名古屋鉄道  7000形
 
  名鉄名物「パノラマカー」と言えば、電車に詳しくない方でも「あーあの展望車の電車かぁ」などと思い浮かべることができるのではないでしょうか。今でこそ盟友7500形が全廃、特急運用からも撤退など暗い話題が絶えませんが、今でも急行列車などを含めて活躍しており、休日の昼間になると子供達が前の展望室で大はしゃぎ・・・という微笑ましい姿が繰り広げられます。大きい小さい問わず子供達の人気は力強いスカーレットのように今も色褪せていません。
製造年次が長く、特急専用車も登場したため、数を減らした今でも多くのバリエーションがあります。今回は4両編成、2ドアでは少々辛いものの、一部に吊革などを備えた通勤車向けの車内をご案内します。この車両でゆったり座って通勤できればいいなぁ…なんてココロから思う今日この頃です。
(取材・撮影 名鉄知多新線・内海 他)

 

 

 

 
車内です。丸みを帯びた車内に凛々しく並んだ転換クロスシートが圧巻の車内、奥にはガラスで三方を囲まれた展望室も見えます。2ドアの車内で、戸袋窓の部分のみロングシートが備わっています。
先頭車と中間車でさえも設備に違いがありますが、色遣いはどちらも同じ。おとなしめのモケットや化粧板は展望車という非日常的な空間があることを忘れさせてくれそうな気がします。

 
車端部です。左の画像は先頭車の車端部、右の画像は中間車の車端部になります。同じようにも見えますが、先頭車の車端部には車掌がドア開閉などの操作を行うためのスペース、「車掌室」が備わっています。これは乗務員室が階上にあり、切符の収受や駅でのドア開閉に支障があるための措置です。名鉄に乗ると中間車にドア開閉装置が備わっているケースを見かける機会が多いので、さほど気にはなりませんが、車掌と同じ空間にずっといるのは・・・ちょっと新鮮です。

特急仕様車には衝立がありますが、通勤仕様車にはそれもありません。故に立客が通路を埋めるほど混んでいても、車掌は乗客と一緒。これ、ホームへの降り口が右から左に変わるときはどうするのでしょうか(^^;;;


車掌室にぐぐぐっと迫ってきました。ドアの上に車掌室と光り輝くあたりに昔ながらの薫りを感じます。車掌はこのブースでの業務の他に、車両によっては終点での行き先表示板をめくる作業が待っており、快適な乗客の立場とは逆に苦労の多い車内だったかもしれません。逆に、将来車掌に憧れている方には間近に車掌の一挙手一動作がみられるという、素敵な展望室状態になるのではないでしょうか(^^;;

 
そしてパノラマカーといえばこちら。4列の転換クロスシートの先には冷房装置があり、さらにその先には普段とは全く違うように見える展望が待っています。天井が低いのは上に乗務員室があるからですが、乗務員室は外の梯子を介して上り下りするため、車内でそのような動きを見ることはまずありません。
この展望室で苦労した部分が冷房だとよく聞きます。先頭部分に床置きという形で決着したようですが、このガラスとの僅かに空いた距離が安心して景色を見られる距離なのかもしれません。ちょっと褒めすぎました(^^;;

 
天井です。基本的にはカバーつきの照明の間に冷房装置がある姿になります。パンタグラフの関係からでしょうか、右の画像のようにダクトが出っ張っている車両と、左の先頭車で撮った画像のようにあっさりフラットな天井が楽しめる車両に大別できそうです。

そして展望室部分の天井です。両脇に蛍光灯が設けられ、鋼板の凸凹が時代を感じさせる天井は緩やかに傾斜がついています。今だったらFRPや化粧板で覆ってしまいそうな部分をあえて鋼板で作る感覚、新鮮です。
画像では奥の方には「禁煙」と赤く書かれたプレートがありますが、その部分に速度計を設置した車両もあります。前面展望に花を添えるような演出ですが、この車両はあくまでも真面目に、「禁煙」です。


床は4両とも灰色一色。画像は中間車の床です。ここで派手に構えてしまっても、もっと派手な設備があるのでここはちょっと落ち着かせて・・・なんて捉え方をしてしまいそうです。


ドア周りです。片開き扉は片側2箇所。この扉環境が後々ラッシュ時に仇となってしまうわけで、6両編成のパノラマカーなどでは両開き扉を備えた中間車をつないでラッシュをしのいだこともあったようです。
扉そのものはおとなしいスタイルです。


側窓です。連続窓で見た目とても気持ちが良いのですが、所々にペタッと広告ステッカーが貼られています。直線的な窓枠はその後登場したパノラマDXやパノラマSUPERなどとは一線を画すもので、名鉄に乗り慣れていない自分はこちらの方が馴染みやすい気がします。

連続窓の桟のところにちょっとした梯子のようなアルミの枠が設けられています。カーテン収納のために設けられたのでしょうか。ちょっと気になりはじめると目障りになってきそうです。

 
ここから怒濤のパノラマ座席村、まずはロングシートからです。いずれも2人掛けのもので、ドアと車端部のクロスシートの間にある形になります。特急仕様車ではソファーのようになっていましたが、こちらは純然たるロングシートで、この座席ならクロスシートの方がくつろげそう・・・なんて思う方もいらっしゃるかもしれません。
袖仕切りには化粧板が貼られていますが、左の画像のモノは周りの化粧板と色が合っていません。他の車両からその場しのぎで持ってきたでしょうか・・・。
 
ドアコックがドアからちょっと離れたところに設けられたロングシートです。先頭車の車掌室側のロングシートなど、一部の区画は他の場所よりも若干長めのロングシートが設けられています。左の画像がまさにそれで、ちょっと3人掛けるには厳しそうです。また、他の人の視線が気になる方は転換クロスシートとロングシートの間に目隠しを兼ねた衝立がないことに違和感を覚えるかもしれませんが、自分はそんなに気になりませんでした。

ちょっと蛍光灯の色がおかしくなってしまいましたが、優先席と一般席との区別はステッカーのみになっています。また、ロングシートのみの設定になっています。


続いて転換クロスシートです。ドア〜ドア間や車端部、展望室などに備わっており、全席とも背もたれを動かすことができます。その進行方向にしっかり対応できる自由度の高さが名鉄の3ドア転換クロスシート車にない魅力ですが、そのイッポウで多くの場所でドアのすぐそばに転換クロスシートが配置されているという事態になっており、座席の向きによっては乗り降りする方と座席に座っている方がご対面、足の長い人は乗降時に足元を狭める必要があります。ちょっとこれは自由すぎませんか?!

 
先頭車と中間車で肘掛けの形が異なっていますが、両方とも登場してもらうことにしました。左の画像は先頭車、右の画像は中間車の座席です。肘掛けや座席下のスペース以外はほぼ同一の作りになっており、座り心地もスプリングの効いた、ちょっと背もたれが平べったい感じも伺えたものでした。長距離でも難なく移動できそうです。

今回は2種類だけでしたが、こちらもロングシートと同様に、様々なバリエーションがありそうな予感がします。


ヘッドレストカバーの白に思わず惹かれてしまいました。これは先頭車、中間車とも同じで、名鉄のクロスシートには欠かせないアクセントにもなっています。その片隅に背もたれの転換時や混雑時にお世話になるであろう取っ手があります。今ならもう少し大きなサイズにしたかもしれませんが、しっかり座席という枠の中に収まっているのは見ていて気持ちが良いです。

 
こちらの存在をすっかり忘れていました。車掌室にあった座席です。この座席、この編成の中では唯一背もたれが転換しないクロスシートになります。その代わり、業務は立って行う物が多いため座面をバコッと上げることができます。座席下のヒーターが無いため、業務用の扉との行き来はしやすそうです。

・・・ここでフとした疑問が。一応背もたれにはヘッドレストカバーがついていて、モケットも他の座席と同じ物ですが、この座席は乗務員さん専用のものなのでしょうか?ごくごく普通のお客さんが座った瞬間(果たして自分が「ごくごく普通」かどうか?!という疑問が残りますが(殴))怒られそうな想像が働いてしまい、座らずに帰ってきました。この座席の位置づけが非常に気になる今日の頃です。




通勤車としての側面も垣間見られたパノラマカー。オンタイムではその側面を気にしすぎた節もありますが、普段と違う景色を何のためらいもなく見せてくれるこの車両の魅力は、自分の文字では絶対に表せないほど、或いは自分が7000人いたとしても抱えきれないくらい、目一杯あると思います。


今度、晴れた週末にご家族でこの車両を探す旅、というのはいかがですか?
気まぐれに探しては乗り、あとは車窓と走行音に身を任せる。
たったそれだけでも、新鮮な何かが共有できる気がします。





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