像が貝塚方、右の画像が新宮方の仕切りで、車椅子スペースを備えています。ここの窓配置も登場時から変更ありませんが、面白いのがどちらの車両も向かって左手にある立席スペースの存在。この機器箱は600形には無く、左右両側に座席が展開するので「あれ、なぜ古参のこちらがイマドキのフリースペースを?」と思った次第。車内の画像ではないのですが、どうやら宮地岳線が廃線になった段階でこの機器箱はあったようです。その上の吊革が立席仕様ではない点は車椅子スペースも一緒です。
仕切り窓は大きく、扉の左側には温度計も備わっています。

 
車椅子スペースと立席スペースです。施工された時期が違うからかどうか、車椅子スペースには滑り止めのシートを床に、窓の下には握り棒、そして窓の上には荷棚(!)が残されています。5000形の車椅子スペースの改造と見比べると、握り棒の形状は握りやすさもさることながらこの形式に設置されていない壁かけの暖房とマッチする幅を取っています。で、こちらは暖房はありません…。
非常通報機は反対側に設置されています。昔のバスのボタンにあるような形状がキュートです。

 
天井です。分散型クーラーと扇風機の組み合わせです。取材したのは9月だったこともあり、扇風機のカバーは風を通すものをつけていますが、年中このカバーだったようです。冷房の下には中吊り広告の金具がぶら下がっていますが、取り外しができるようになっています。金具にテプラがついているようにも見えますが、単なる青いシールが貼られています。なお、製造当初は白熱灯だったそうです。
蛍光灯の外側には吊革の支持棒が車内中央に向かって緩いカーブを描いていますが、このパーツは600形でも見られます。


床です。灰色一色の飾り気のない床です。


片開き扉です。ステンレス無塗装のドアで、ドア窓がかなり大きくとられているのが特徴です。その狭いドア脇にドア位置の点字シールを貼っています。閉める時の挟み込み防止の動きが面白く、開ける時のガラガラガラ…とは対照的だった印象があります。増設されたドアも同じような仕様でした。600形と比べると僅かながらドア〜座席間の間隔が広かったような記憶もあります。


側窓です。2ドア時代はドア〜ドア間に9枚の窓があったようですが、乗務員室に近い側、つまり画像では奥のドア〜ドア間を4枚、車端部に近い側、この画像では手前側のドア〜ドア間に3枚の窓を設置して、座席の長さがそれぞれ異なるなかなか悩ましい仕様になっています。改造車ならでは…と言いたいところですが、2ドアの頃の窓周りは外観だけ見でも今と相当違っていたようです。京急の整った窓配置の片開き3ドア車を見ていた私としては、慣れるまでにちょっと時間がかかりました(^^;; 鈍感です。

 
ロングシートデス。ドア〜ドア間はその窓の配置に合わせるかのように長さによって3種類に分けています。8人掛け、6人掛け、そして4人掛けといったところでしょうか。
600形では見られないひじ掛けのような袖仕切りが大変美しいロングシートですが、モケットが600形と同じ蘇芳色ということもあり、600形と乗り比べをしてもあまり差を感じないような印象を受けました。ヒーターの網目はこちらの方が細かいようで、ドア周りまで回っているのもポイントです。


乗務員室の後ろの4人掛けです。こちら、2両編成で1か所のみの設置です。ドア〜ドア間の座席とは違い、ドアコックと思しき蓋がこちらにはありません。故に目立つのが座面下のアイボリーの金具。これ自体は600形でも見られますので、あれ、600形との差がさらに縮まっているような…(^^;;
ノスタルジーなひじ掛けを兼ねた袖仕切りとは裏腹に、仕切りの方には特段ひじ掛けのような取り回しができるスペースはありません。とはいえこの環境での前面展望は格別だったと思います…片道だけですが(^^;;;


車端部の優先席です。こちらは6人掛けといったところで、鮮やかな紫のモケットは天神大牟田線でも見ることができます。ただ、バケットシートではない優先席は徐々に貝塚線ならでは…になりつつあります。
画像で見るよりも奥行きが浅め、沈み込むものの結構強く跳ね返るような座面だったと記憶しています。車内が混んでいなかったこともあり、不思議とまったり寛げた記憶があります。


全体的にキレイな状態で引退を迎えた313形ですが、ここに登場時の装いを今に伝えるであろう素敵なパーツを見つけました。
赤玉の表記がストレートで好きです。
 
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