南阿蘇鉄道  MT−3000形
 
  1993年に1両が製造された南阿蘇鉄道のディーゼルカー。その後1998年に1両が増備されますが、車体、車内ともに大きく異なります。今回は中松〜高森間の区間運転に充当されていた左の画像の3001号の車内を取り上げます。
出庫からホームで見学していましたが、予備知識なしにこの姿を見て歓喜の声をあげました…この前面傾斜といえば他事業者では優等列車の面持ち。そして鮮やかながらも落ち着いたツートンカラー…京急のお面を被ったようなローカル車も好きですが、雰囲気に圧倒されて待つこと十数分、ホームに据えつけられ、ドアが開くとそこには……
区間運転中はどの車両が来るかは運次第の一面もあるようですが、訪問時はトロッコ運転日でも朝に一往復走らせてくれるダイヤだったので、トロッコとの乗り心地の対比も楽しかったです。あとは…全線再開を待つのみです。
(取材・撮影 南阿蘇鉄道高森線・高森〜中松)

 

 

 

 
車内全景です。いかがでしょうか?!まさかのロングシートがお出迎えです…。左の画像は高森方から、右の画像は中松方から撮影した模様ですが、なんとも開放的な車内です。
元々セミクロスシートで登場したとのことですが、インターネット上ではこの時の車内画像がなぜかほとんど出てきません。2002年にロングシート化改造されましたが、そもそも増備のきっかけは「キハ52形の置き換え」ということで、普段使いメインだったんですね…。とはいえ、古くは観光バスをワンマンバスに改造したり、ドア周りの座席を撤去するなどの伝統芸がたびたび見られる九州の地だけに、このくらいの改造では驚かない…フリくらいはしておこうと思います(^^;;

 
乗務員室との仕切りです。半室構造の仕切り、左の画像は高森方、右の画像は中松方で、前面窓の下の装備が若干異なります。
仕切りと仕切りの間は窓などは特段入っていない、最近の3セク車ラインナップを見渡すとちょっと懐かしい仕様に仕上がっています。その隣、運賃箱が備わっていますが位置は固定のまま、一応鏡はついていますが、運賃収受の確認がしにくそうな位置です。
前面窓の桟が乗務員室の部分だけ黒く塗って、客室部分が白いのはなかなかお茶目です。


乗務員室を別角度から撮影しました。ちょっと想像し難いですが引き戸が備わっています。場所の都合でかなりスリムな引き戸…私は通れるかしら、と心配になります(^^;
そしてその左脇は壁やガラスが入っていません…すり抜けられないように横棒が備わっている程度で、このシチュエーション、見方によっては…(殴


日中の運用で照明が入っていませんが、十分明るさが伝わる天井周りです。空調の配管は両脇に設置し、中央にはカバーつきの蛍光灯を中心に排気扇、スピーカーなどが備わっています。その下、五角形の手掛けが妙に初々しい吊革は端から端まで伸びていますが、ロングシート化の際に一斉に取り替えたのでしょうか。
南阿蘇鉄道が走り始めてからローカル輸送を担っているMT-2000形では丸がたくさん並んだ化粧板をこれでもか!と使っていますが、このMT-3000形では見当たりません。


床はベージュを基本とした柄物です。非常にわかりにくいですが、クロスシートの脚と思われる跡がところどころで見ることができます。床を貼り替えたのか?!と思うくらい綺麗な印象でしたが、どうやらそこまでは至らなかったようです。

 
ドア周りです。飾り気のない片開きの引き戸で、周りと同じような色できれいに塗られています。小さい手掛けがあり、「ドアはてであけてください(しめることもできます)」と記載されたステッカーも窓、それも外側に向けて貼られていますが、乗車した高森〜中松の往復では半自動扱いを行っているケースには遭遇しませんでした。
ステップのついたドアでドア周りを照らす蛍光灯が備わっていたり、手すりが一本備わっていますが…ドア周りの余裕がほとんどありません。ベビーカーや車椅子のお客さんの乗り降りもそうですが、居場所を探すのが少し大変そうだなぁ…という印象。特に2002年に改装した時にそこまで配慮ができていれば言うことなし!だったのですが… そのあたりのフォローをわかりやすくしていただけると、より利用しやすくなると思います。


側窓です。黒い桟の2段窓で、下段を開け閉めすることができます。上段は固定です。
窓を開けることが半ば恒例になる世の中になるとは思っていませんでしたが、区間運転の高森〜中松間はトンネルがないので厚手のカーテンが暴れることは無いと思います。
面白いのが帽子掛けで、クロスシートがかつてあったであろう部分にしっかり残っています。ロングシートに帽子掛けの組み合わせ、結構新鮮ではないでしょうか(^^;; この帽子掛けを頼りにすると…あら不思議、クロスシート時代の床の跡があっという間に見つかります(^^;;

 
ロングシート、まずは高森行き進行方向右側の2区画です。4人掛けと21人掛けといったところでしょうか。窓には「シルバーシート」の文字だけステッカーが貼られていますが(^^;; どこまでシルバーシートかは示されていません。
元々排気管の手前の4人掛け、そして奥の6人掛けがロングシートだったと推測されます。今まであった部分も含めて、違和感がないよう蹴込み板やモケットがしっかり揃えられています。
座面や背もたれに縫い込みがありますが、バケット形状と言えるほどしっかりしたものではありません。バウンドがよく効く座席ですが、奥行きは短めです。

 
高森行き進行方向左側、阿蘇の山を背にする座席二区画です。謎の箱(!)を境に高森方が15人掛け、そして中松方が9人掛けのコンビです。元々高森方の5人掛け、そして中松方の6人掛けがロングシートだったと推測できます。
それにしても…この謎の箱は一体何なのでしょうか…社章をきれいに貼りつけて、テーブルのようにも見えますがその割には手すりが邪魔ですし…デッドスペースにするのであれば正直出っ張りすぎのような感じもします(^^;;
ただ、荷物が多い時には重宝しそうな区画です。


別角度から。
ロングシートにすると1人分くらいの区画でしょうか…。
一畑電車であればマスコットを置きそう、会津鉄道であればポストを置きそう…などと妄想を繰り広げている取材班に対し、冷ややかな視線とともに…「あっそう」。

お後がよろしいようで(^^;;;
(このオチ、小学生の頃から使いまわしているのはナイショ(^^;;; )
 
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