真岡鉄道  モオカ14形[ロングシート車]
 
  茨城県にある下館駅から越境して栃木県真岡・茂木への足として活躍するモオカ14形。1次車のセミクロスシート車は富士重工が手掛けた最後の鉄道車両ということで地味にお馴染みですが、2次車は日本車両がオールロングシート仕様で製造しています。現在は圧倒的に後者のほうが両数が増えてしまい、取材した日もセミクロスシート車は2両そろって車庫でお昼寝…。関東鉄道やJR烏山線など、北関東はわりとロングシート車のディーゼルカーを見かけるだけに、「ここもそうかぁ」という落胆が先行してしまい、驚くことはありませんでした(^^;;
緑と赤の間に縫い目のような線が入っていますが、「コットンライン」が故にパッチワークのような意匠にしているとのこと。斬新な衣装な下館駅で存在感を発揮しています。
(取材・撮影 真岡鉄道線・下館〜茂木)

 

 

 


車内全景です。2次車なのでオールロングシート仕様、ガラガラな車内は大きな窓の解放感、裏返せばなんともいえない寂しさを感じます(^^;; 外観の派手さ加減とは正反対です(^^;; 2ドアワンマン仕様、18m車の車内です。
座席の緑を基本にしたカラーコードは下館…よりも先の関東鉄道守谷駅で連絡しているつくばエクスプレスを彷彿とさせますが、因果関係はなく、1次車の富士重工セミクロスシート車も同系統のカラーコードを採用しています。


乗務員室まわりです。半室構造の乗務員室は単なる「囲い」だけで、天井の吹き出し口が乗務員室の上もお構いなく伸びている姿が画像からでも確認できるのではないでしょうか。JR九州815系ほど露骨ではないですが、新型車両でコレは…と利用者には気づかれないところで落ち込む今日この頃。
運賃箱や運賃表などもしっかり揃え、右奥には扉を、ドアの手前には車椅子スペースや立席スペースを設けています。


車椅子スペースです。車椅子固定道具やスロープ、握り棒など装備品はしっかり揃えているのが好印象。あとは冬場の寒さに備えてヒーターでもあればよかったのですが… 薄型ヒーターがなかなか無いディーゼルカーでそこまで備えるのはなかなか難しいかもしれませんね。


車内には他にこのような立席スペースを設けています。混雑緩和、動線配慮、座席の長さを左右で揃える、ドアと座席を遠ざけて寒い風をブロックする…など、色々な理由が見えてきそうです。

ということで、お気づきの方も多いと思いますが、烏山線・関東鉄道・小湊鉄道線同様、この車両にはトイレがありません。外観の大変大きなエンブレムが描かれた部分にトイレがあるのでは…と期待を膨らませて入ると…我慢を強いられる結果になってしまいます(^^;; かくいう私もその一人です(^^;;; 乗車の際にはご注意を。


ロングシート車なので天井は吊革が車内全体にわたって設置されています。
吹き出し口が目立たないフラットな天井で、中吊り広告が枠ごと無いのがかえって寂しさを増幅させています。ワンマン運転の見通しという観点では必要ないのかもしれませんが、経営を見通してやがて必要とする日が来ることを願わずにはいられません。
蛍光灯は必要最低限の設置で左右むき出しで設置されています。ドア付近の蛍光灯は乗務員室に灯りが入らないよう、カバーがぶら下がっています。


座席と合わせた色になったのが床です。ツルンと緑一色に染まっています。

 
ドア周りです。左の画像は乗務員室隣のドア、右の画像は乗務員室背後のドアです。後者はいつもと撮り方を変えています。
鴨居部が堂々としたつくりで、半自動ドアではありません。ドアそのものはシンプルなステンレスそのままで、ステップがついている関係で握り棒も左右に設置されています。このあたりはほかのレールバスで見かける仕様に合わせているようで、あまり目新しさが無い部分にもなります。


窓は一部開閉できる窓がありますが、基本は固定窓。カーテンなどはありません。真ん中の桟が目立たない固定窓が景色を見ていて実に心地いいです。沿線には桜並木のそばを通る場所もあるので、ぜひ真ん中の窓越しに眺められる席をゲットして季節の移り変わりを満喫したいところです★

 
その座席です。同じ座席を2方向から移しました。ヒーターがあるものの片持ち式のロングシートは左右同じ長さ、同じ人数のバケットシートになります。優先席としてモケットを変えた席も左右2席ずつ設けています。

さて、北関東だと「つくばエクスプレス」の座席があまりに座面と背もたれの角度が直角すぎてどうしようもないというネタがあまりにも有名ですが、真岡鉄道も仲間入りできるくらい直角・薄めのロングシートを備えています。思わぬ伏兵が潜んでいたようです(^^;;;

座面も平らで沈み込みが少なく、奥行きも短め。直角まっ平らの背もたれもせめて縫込みでなんとか座り心地に…と思うところですが、全く寄与していません。自分で無理矢理疲れない姿勢を探すしかないこの座席、不器用にも程があります。
さらに主要駅では長〜いロングシートなのでどのあたりに座ろうかなぁと戸惑う姿もありました。

セミクロスシートが良くてロングシートが悪いわけではありません。
この程度のレベルの座席で妥協してしまっている車両メーカーの姿勢に大きなため息が出るのです。


優先席には濃い緑のモケットを充てています。他の緑のモケットとは色合いが異なるので「優先席だ!」とあっという間に気づくことができます。…ただ、この生地にものすごーくレトロな雰囲気を感じるといいますか、他の座席のモケットとは全く触り心地が異なり、どちらかというと路線バスの座席を思い起こさせる触り心地に他の座席にはない何かを持っている気がしてなりません(^^;;

これでもしっかりバケット形状の縫込みが入っているので、どこかから座席そのものを持ってきたわけでは無いようです。

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