長良川鉄道  ナガラ3形
 
  平成10年からナガラ1形の置き換えを目的に製造された長良川鉄道の主力車両です。郡上八幡や北濃など素敵な駅、街が展開する長良川鉄道ならではの渋い塗装にワクワクします。決して真っ赤な車体が泣きすぎて退色したわけではありません。近年は観光列車の改造も行われるなど、バリエーションが徐々に豊かになっています。今回はセミクロスシート車の車内を取り上げます。
顔そのものは岐阜県では明知鉄道や樽見鉄道でも見かけるいわゆる「第三セクターお馴染み」のものですが、スカートの代わりにスノーブローを取り付けている点は大きな違いで、少し無骨に見えるポイントにもなります。取材したのは9月でしたが、冬場の活躍も見てみたいところです。
装備されてからずっと越美南線内のみでの運用です。
(取材・撮影 長良川鉄道越美南線・北濃)

 

 

 


車内全景です。左右3組ずつクロスシートを互い違いに配置したセミクロスシートの配置で、通勤通学の需要にも難なく応えています。緑のモケットが沿線の風景に溶け込みそうな感じですが、遊び要素が無いので全線乗り通すと飽きてしまう…かもしれません。ちょっと懐かしい雰囲気を感じるのは天井周りの造作からでしょうか、はたまた床の色や蓋からでしょうか。
車内にトイレはありません。気になる方は、事前に駅でお済ませいただくことをオススメします。

 
乗務員室周りです。半室の乗務員室で、ドアの位置をずらしています。乗務員室との仕切りの窓の大きさが違うのは排気管の関係ですが、大きい窓も右半分はフィルムを貼っています(^^;;
セミクロスシートは互い違いの配置なので中心から点対称に車内の配置ができそうですが、車椅子スペースの配置が画像のとおり片一方に寄っているのがこの形式最大の謎です。車椅子スペースは2か所ですが、優先席は1か所、北濃方のみの設置です。

 
車椅子スペースです。左の画像は北濃方、右の画像は美濃太田方です。違いは鏡の位置くらいで、右の画像はドアの開閉監視用、左の画像の鏡は…あ、あれ?なぜその位置でその大きさ?
車椅子固定用のベルトが備わっていますが、それ以外は特段設備はありません。位置づけとしては「お客様と荷物積載の共有スペース」とのことで、最近始まったヤマト運輸との貨客混載実験の荷物設置場所にも充てられています。


平らな天井です。一列に並んだカバーつきの蛍光灯、そして吹き出し口です。化粧板の淡い●のプリントデザインが大変キレイでよろしいです。富士重工製のレールバスで見られる化粧板も今後数を減らしていくことかと思いますが、この化粧板の意匠は新潟鐵工あたりに引き継いでいただけないかなぁ…と令和になっても思っているのは、多分私しかいません(^^;;
吊革は樽見鉄道や関東鉄道のように遊び心が加えられるパーツの一つで、郡上八幡の食品サンプルを駆使するのも一考かと思います。


ベージュの床です。点検蓋も真ん中に。

 
ドア周りです。外観は青緑色に塗られていましたが、内側はおとなしく無塗装のものに落ち着いています。ステップ周りも特段装飾はなく、冬の積雪時はこのあたりの汚れも少し気になるところです。半自動ドアのボタンも見当たりませんが、これは他の長良川鉄道の車両も同じです。


側窓です。単純に上下段分かれた窓は下段の開け閉めが可能です。窓の溝を見る限り美濃太田駅の駅弁立ち売りにも対応できそうな開け幅ですが、駅弁の立ち売りはJRのみで、しかも令和元年5月末日でなくなってしまうということで…こちらは窓が開きますよ〜とアピールしても手遅れでしょうか…。ロールカーテンもついています。

 
座席下のヒーターの白が眩しいロングシートですが、着席人数のバリエーションが豊富で、取材する側としても1人ずつモケットの色が分かれているのはわかりやすくてgoodです(^^;; 一方、身体の幅が簡単にわかってしまうという弱点もあります。私は収まらないですね、きっと。そして、メンテナンスが大変そう。
美濃太田方は2人掛け、6人掛けのロングシートがスタンバイ。

 
北濃方は7人掛けと8人掛けのロングシートです。優先席はシルバーのモケットですが、表記類は「優先席」になっているにも関わらず、哀愁を誘われるのは私だけでしょうか?
縫い付けが座面、背もたれともされていますが、バケットシートのような硬さはありません。

 
そしてクロスシートです。こちらもバケット…というには形状が緩やかで、見た目よりも沈み込む仕様になっています。その沈み込みもあって背もたれは切り立った印象ですが、それでも程良くフィットするので、垂直ザワザワ感はありません。
窓周りはスッキリしていて、通路の取っ手もスッキリ…取っ手はもう少し大きいものが欲しかったです。

ロングシートと見比べるとシンプルな造作です。ライトグレーのフレームは汎用品をそのまま用いたのでしょう。白と言えば、ビニールのヘッドレストカバーが良いアクセントになっています。JR東海のクロスシートでもよく見かけるのでここだけ!というものではないですが、嬉しい配慮です。
ロングシート車も多い長良川鉄道なのでクロスシートだけでも長距離乗るときには嬉しくなりますが、やはりテーブルがあればもっと良かったです。
 
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