名古屋市交通局  鶴舞線3050形
 
  1993年、名古屋市営地下鉄鶴舞線が庄内緑地公園から延伸して上小田井まで全通し、名鉄犬山線との相互直通を始めます。その時に導入されたのが3050形になります。
ベースになったのは桜通線の6000形ですが、青帯や前面非常扉の位置の違いなどから似通ったようには見えません。
関東に住んでいると「レア形式」っぽく見えてしまいますが、実際は3000形15本に対して3050形が9本、さらに両者の混結編成が1本とあまり遜色のない本数が揃っています。名鉄犬山線、豊田線、三河線と運用が広範囲にわたっていることからなかなか巡り会わないことも「レア形式」っぽく見える一因かもしれません。

(取材・撮影 名鉄犬山線・岩倉〜上小田井 他)

 

 

 


車内は寒色形、すなわち鶴舞線のラインカラーである「青」を基本にしています。名鉄や名古屋市営地下鉄の他形列にはなかなか見られない色合いが独特の4ドアロングシート車になっています。

1990年代前半に通勤電車によく見られた装備をひととおり備えている感じで、同時期に製造された東山線5050形、桜通線6000形、名城線2000形と袖仕切りや化粧板の色、窓周りの処理などが非常に似ています。特に窓周りは乗り入れる名鉄車とは対照的で、微々たる部分ですが「名古屋市交っぽさ」が感じられるのではないでしょうか。

 
車端部の様子です。左の画像は先頭車の車端部で優先席が両側とも展開しています。右の画像は中間車で貫通扉が設けられている車両の様子です。ドア手前の出っ張りが両側ともついていますが、ドア開閉装置が名鉄車に倣って設置されています。通勤電車の中に…なかなかの違和感があります(^^;;
妻窓が設けられており、隣の車両との一体感がでています。ただ、貫通扉の無い車端部も多く、隣の車両から風が通り抜けることもしばしば見受けられます。お洒落な貫通扉は全車両について欲しいものですが…


車端部にはLED表示器が設置されています。東山線や名城線などで見られる物と同一で、2段表示のLEDは文字も大きく、行き先から次駅案内、案内広告まで流すことが出来ます。
個人的につボにはまったのは2段それぞれが横スクロールで文字を流す場面で、右から動いては停まる様子が東京証券取引所のLED表示器の如く格好良く見えるのです。…本当に個人的、ですね(^^;;;
なお、名鉄線内では表示される場合と表示されない場合があります。


先頭車、乗務員室との仕切りになります。背後には車椅子スペースが設けられています。LED表示器もしっかり仕切り扉上に備わっています。抜かりはありません。
地上区間も乗り入れ先の関係で十分長いのですが、仕切り窓は前面展望に適した物ではありません。特に運転席背後の窓の下には広告枠まで設けられています。


車椅子スペースです。ロングシート2人分をあてがっており必要最低限の広さとなっています。そこに握り棒や非常通報機などを設けています。なかなか質素な感じで車椅子マークのシールもどこにあるのやら…といった様子ですが、ちゃんと側窓にありました(^^;; ドア脇の握り棒を短めに設定したのは良いとしても、横に伸びる握り棒があと1本あればもっと使いやすくなるかと思います。


天井周りです。ところどころラインデリアと吸い込み口があり、その周りには蛍光灯が剥き出しの状態で設置されています。定番のスタイルではありますが、吸い込み口が少々物々しいです(^^;;
吊革は3000形ほど独特な配置ではないものの、ドア付近の吊革が蛍光灯の内側に設置されており、3000形の意匠がそのまま受け継がれています。


床です。フットラインもやはり寒色系、周りはグレーで固めています。


ドア周りです。傍らには鏡もチラリと見えています。
LED案内表示器が車端部に設けられているため、ドア周りは意外にもこの1種類のみの展開になります。鴨居部も路線図のみで少し手持ち無沙汰な面持ちです。
ドアそのものは化粧板を貼り、周りを銀縁で覆っています。バリアフリーを意識し始めたであろう1990年代前半あたりから流行りだしたデザインですが、手すりの短さが気にはなります。


側窓は1段窓です。地上区間も名古屋の地下鉄にしては走る区間が長いですが、容赦なく広告を貼っています。
ロールカーテンももちろん装備しています。


その窓の下の座席、まずはドア〜ドア間の7人掛けからご覧頂きます。桜通線の赤に対して鶴舞線の「青」を前面に押し出したロングシートで、座面のみ西武6000系を彷彿とさせるバケットシートになっています。背もたれも柄をプリントして着席区分をやんわりと示しています。長距離需要も多い鶴舞線だからこそ!と言い切れるかどうかは極めて怪しいものがありますが、座り心地と通勤をそこそこ両立した座席になっています。


車椅子スペース脇のロングシートは5人掛けになっています。袖仕切りはパイプの形状を上手くやり繰りして側窓に干渉しないように調整しています。

 
そして車端部です。通常の青いモケットに対し、優先席のモケットは銀色を用いています。バケット形状、背もたれの柄ともに青色のモケットとの統一が図られています。ここまで合わせた「銀のモケット」もなかなか珍しいのではないでしょうか(^^;;気合いを感じます。その背もたれは東山線5000形ほど腰の部分が出っ張っているわけではなく、さりげなく身体を支える感じが実に良い仕事をしています。座面の先端ももう少し柔軟性があれば良いのですが…(^^;;


最後にクローズアップ袖仕切り。化粧板+握り棒という構図は名鉄電車で採用されている袖仕切りとは似て異なる物になっています。モケットや袖仕切りから西武鉄道6000系を彷彿とさせる物がありますが、袖仕切りの内側にモケットは貼られていません。

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