長野電鉄  2000系
 
  志賀高原や小布施などの観光地を抱える長電。小布施は最近スポットライトを浴びるようになったものの、志賀高原については観光地としての長い歴史を持っています。その志賀高原まで軽やかに運ぶ特急電車もまた長い歴史があります。その特急の顔、2000系です。
登場したのは1957年。当時特急車両を入れるに当たって並々ならぬ意気込みで望んだそうで、それは今も色褪せないデザイン性の高い外観にも現れています。その後しばらく経って冷房化、ワンマン化などを行っています。
ただ、登場からまもなく50年。老朽化も目立ち始めているため、現在はB特急を中心とした運用に就き勢力縮小。2編成が廃車となっています。ぜひ、お早めにご乗車を!
あ、ヘッドマークは「しかでした。」
(取材・撮影 長電長野線・長野/湯田中)

 

 

 


車内全景です。2ドア18m車体、ドア〜ドア間には固定クロスシートが集団見合い形の配置で、車端部にはロングシートと4人1組のボックス席が配置されています。
外観で味わった丸みのある感覚は車内でも健在。そして天井が広いものの実に落ち着いた雰囲気を楽しませてくれる車内になっています。このシンプルな落ち着きは特急としてのイメージにぴったり照合しています。


逆サイドから覗いてみましょう、車端部です。ここも網棚から天井へのRが美しいです。
両開き扉でたっぷり間口を確保した貫通扉ですが、座席が大きく張り出しているため実際使える幅は3分の2くらいでしょうか(^^; JRのように幅を少し短くした座席を作らない点もやはり気合への表れでしょうか。
なお、取っ手の上にちょっとした簡単な作りの鍵があります。棒を引っ掛けるだけのものですが、何のためにそのようなものをつけたのか、未だにわかりません…。もちろん勝手に踊る大捜査線のレインボーブリッジ状態など周りに迷惑がかかる「お客さんによる」施錠行為はご法度です。


乗務員室との仕切りです。意外に目立つのはドア上の白くて薄い箱。恐らく後付けされたもので、ワンマン用か冷房用の機器ではないでしょうか。そしてその下には仕切り窓が大きめに設けられています。仕切り窓には全て保護棒がついていますが、これは仕切りに背を向けて座ることへの配慮なのでしょうか。先ほどの貫通扉といい、保護棒といい、ロングシートをそのまま車端部まで伸ばして吊革をつけても違和感が無いような仕様になっているような気がするのですが、これはさすがに気にしすぎでしょうか…(^^;

 
天井を若干角度を変えて2枚載せてみました。中吊りがあるとはいえ、カバーつきの蛍光灯に一直線の冷風吹き出し口。冷房改造車というととにかくど派手に賑やかな天井を想像しがちですし、そちらの方が多いくらいですが、この車両にはそのような雰囲気が一切感じられません。とにかくスッキリしています。昔からファンデリアを用いた送風はやっていたそうですが、その時から用いられ続けている連続カバーをうまく利用した改造だっただけに、まさにアイデアの勝利です。
天井そのものは完全フラットではなく中央部が一段低くなっている格好ですが、これは恐らく登場時からそのまま変わっていないと思われます。


シンプルな美しさはこのような所にも。単なる支えに機能美を込める、その意気込みと心の余裕に乾杯。


床は茶色一色。ここも派手な冒険はせず無難な選択を行っています。


トントトンと速いテンポでドアのところまでやってきました。側ドアです。
片開きで鋼製のものを使用しています。そのためでしょうか所々錆のような色が見受けられ、ここでも老朽化の様子が伺えます。扉そのものはクリームに塗られ、鴨居部と統一された色遣いですが、周りよりもちょっと濃いかな?という感覚です。

そして何よりも嬉しいのがこの大きな窓。3500系などでは窓一杯に貼られているドアステッカーも2000系ならあらビックリ隅の方に収まっています。


さて、2000系の隠れた醍醐味がこちら。戸袋窓を撮影したものですが、戸袋窓に手書きで「1号車」と書かれています。そうです、号車札を使わずに直接窓に号車案内を書いているんです。始めてみたときにはノスタルジー云々以上に斬新だなぁと感心してしまいました。これも当時の勢い・・・なのかな?
車内から見た時の様子は1枚上の画像に偶然写っています。


窓は2段窓、上下段ともに開くようになっています。帽子掛けやテーブルはありませんが、ほんの小さい物であれば窓の桟に置くことが出来ます。ここも網棚の支えが細く美しいです。


さてここからは座席。おおまかに分けてロングシートと回転クロスシートの2種類があります。まずはロングシートから。
湯田中寄り先頭車で撮影したこちらの座席、3人掛け…と言いたいところだと思いますが、3人座ると窮屈になることが予想されます。よって感覚としては2.5人掛けといったところでしょうか。
肘掛に徹している袖仕切りのカーブが特徴的な座席、やはり座面に少し疲労の色が出てしまっています。


一方こちら、明らかに2000系の車内で撮ったはずなのにどこのポジションにあった座席か忘れてしまいました…先頭車ではみなかったと思うので中間車だったのかな…すみません。「さっきのロングシートの予備写真」として撮ってあった画像のはずなのに、このページを編集する前日に「あああああ!!」と発見した次第。2人掛けのロングシートです。
座席下のヒーターのさらに下、ビスの本数を確認するとさきほどのロングシートよりも1本少ない所や、戸袋窓が若干狭いところが目印です(^^;;


車内の要になる回転クロスシートへと参りましょう。車端部には8人分、ドア〜ドア間には片側16人、両側で計32人分の席が確保されています。現在回転装置は固定されており、車端部はボックスシートの配置に、ドア〜ドア間は集団見合い形の配置にセットされています。まだペダルは残っていますが、車内にはテプラと思しきシールで「回転できません」と案内されています。どこぞの堀江さんのごとく無理して「回転回転回転回転」すると壊れる可能性もあります(^^;;;

画像は背面をパチリ。転換クロスではないので背面はモケット張りでなくてもいいのですが、この車両に関してはモケットを張って一体感を出そうとしているようです。背面テーブルなどはありません。ツルンとモケットだけです。


斜め方向から見たクロスシートです。茶色のモケット、白いヘッドレストカバー、そして肘掛の形状が良い味出しています。
ロングシートよりも座面のスプリングが効いていたかな?というような座り心地ですが、やはり老いてきている感覚は否めません。バケットシートブームの昨今ではなかなか味わいにくい、素敵な居心地ではないかと思います。

 
車端部、そして中央部は4人1組の座席になりますが、座席は1種類のみです。左の画像は乗務員室背後、右の画像はドア〜ドア間の中央部です。4人のグループで小布施を訪れる際には使えそうですが、ドア〜ドア間の中央部の座席についてはちょうど座席と座席の間に太い桟が通っているため、それがちょっと視界に入るとうるさいかな…という気がします。


最後にヘッドレストカバーを。これがずっと頑張ってきた特急という看板を端的に表した物になります。
ビニールとはいえピリッとした白さは乗る方の心もキリっとさせてくれそうですね。
そして中央には小布施のお菓子メーカーの広告が入っています。振り向けば小布施小布施小布施・・・(^^;;
表のみならず裏にもしっかり小布施のお菓子メーカーの広告が入っています。このあたりは抜かりありません。

・・・ロングシートにも広告入れれば良かったのに(^^;;
 
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