名古屋鉄道  6000系[ロングシート改造車]
 
  眠たそうな表情とキリリとした側面が絶妙なバランスを生み出している名鉄6000系。この車両が登場した時には「朝ラッシュ期待の切り札」として、個性的なクロスシートとともに話題になりました。
現在も「期待の切り札」としてのポジションに変わりはありませんし、あれよあれよと名鉄の最大勢力となっています。ただ、登場時期によって外観、内装ともに異なっており、特に初期の個性的なクロスシートはロングシートに改造され、一部の車両ではワンマン化も施され、支線での活躍も目立っています。
今回はそんな6000系の中から、ローレル賞の受賞も輝かしい初期車の模様をお届けします。ロングシートの車内になってからだいぶ経ちますが、そんじょそこいらには無い雰囲気も含めて、ご覧下さい。
(取材・撮影 名鉄西尾線・新安城)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。3ドアロングシート、これは改造後の姿です。床や側窓を見るとやたら豪華な雰囲気がしますが、特に側窓には製造当初の名鉄における通勤電車のあり方が垣間見られます。
パノラマカーと同じ車体断面になるため全体的に小さく見えるのが特徴で、特にJRの通勤車両や近年の名鉄車両と比べると天井との間隔、吊り広告と吊革の配置などでその小ささが体感できます。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像が岐阜方先頭車両の仕切り、右の画像が豊橋方先頭車両の仕切りになります。どちらも車椅子スペースを備えており、反対側には3人掛けの座席を設置しています。前面窓とは逆に仕切り窓は大きめにとられています。さすがに仕切り窓に横引きカーテンはついていませんでしたが、カーテンでも覆えない程の輝きを保っている?!のは仕切り扉上の「ローレル賞」の受賞プレート。受賞当時から姿は変わっていますが、堂々とプレートが残っているのは嬉しい事です。
ちなみに2枚の差は優先席区画かどうかという点です。わかりにくいですが、右の画像が優先席モケットの座席になります。

車椅子スペースです。こちらは反対側が優先席かどうかというのは関係なく、同じ仕様で作られています。
握り棒は窓周りに集中して設けられており、ドアから握り棒が続いていないので、場合によっては定位置から乗り降りするドアまで到達するのに一度握り棒から手を離して…というケースも想定できそうです。
ドア上の握り棒は車椅子スペースの部分まで大きく回り込んでいます。

 
車端部の様子です。乗務員室の仕切りと同じで、左の画像が岐阜方の車端部、右の画像が豊橋方の車端部で優先席扱いのモケットを備えています。優先席は両側に設けており、先ほどの乗務員室仕切り背後の座席よりも数は多くなっています。
配電盤の扉が目立ちますが、それ以上に目立つのが中央部分の両開き扉。貫通路を大きくとっているのもパノラマカー譲りで、この扉を見て数十年前の名鉄を思い起こす器用な方もおられるのではないでしょうか。
車端部にありがちな吊り広告がこの車両にはなく、代わりにあるのはちょっぴり恐い?フォントの車両番号です。


天井周りです。吊革が天井からぶら下がっているのが印象的です。低い天井を有効活用しようとする姿勢は吊革以外にも吊り広告、ドア周りの握り棒などにも見られます。
中央部分には冷房の吹き出し口がずらっと続いています。


床はロングシート化とともにリニューアル。フットラインを導入しており、うす茶色のモザイク柄はアイボリーのバックも含めて落ち着いた良い色和えでまとまっています。


ドア周りです。こうして見ると天井周りが圧迫気味ですが、ドアそのものの窓の小ささがさらに空間を狭く見せています。ドアの巻き込み防止を図ったのでしょうか、営団地下鉄を彷彿とさせる通勤電車ならではのデザインになっています。
ドア周りは車掌のドア開閉スイッチがある区画もありますが、基本的には余裕を持たせた立席空間が形成されています。この頃はまだ折り畳み座席という発想までは至らなかったようです。


座席です。まずはドア〜ドア間の7人掛けからです。直角気味のロングシートは沈み込みもやや抑えめ、バケットもとりあえず線引きしました程度で抑えめ、控えめといったコトバが先行してしまいます。ただ、同じ直角でも最近のロングシート、クロスシートと比較するとまだこちらの方が居心地良いです。決して手放しで喜べるわけではありませんが(^^;;;
モケットは茶色で、床のアイボリーに合わせたかのような色です。

 
車端部は4人掛けのロングシートです。右の画像は優先席のモケットで、背もたれを紺にしておしまい!というお手頃な加工で済ませています。この紺がもう少し目立てば存在感がもっと出るのですが…。
車端部は特に凹みなどはなく、そのまま壁にペタッとくっつく感覚になります。この車両の場合、ドアと座席の間にほどほどな空間が空いているのでロングシート化した際にそこまで気を配って頂きたかったところではあります。

 
この状況は3人掛けも同じです。例によって右の画像が優先席になります。取材中はあまり気にならなかったのですが、座席の脇には乗務員室との仕切りがあるわけですが、その部分にも通気孔が設けられています。ヒーターは座席部分で完結しているはずなのですが、もしその通気孔からも暖かい空気が出た場合はこの座席が冬場一番暖かいことになります。逆に、乗務員室からの空気が流れてくる場合は冷たい空気がこの孔から出る事になります(^^;;; うーん、真相が気になります!


ズームイン!袖仕切りです。化粧板が出ていたのでこれはもしや…!!と立客との干渉対策に喜んだ方もおられるかもしれませんが、残念ながらかなり寸足らず(^^;;座面を覆うアクセサリー的な役割としての使用に留まっています。


そして側窓です。改めて横引きカーテンも良い味出しています。メンテナンスに面倒というデメリットはあるものの、どのカーテンよりも使いやすい横引きカーテン。カーテンを省く事が無いよう、これからもずっとずっと使い続けて欲しいところです。

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