名古屋市交通局  桜通線6000形
 
  1989年、世界デザイン博が行われた名古屋に新たにできた地下鉄が桜通線になります。カクカクしたデザインが格好良いかどうかはさておき、VVVFインバータ制御など当時としてはまだ珍しかった設備を引っ提げて登場したのが6000形になります。
量産先行車が1本つくられ、その後4両編成で増備車が作られます。現在は中間車を新たに1両挟んだ5両編成で運転しており、編成単位の増備車も路線の延長とともに作られていました。現在の増備はアルミ車体の6050形に移行していますが、現在も第一線での活躍が続いています。
今回は初期開通時に製造された量産車を中心にお届けします。量産先行車とは見た目ではあまり差がありませんが、車内はそれなりに異なるものです。
(取材・撮影 名古屋市営地下鉄桜通線・野並)

 

 

 


車内全景です。名古屋で地下鉄を利用する機会が多い方は鶴舞線3050形の赤いバージョンと認識されるかもしれませんし、その逆も考えられます。同じ車両工場を使っていること、製造時期の類似あたりが原因かと思いますが、鶴舞線同様桜通線=赤!と認識しやすい車内は初めての方にもやさしい配慮です。4ドアロングシートの車内です。

編成によっては先頭車に車椅子スペースがありますが、無い編成の方が約3/2を占めており車椅子スペースにこだわって乗られる方は多少駅での吟味が必要になってしまいます。

 
乗務員室との仕切りは2種類あります。右の画像が中村区役所方の仕切りで、左の画像は徳重方の仕切りになります。違いは運転席背後の窓があるかどうか…と言いたいところですが、向かって右側に運転席がある桜通線の6000形だけに、助手席背後の窓があるかどうか…というのが違いになります。
直線的かつ大きめな側窓とは異なり、小さくて丸みを帯びた窓が閉塞感を表しています。地下鉄なので窓がなくても仕方がありませんが…。


車端部です。中間車は両側とも片方の座席を優先席として銀色のモケットを用いています。シンプルな妻面で、混んでいなければ見やすい位置にLEDによる列車案内表示機を設けています。
私の記憶では確か貫通扉がついた車端部はあまり多くなかった気がします。


貫通扉と強引に「防火つながり」で話を続けてしまいますが、消火器が頭の上にあるというのは閑散とした時間帯で使用する場面に遭遇した時において、煙の中で確実に探し出せるか不安になってしまうのは私だけでしょうか。もっとも露出している分まだわかりやすいとは思いますし、座席下に格納するよりもだいぶ使うまでの時間は短縮できそうです。
先頭車は両側とも優先席扱いになっています。赤が目立つ桜通線の車内において落ち着いた表情で佇んでいます。

 
この画像は野並開業時に中間車として各編成に挿入された増備車になります。真ん中3号車は量産先行車も含めて全てこの雰囲気になります。鶴舞線の3050形により似たスタイルになり、最大の特徴が車端部の妻窓になります。これ、編成すべての妻面に窓が付いていればなかなか見通しが効く素敵な車内になるわけですが、妻窓の先にはステンレスの銀なので魅力半減といったところでしょうか。他にも吊革の配置やLED表示機の位置、消火器の格納方法や吊り広告の位置など、細かい差は多数あります。ただ、基本が量産車の踏襲になりますのであまりそれらの差は目立っておらず、編成の中ですっかり馴染んでいます。

 
天井は量産車の画像を左側に、右側に少し違う位置で撮影した増備車の画像でお届けします。量産車の天井では増備車にはないセンターサークル状のドア付近の吊革が大きな特徴です。これも鶴舞線の3000形でお馴染みのスタイルで、世界デザイン博に刺激を受けて…というわけでは決してありません。
吹き出し口はラインデリアと個別スポットの二段構えで強力そうなアピールをしています。


床です。着席した方のフットラインを意識した赤とベージュのツートンカラー。西武の赤電っぽさもありますが、ここは名古屋の桜通線。この床の赤がこの車両の中で一番桜っぽい色かもしれません。

 
ドア周りの画像はドア付近の吊革の支持違いということで2枚載せてみました。左の画像が増備車で、右の画像が量産車になります。数で比較すれば量産車の方が多く、画像では表れにくいですが位置でいえば増備車の方が車内外側にセットされています。混雑の度合いが異なるので首都圏の目線で語ってはイケマセンが、私はつかまるところが多いサークル状の支持の方が本来の用途に合っていると思います。
ドアそのものは化粧板を貼ったタイプで、引き込み防止か、はたまた作業工程の都合か鴨居部から床にかけて戸袋と接する面に金属のカバーを設けています。その鴨居部の表示は蛍光灯の照り返しが少なく、文字を大きくさえすれば遠くから見ても支障はなさそうです。

ドアの位置を点字で示すステッカーはすっかりお馴染みになりました。


側窓です。似た窓が配置されていますが、片側は開閉可能、もう片側は開閉ができません。


座席です。この6000形量産車から座面のみバケットタイプになりました。7人掛けのドア〜ドア間のロングシートです。
量産先行車はバケットシートではなく鶴舞線3000形の色違いモケットといった様相で、それと比べてスタイリッシュになっている様が大きなポイントではないでしょうか。バケットシートの例があまりなかった頃のリリースだけに、定員着席に向けて取り組みを始めた時期にしてすでに決定的な一打を放ったような印象さえあります。

それでいてヘタレ感が全くない点がお見事です。

 
車端部は3人掛けです。通常モケットの鮮烈な赤に対して、優先席は銀色で決めています。優先席の方がプリント柄がハッキリしています。妻面の空間の取り方、袖仕切りの余裕の生み出し方など、今に継承して欲しい部分が続々と浮かんできますが、これもまた時代の流れ。やや見飽きてしまった構成だと思ってしまうのはJR東日本の205系と重複して見えてしまうからです。

座面の位置が少し低いかな…という印象を持ちましたが、普段乗っている方はいかがですか?

 
増備車も妻窓や消火器入れ以外に差はありません。妻窓があるからということで空間の拡大に直結しているわけではありません。先ほど車端部から妻窓越しに見る景色を述べましたが、妻窓から見る景色もなかなか落ち着けるものではありません。ステンレスの銀に幌のねずみ色、そしてトンネルの黒…うーん、桜にはほど遠いモノクロの世界です。


袖仕切りは化粧板とパイプでオーソドックスな構成です。
N1000形のような目隠し状の化粧板構成よりもよほど落ち着いて見えます。

 
最後にLED表示機です。前後2段に分かれていますが、どちらも四角いLEDを敷き詰めた懐かしいスタイルになっています。
貫通路の上は少々見難いですが、それ以上に上下それぞれスライドする表示は格好良くもあり、情報を見るのに大変だと思う部分になります。

「快適空間賞」という賞をとっているそうですが、あくまでもこの案内表示機のみ受賞とのことです。そして販売を終了した「ユリカ」の内容がLED表示機から流れますよというテプラの案内に、いかにもお役所っぽい処理だと感じずにはいられません(^^;;

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