南海電鉄 7100系「めでたいでんしゃ」 | ||
ぎょぎょぎょ!! なんと、鯛が電車になっちゃいました!走っているんだか泳いでいるんだかよくわかりませんが、とにかく「めでたいでんしゃ」なのです。 和歌山電鐵が数々の楽しい電車をリリースする中、南海電鉄もアイデアを一捻り。ライバル関係なのか、はたまた協調なのかはわかりませんが、鉄道で地域が盛り上がればこの上なく最高!とにかく「めでたいでんしゃ」なのです。 平成28年から和歌山の加太線で運用されています。土日は固定運用で、平日は運用が変動するそうです。加太の鯛がベースらしいですが、このまま高野山にはいかないかなぁ…山に登る魚なんてめでたいじゃないですか…あ、私の頭がめでたいということがバレてしまいました。今日もめでたい、めでたいでんしゃ。 (取材・撮影 南海電鉄加太線・和歌山市〜加太) |
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車内全景です。見事に紅白です。こりゃおめでたいっす。他の南海車が軒並み落ち着いたトーンの車内なので、余計明るく、鮮やかに映るものです。 この手の車両にしては珍しく4ドアロングシート車です。通勤車のまま構成にはあまり手が加えられていないのでラッシュ輸送にもそのまま入ることができます。それでいて車内の隅々まで注目してね!と細かいアピールを放送で流すものだから、マグロの如く回遊性をも生み出す…恐るべき「めでたいでんしゃ」の実力です。 編成中央部にあたる車端部の様子、左の画像は加太方先頭車の車端部で車椅子スペースを設けています。故に右側の和歌山市方先頭車の車端部と比べて座席の長さが若干短くなっていることが伺えます。また、車椅子スペースとセットで優先座席が設けられています。この部分の構成も他の車両と同じですが、優先座席のステッカーが目立たないくらい周りのめでたい雰囲気がたっぷり。戸袋部分の縁起物にも要注目です。 乗務員室との仕切りです。左の画像が加太方先頭車、右の画像は和歌山市方先頭車で車椅子スペース、優先座席を設けています。優先座席は真っ赤ながら他の座席と差別化を図っていることが伺えます。縁起物にも注目、そしてこの車椅子スペースの近くには…車内放送を要チェックです! 引き戸の仕切り扉、そして周りよりも明らかに黒いガラスが入った運転席背後の窓も、これだけ昼間明るいとくっきりと区別がつくものです。加太行進行方向左側は終盤に海から林まで多彩な景色が見えるだけに、透明な窓がちょっと恋しくなってしまいます。 車椅子スペースです。左の画像は車端部、右の画像は和歌山市方先頭車の乗務員室背後です。2人分の座席を車椅子スペースに充てた格好です。南海独特のピクトグラムに加え…あれ、何か物足りないような…?! スペース上車椅子でこのスペースを利用した場合、ドアまではみ出してしまう点はやむを得ないところです。そのショートショートなスペースの関係か、握り棒一本のみの構成はちょっと寂しくも感じます。 天井周りです。大きな変更点は吊革です。正直こんなにかわいい吊革は見たことがありません。重心がしっぽの方に偏ってしまうのが難点ですが、こまめなメンテナンスでバンド部分のヒビ割れが起こらないよう切に願うばかりです。そしてこの魚の向き、加太の方に向いています。和歌山市から加太に誘う演出も完璧ですが、折り返しは…バックオーライですねわかります。 冷房装置や蛍光灯はそのままですが、中吊りのふわっとした演出も涼しげで非日常感をさらに加えています。通勤電車の構成そのままに、うまいです。 ドア周りに魚が集まる床です。南海の通勤車にも木目調の床はありますが、明らかに他では見られない鮮やかな木目調です。ただ、実際に木を使っているわけではありません。その点は和歌山電鐵のこだわりの方が強いかなぁと思うし、もうちょっと模様に工夫してみるのも良かったと思います。 ドアは赤く塗りました。わかりやすい!そしてドアの下には魚が群がっています。きっと美味しいエサがわんさか入ってくるのでしょうね…(^^;; その魚も見た目かなり鯛よりも小さいような…金魚に見えるような…まいっか(^^;;; ドア脇には大小取り混ぜて広告枠が設置されていますが、そちらも各ドア読んで回っても加太線の乗車時間で読み切れる内容にまとめられています。その枠、そして握り棒も茶色に塗られており、周りとうまく馴染んでいます。ただ、握り棒を塗るのはアイデアとしては良いのですが、厚く塗らないと後々悲惨なことになってしまいます… 真っ赤な電車のあの私鉄で教わりました。 窓、荷物棚には特に仕掛けはありません。カーテンは網のような柄に仕立てられています。こういうオリジナリティは楽しいですね。私としてはみかんの網に見えて仕方ないです。誰ですか、網タイツって言っているのは…(殴 ドア〜ドア間のロングシートです。大きく分けて2種類、赤と白のモケットがお出迎えです。いやはやおめでたい。座席はモケットの張り替えくらいで、オリジナルの柔らかく深い座り心地は全く損ねられていません。故に座り心地もなかなか良いものです。何も根本的に作り替えなくても、素敵な物は作れる好例です。強いて言うなら通常あまり使われない白地のモケット、メンテナンス大変そう…。 車端部です。車椅子スペースの脇は優先座席で、市松模様のモケットでおめでたさがさらに増しています。赤いちゃんちゃんこにしたら座れる人も限られちゃいますからね…(^^;;; ただ、この2人掛けの座席は見た目同様それなりに狭さを感じます。 また、袖仕切りが窓枠より下でおさまっているので、車椅子スペースを作ってもそのまま袖仕切りを活用することができます。 乗務員室の後ろも車椅子スペースの隣が優先座席になっています。さて、このモケットの中、どこかしらにハートのうろこが隠れているらしいです。私も探したつもりですが、なかなか見つけることができませんでした。芸が細かいというか、揺れる車内でなかなかハードな宝探しだなぁ…と思った次第。揺れる思いをハートにしたためて…ということでしょうか、沿線に縁結びの神社があることから遊び心のあるモケットが採用されたようです。 袖仕切りです。ここに色を塗るだけでもだいぶ雰囲気が変わってきます。塗料の厚みがある分若干金属の質感が薄らいでいます。あとは耐久性の問題が… 魚の吊革に木製の縁起物。見て楽しむ30分、悪くないと思います。 各社が知恵を絞って、楽しい電車が増えるといいな…と思いますし、和歌山にはそれを育む土壌が備わっていると思います。 さて、これだけ鯛とタイアップしたんですから、果たして何が釣れることやら… めでたし、めでたし。 |
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