南海電鉄  8000系
 
  このコンテンツでは2008年に営業運転を開始した8000系を取り上げます。全部で4両編成13編成が製造されました。南海電車ではお馴染みの東急車両での製造で、特急サザンをはじめとした南海本線・空港線系統での活躍が続きます。
「やさしいがうれしい」というキャッチコピーが光りますが、第一印象は優しさよりもちょっと大人しいかなぁ…という印象。格好良さは1000系、可愛さは「めでたい電車」が思い浮かぶ取材班としてはちょっと物足りない表情ですが…あ、物足りないと言えば…デビュー前の帯無しの状態で公開されたのは今でも鮮明に覚えています。「ASSYパーツみたい」なんて失礼な事は言っていませんよ(^^; 素敵なサーヴィスだったと思います。
今回は8008編成、8013編成の模様を中心にお届けします。
(取材・撮影 南海電鉄空港線・関西空港 他)

 

 

 


車内全景です。4ドア車、オールロングシートの車内です。心なしか一歩車内に入ると天井が高く見えるような気がします。座席は確かにE231系のような見た目ですが、JR東日本の車内を南海電車に持ってきました!というよりも座席だけJRから拝借した紛れも無い南海電車の車両…という印象を抱いたのは私が滅多に南海電車に乗らないからか、はたまた関東でJRE231系に瓜二つの私鉄車がそこそこ見られるようになった影響でしょうか。興味・関心が損なわれることがなかっただけに、実はホッとしています(^^;;

 
乗務員室との仕切りです。左の画像はなんば方車両の仕切り、右の画像は和歌山港方車両の仕切りになります。車外の貫通扉からも想像ができる部分ですが、指定席車と連結する時は扉の向こうにリクライニングシート…という展開もあります。
下まで長めに伸びた仕切り扉の窓も大きいですが、その周りの仕切り窓も大きさ十分。運転席側が着色ガラスになっているのは南海電車の車両ではすっかりお馴染みの仕様です。その右上の乗務員室のピクトグラムがわかりやすくてお気に入りです。

 
車端部は4人掛けロングシートです。車椅子スペースは1000系同様ドア〜ドア間に設置されているため、8000系の車端部バリエーションは優先座席かどうかだけの2種類。和歌山港方車端部は青いモケット、黄色い吊革がお出迎えしてくれます。
仕切り扉同様大きいガラスがポイントの貫通扉は各車両の車端部に設置、引き戸の取っ手が大きくなって多少は開けやすくなったでしょうか。その取っ手の上には「自動で閉まります」の案内が貼られています。
南海の通勤車では割とお馴染みの妻窓はこの形式でも採用されています。その下、消火器の位置はなんとかならなかったのでしょうか… 1000系の車端部を持ち出してはいけないとは思うのですが、車端部の居心地の良さこそ南海電車の好きな部分だっただけに、パッと見て消火器の存在に気づいた瞬間、ここは東京かニースじゃないか、と嘆いたとか…いないとか…。


車椅子スペースです。非常通報機とヒーターを備えていますが、窓の下だけのヒーターで完全に車椅子スペースを使うお客さんに暖かさが提供できるかどうかは若干心配です。戸袋部分には非常通報機を備えています。
和歌山港方先頭車両だけ位置が若干異なりますが、各車両1か所ずつ備わっています。案外、空港方面に行き来する方はこのスペースにスーツケースを置く方もおられるのでは、と思います。ここなら袖仕切り越しに座りながらスーツケースを抑えることもできます。後継8300系ではそのような車内の活用方法もピクトグラムで紹介していますが、こちらはまだ隠れ技状態です(^^;。


ラインフローファンがところどころ設置された天井です。蛍光灯は間隔をある程度あけて、剥き出しのものに再び戻りました。1000系、2000系、2300系あたりでカバーつきの蛍光灯に酔いしれていた方からすると少しガッカリされたかもしれませんが、韓国での地下鉄火災を受けて蛍光灯カバーの見直しが他社も含めて行われていたこと、そして装備が進むにつれ灯具がLEDに変更になるなど、ちょうど過渡期の増備にあたってしまった格好です。
そして全景でもお話しした天井の高さは荷棚の上のスペースに見ることができます。


茶色ツートンの床はなかなかキレイな色で、この車両のお気に入りポイントの一つです。

 
黄色のラインテープが目立つドア周りです。ラインテープは目立つものの、全体的にスッキリした印象に仕上がっています。鴨居部はLED表示機の有無が千鳥配置で分かれており、鴨居部の下にはドアの開閉に合わせて赤く点滅するランプも。ドア鴨居部の両脇に縦長の広告枠が設けられていますが、この部分が最も南海電車らしいなぁ〜と思う部分…だと取材班は思いますが、いかがですか?
吊革が線路と平行方向の設置のみになっていることもあり、鴨居部周りの構成もスッキリ。ドア窓はスッキリ接着仕上げで内側から見ると段差がありません。

 
鴨居部です。左の画像、LED表示機は一度に12文字が表示できます。次駅案内、行先案内がメインになります。路線図を馴染みの位置に設置した影響かLED表示器の文字が小さくなってしまっている点は否めません。今後、1000系のように液晶ディスプレイへの置き換えが始まるかどうか、気になるところです。
右の画像ではドアが閉まる瞬間を切り取ってみました。赤いランプよりもみさき公園の広告の方が気になる2021年秋です。


窓周りです。ロールカーテンを備えた仕様で、昔ながらの4か所ほどの窪みに引っ掛けて固定する方法です。1段下降窓と固定窓の組み合わせで、窓の桟には座席下のヒーターについての注意喚起が貼られています。

 
座席は3種類、モケットは茶色の通常仕様と青い優先座席仕様の2パターンがあります。
関東ではお馴染みのスタイルの座席が採用されています。スタンションポールから袖仕切りまでまるっと持ってきた印象です。ただ、吊り下げられたドアコック(壁面のピクトグラムがわかりやすくてgoodです)と座面と背もたれで同一のモケット…という意匠が新鮮です。後者はやや残念な感じもしますが(^^; 南海電車で座面と背もたれで別のモケットを採用すること自体が稀有なのでしょう。

 
車椅子スペース脇の4人掛けです。袖仕切りが独特な意匠で、ドア周りの袖仕切りとは全くの別物であることが伺えます。また、この4人掛けにはスタンションポールがありません。ここまで紹介した優先座席は和歌山港方先頭車で見られます。
Sバネが座面に入っているそうですが、従来車の柔らかい座り心地と比較すると「硬い」の一言が真っ先に出るのでは…と思います。座席幅も数字上では広がっていますが、ここまで形状がカチッと決まったバケットタイプの座席故にかえって狭く感じてしまいます。この感覚・・・JR東日本の209系導入時に感じた印象にそっくりです。

 
車端部の4人掛けです。優先座席の画像には消火器が写っていますが…妻面の席の足元と肩回りの狭さはなんとかならないものでしょうか、と小一時間…(^^;; スタンションポールが無いのは先ほどの車椅子スペース脇の座席と一緒です。


袖仕切りです。この手の大きな袖仕切りは南海電車では初めての投入になりました。結構喜ばれたと思うのですが、あれ、8300系になると…こればかりは製造会社の関係もあるかもしれませんね。
冒頭のキャッチコピー「やさしいがうれしい」はこの部分かもしれません。
危うく、どこがやさしいかわからないうちに「やさいがうれしい」に変換しそうになったのはナイショです。
 
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