長崎電気軌道  1200A形
 
  元々の1200形は昭和57年に登場しました。軽快電車の装いですが、機器流用車とのことで見た目と音のギャップが愉しめる車両です。
今回は1204の車内を中心に取り上げますが、外観画像の1205同様平成15年から17年にかけてリニューアルを行っており、1200A形に区分されるようです。とはいえ、前面に書かれた車番は1205…あれ?Aは?
外観も登場時から屋根に抵抗器が乗り、側面方向幕が大きくなった程度であまり差がないように見られます。そう、昭和57年に走り始めた時は数少ない冷房車として多くの方から歓迎された時の熱気をそのままに走っています。
その後ほぼそっくり車体の1300形、ライトを横にした1500形…と姉妹車両が続々と登場、街中でも頻繁に見かける顔です。
(取材・撮影 長崎電気軌道赤迫支線・赤迫 他)

 

 

 


車内全景です。2ドア前中扉、ロングシートの車内です。軽快電車として登場した2000形での実績等も考慮し、ロングシートで登場したとのことですが、確かに従来の路面電車とほぼ同じ車内構成に安心するところがあります。一方、矢印が床に引いてあるところを見るとドア周りの混雑も想像できます…。
アイボリーをベースに青色のモケットが非常に軽やかですが、2段窓が時代を感じさせます。昭和57年からまもなく40年…軽快電車も古豪もまだまだ元気です。


運転席との仕切りです。仕切りは広告枠が天井まで伸びた中央部分にのみ壁が設置されています。夜間の撮影だったこともあり、右側には青い(!)ロールカーテン、左側は出口になります。広告枠からはみ出た液晶表示器は左上に設置されましたが、その前は別の表示器が備わっていました。それでも漂う後付け感、そして運賃箱周りの窮屈なこと…。折り戸はステップの手すりも兼ねています。
ロールカーテンが開く昼間の前面展望は1枚窓ということもあり、なかなか爽快です。


天井です。元々冷房車ということもあり、吹き出し口が所々に備わっていますが、このフラットな天井がポイントです。これなら中吊り広告も違和感なさそうです。蛍光灯は間隔を開けた設置で、明るい化粧板がその明るさを補っているかのようです。
吊革の長短は長崎電気軌道ではすっかりお馴染みになりました。


床も模様が入ったお洒落なものが用いられ、ドア周りは滑り止めも備えています。その滑り止めが若干斜めに設置されている点がまた粋です。機器流用車お約束の点検蓋との二重奏も愉しめます。

 
ドア周りです。左の画像は出口、右の画像は入口で、どちらも折戸を採用しています。折戸ですが窓の形状を1枚窓に見せようとするデザインを採用しています。鉄道車両では207系の試作車や北総鉄道のC-flyerあたりが有名ですが、路面電車ではこの車両をはじめ、この時代の車両では時々見る意匠です。なかなか凝っていますが、窓の短さとドアについた手すりがちょっと年代を感じさせます。
出口のドアの脇にはICカードリーダーがついていますが、前に1200形に乗った時は壁に直付けではありませんでした。その時の跡はICカードリーダーの下に残っています。入口には整理券発行機やICカードリーダーはありません。


その入口ドアの脇には液晶ディスプレイが備わっています。広告を中心に、時に観光案内も流すようです。この手の広告は各地の路面電車でのささやかな楽しみですが、この形式では写り込みと文字の小ささが気になります…。


側窓は2段窓でロールカーテンも備えています。大きくなった側面方向幕は2段窓の上段を活用しています。そして窓と窓の間の広告枠…これだけ間が離れていたら有効活用したくなる気持ちすごくわかります。
降車ボタンの存在感の無さ…(^^;;

 
ロングシートは2種類ですが、1200形には無かった座面下の窪みがこの1200A形にはあります。1800形にはこの窪みがあるので、仕様変更があったのでしょうか。そしてこの窪みがやたら気になりますが、蹴込み板があるところにヒーターが備わっているので、冬の寒さには十分耐えられると思います。
コバルトブルーのモケットがなかなか美しいロングシートで、座面柔らかめ、奥行浅め、背もたれちょいと低めのセッティングです。優先席等の設定はありません。1800形も同じ青系のモケットながら模様が入っているので、このツルッとしたモケットはこの車両ならでは、かもしれません。
…なお、他の車両では別仕様のモケットもあるようで…奥が深い…。
 
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