南阿蘇鉄道  TORA200形
 
  2007年に増備された南阿蘇鉄道トロッコ列車「ゆうすげ号」の客車です。他の2両はトラ700形で国鉄トラ70000形を改造していますが、この車両は正真正銘の新造車です。トラ700形もこの車両の登場に合わせてリニューアルを施していますが、やはり新造車たるスマートさが編成の中でも目立つ存在になっています。新造車でも2軸台車だったり、正面の顔があまりに平凡だったりするあたりに遊園地のアトラクションを見ているような可愛さを覚えます。取材時点では高森駅でトロッコ券を買う際に号車指定ができたのですが、もし今もできるのであれば「1号車」がこの車両になります。
それにしても…なぜ英字でTORAなんざんしょ?
(取材・撮影 南阿蘇鉄道高森線・高森〜中松)

 

 

 


新造車両だからできるこのキレイな車内全景です。トラ700形とは一線を画し、なんだかちょっとした遊覧船の外デッキにいるような素敵な感じです。尤もこれで2軸台車なので乗り心地のゴツゴツな感じはさほど変わらないような感じがします(^^;;
木の多用する車両が多い九州なので、これくらいだと木材分が足りない…と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、今後のメンテナンスのことを考えてこのような内装に落ち着いたのでしょう、木材は背もたれのみの登場です。
出入扉は中松方に1か所のみ、これもトラ700形とは若干位置が異なります。


そのトラ700形と連結する車端部です。ここの部分の小さい窓が実にキュートで、貨車とは違う雰囲気を出す部分の一つにもなります。貫通扉で隣の車両への行き来こそできますが、座席指定ということもあり、乗車中行き来するようなシチュエーションはありませんでした。その扉の下にはスロープが設けられているので、端の席に座る際にはつまづかないよう注意が必要です。
右の窓の上にはスピーカーが備わっています。乗車中はガイドが大音量で聞こえてきますが、2往復で全く同じ内容だったのはちょっと勿体なかったなぁと思いました。個人的には某本州のトロッコしか走らない鉄道のような「ノリツッコミの軽さ」も苦手ですが、リピーターが飽きない工夫もぜひ。


機関車側、つまり中松方の車端部です。端は窓を背にしてクロスシートが設置されていますが、こちらは地元利用の方を優先した座席とのことです。
驚いたのがその上。なんということでしょう…吊革が備わっているではありませんか…!これも地元利用の方を念頭に置いた設備なのでしょうか、これまで様々なトロッコに乗ってきた取材班も、トロッコに吊革が備わっているケースは初めて見ました…。この違和感を冷ましてくれる扇風機は車端部2か所の設置です。

 
何もない天井…右の画像は吊革が備わった部分を眺めています。
所々電球がつきそうな照明が備わっていますが、基本的に日中のみの運転になり、沿線にトンネルが無いためついているところはなかなか見れなさそうです。逆に言えばこれだけ広いキャンパスがここにある!というのがこの車両にとってはプラスになりそうな気がします。
吊革はバンドの色がだいぶ濃い目ですが…どこから持ってきたのでしょう。


床です。濃いグレーの模様で、この座席にはピッタリです。トラ700形とはこの床の色も異なり、こちらの方が落ち着いたイメージです。通路が若干中央からずれているのは座席配置が左右で異なるからで、高森発中松行きの進行方向右手が4人1組のクロスシート、左手が6人1組のクロスシートが基本になります。


ドアは折戸です。ステップはなく、黄色い床でドアの可動域を示しています。ドア窓もカクカクした珍しいもので、ドア部分にだけ吊革が備わっている様子もこの画像から伺えます。
他の2両も折り戸なのでそれに仕様を合わせたという見方もできますし、ドアエンジンの出所によってはコストを減らせるポイントにもなります。何より、戸袋部分を設けなくても良い点はこのような開放的な列車ではメリットになります。


基本的に窓は枠のみですが、雨が降った時に引っ張り上げる窓はこの枠の下に備わっています。取材時は引き出せなかったのですが、下から上に引き出すアプローチ上あまり重たい物は備わっていないと思われます。下から上に引き出してツマミを固定する動作ですが、ツマミだけひょっこり顔を出している様子がカワイイです。
手や顔を出さないような保護柵は真ん中に1本。この車両に限りませんが、ちょっとお子様が気になる方はよく見ておいた方が吉です。

 
メインのクロスシートがこちらです。左の画像は4人1組、右の画像が6人1組で、いずれもテーブルに座席番号が記されています。レザー張りの座面は一応柔らかいですが、座り心地を良くしてくれるような厚みはありません。ワイルドな乗り心地を愉しむアイテムとして見ていただきたいですが、素材や車両の環境上、炎天下の乗車の際には窓側の座面が熱くなっている可能性がありますので、着座前に一応確認した方が良いと思います。

6人1組の座席ですが、高森方は5人1組のクロスシートで設置されています。この座席の素晴らしいところは、背もたれが背もたれを挟んで反対側の座席と共有せずに独立していることです。従ってそこそこ背もたれに寄りかかっても、頭の干渉さえ気を付ければ、背もたれ反対側の座席が迷惑することはほぼありません。これ、トロッコ車両で窮屈さを感じるかどうか…にもつながってくると思いますが、ゆうすげ号であればまったりワイルドに過ごせそうです。

 
ドア隣接のクロスシートです。背もたれが2倍に伸びていることでドア周りとの空間を隔てています。ただ、座ることを考えたらこれはちょっとやりすぎです(^^;;; 勢い余って頭をゴツンしそうなのは酔っ払った時の取材班だけです…(^^;; あと…誰ですか?!さっきから背もたれを見て「スノコ」と言っているのは!!!
取っ手が割と握りやすい位置についているのがポイントです。

 
中松方の車端部のクロスシートです。どちらも3人掛けで、6人分の座席とテーブルが用意されています。定員どおり座るとちょっと窓側の方が出にくいかなぁという印象です。テーブルが折り畳み式だったら良かったのに…と思う反面、ドアのすぐそばなので足を投げ出さないようにする工夫も必要で、なんとも難しい空間です。私だったら座席の代わりに大きくした駒のような踏み台を用意して…いやいやいや、もうちょっと「本気」で「一途」になれるようなアイデアを考えたいと思います。
以上、TORATORATORAからの一部抜粋でした(殴
 
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