真岡鐵道  50系客車「SLもおか」
 
  なんだか随分色々と渋滞している画像ですが(^^;; SL運用終了後、茂木行きディーゼルカーに接続する図です(^^;;;
SLもおかは1994年から運行を開始しました。C11、その後C12が3両の客車を引っ張る可愛らしい光景は沿線のシンボルでもあります。客車は登場時から50系客車が担当し、オハ50が2両、車掌室やトイレがあるオハフ50が1両の布陣です。
見てのとおり非冷房です。そして、冬から春にかけての運行は蒸気暖房を使っています。寒さ厳しい北関東の地で、床下からもくもく〜と水蒸気があがる光景もなかなか素敵なものです。塗装も…レッドトレインからググッとレトロに、茶色に赤い帯を巻いています。
SLもおかの運用として下館〜茂木間を1往復する他、下館〜真岡の間に合い運用で片道1本が客車列車として運行されます。できれば、出庫列車も営業して欲しいなぁ…(^^;
(取材・撮影 真岡鐵道真岡線・下館〜茂木)

 

 

 


車内全景です。どうですかこの光景…座席モケットこそ変更されているものの、50系客車の雰囲気を今に清く正しく伝えています。2ドアデッキ付き、セミクロスシートの車内配置で、観光列車にして吊革が備わっているのがなんとも微笑ましいものです。吊革につかまる方はいませんでしたが、全車自由席の車内だけにロングシートで寛ぐ方もちらり…。
画像は2012年の春に取材した時の様子で、季節によって飾り付けをしているようです。2023年5月に乗った時にはデッキ以外にも苺の装飾を施していました。

 
デッキとの仕切り扉です。右の画像はトイレを備えたデッキの仕切りで、トイレの出っ張りが客室に…といった感じです。どちらも戸袋窓と側窓1つ分に相当する6人掛けのロングシート、トイレとクロスシートに挟まれた部分は3人掛けのロングシートが備わっています。ちなみに、トイレの反対側は5人掛けのロングシートの車端部になりますが…いやいや、あの環境で撮るのはなかなか至難の技であります(^^;;
2023年の取材では仕切り扉は開放固定されていました。車両間の貫通扉は機能していたのですが、きっとこの姿がこれから先のスタンダードになっていくのでしょうね…。
そういう意味では、2012年に両開き扉を閉めて撮影できたのは不幸中のナントカやら。50系客車ならではの意匠、仕切り壁の取っ手部分の切り欠きも本領発揮できていた時期でもありました。


2023年に乗車した際、2号車の下館方ロングシートに売店を設けていました。もともとワゴンによる車内販売を行っていた記憶がありますが… ここでは飲み物は売っていないので、特に夏場は事前に飲み物を買っておくことをおススメします。
それにしても…吊革のまとめ方、材料のチョイスから察するに、すぐに元に戻せるようにしているんだなぁ…と。創意工夫は否定しませんが、もう少し作り込んでも良かったのでは…と思う気持ちもつい芽生えてしまいます…。
30周年に、いかがですか?


いつもより短めで恐縮です、非冷房車ならではの天井です。2012年の時に撮影したものですが、なぜか蛍光灯の点灯が間引かれています…時節柄節電が求められていた時期だったこともじわじわ思い出してくる1枚です。
基本的に原型からの変化はありません。中吊り広告も積極的に活用している様子は2012年の時も、2023年の時も一緒です。
 
夏場は扇風機が活躍しますが、扇風機のカバーは真岡鐵道のマークが入っていたり、JNRの標記があったり…とこれもまた様々。車内で過ごす時にこのあたりの違いを愉しむのも一考ですが、もう車内で扇風機ということ自体珍しい…と思う方も結構おられるかもしれません。暑さ対策で窓を開けている方も多いですが、SLが全力で走るにつれ、窓から煤が入ってくるのに耐えられず一枚、また一枚…とだんだん窓が閉まっていく様子を端から見るのも、また愉しいものです。


白と赤のシンプルな扇風機のスイッチです。お子様がいかにも触りたくなるスイッチですが、意外とお子様から手が届きにくい位置にあります。また、乗務員室からの一斉操作も可能とのことです。

 
こちらも普段よりも短めにお届けする床です。恐らく座席同様1回塗り替えて今のベージュに至っているはずですが、座席モケットとのタッグが実に見事にはまっています(^^; なんでしょう…205系を見ているような気分になる色の組み合わせは(^^;;

 
オハフ50のデッキ周りです。左の画像の手前にトイレのドアが少し写っていますが、2023年の取材日はトイレの調子が悪く、水があまり流れない…とのことでした。満身創痍な感じが漂います。右の画像、右側には乗務員室の仕切りがチラリ。
片開き扉で、無塗装ステンレス。客室内と同じ化粧板で一体感がありますが、特にトイレが無い側の仕切り扉の大きさにより一体感を大きく感じるのでは、と思います。
そして…ドア窓のHゴムが灰色…久々に見た気がします。

 
なんか時間を行ったり来たりしていますが(^^;; 2012年撮影の画像を見返していたら、この時すでに苺の装飾を始めていたようです。ただ、今よりも規模は小さく、乗客にとっては気が付かないのでは…と思うほどです。むしろ気が付くのがゴミ箱の「酒田運輸区」の文字。こういう名脇役の演出がこの車両のノスタルジーな気分をさらに高めてくれるのです。


側窓です。上段、下段とも窓が開きます。ロールカーテンも備わっています。このシチュエーションでテーブルが無いのがいかにも50系客車らしいところですが、登場時は灰皿が備わっており、今でもその跡を見ることができます。

 
ロングシートは6人掛けと3人掛けの2パターンです。このうち6人掛けについては3人ずつ座面・背もたれが分割しているバージョンのものになります。205系を見ているとついつい「何か足りないなぁ」と嘆きたくなるものですが、逆に背もたれに着座位置を示す模様を入れたとしても、205系のロングシートよりも奥行き深めの座席は似て異なるものになるはず…です。

6人掛けの座席はこちらの区切りの方もありますが…ではなく、5人掛けでございます。オハフ50形、トイレとは反対側の区画にあります。戸袋窓周りの間延びした感じが一切見られません(^^;; この仕切り部分にも灰皿の跡が残っています。

 
クロスシートです。左の画像は背面部分、右の画像はいつもの角度から撮影したものです。
50系客車については全て4人1組の固定クロスシートになります。ご多分に漏れず国鉄近郊型車両でよく見かけるフレームですが…いつの間にかこのバネの効いた座面としっかり腰を支えてくれる背もたれのこの座席も少なくなってしまいました。
蹴込み板から配管に至るまでステンレスを採用しているからか、モケットのくたびれた様子に比べて結構美しい形状を保っています。この配管部分が狭いのはディーゼルカーでも見られるもので、これもまた、体験していただきたい足元の狭さです(^^;;。

 
乗車してぜひ確認していただきたいのが温度…になります。この温度計も50系客車が登場してから定位置についているもので、先ほどと同じく「酒」の文字が赤く書かれています…酒店のコマーシャルではありません(^^;;
そしてこの折妻形状から後ろに流れゆく車窓…上り列車では展望席さながらの特権になります。

残念ながら古さは否めず、特に貫通幌がボロボロになっている点は何か物を落とす前に策を…と心配になってしまうものですが、ここまでこの素敵な環境を保ちながら走らせてくれたことに敬意を表したいですし、もっと多くの方に「客車列車の旅」を満喫していただきたいです^^

 
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