名古屋鉄道  3100系
 
  1997年に登場した、2両固定の通勤形車両が今回取り上げる3100系です。赤一色にブラックフェイスの前面デザインは同時期にでた3300系や3500系とほぼ同じもので、名鉄特有の丸みを抑えたデザインだからでしょうか、結構すっきりサッパリした印象を持ちます。
2両固定の通勤車ということもあって結構使い勝手が良いらしく、画像のように急行の増結車として使われたり、支線では単独での運用もあるようです。
なお、50番台違いの3150系は兄弟車や姉妹車とは呼び難いくらい外観や内装が異なります。そう、この車両は真っ赤な通勤車の最終章を背負って生まれてきたのです…そう考えると思わず泣けてきますね(^^;;
(撮影・取材 名鉄名古屋本線/新岐阜)

 

 

 


車内全景をご覧頂いています。すっきりさっぱりの外観を見事に内装でも実現しているような感じを受けました。
3ドアロングシートは名鉄通勤車の標準。側窓の3連窓もすっかりお馴染みです。

自分はこの車両が初めての名鉄通勤車との取材だったのですが、関東の私鉄の通勤車と決定的につくりが違う部分は天井周りでした。関東ではあまり見ない(というか見たことがない)構成に驚きでした。その辺はまた下のほうで詳しく取り上げます。


車端部も意外なくらいすっきりしています。戸袋窓や妻窓は一切設けず、白い化粧板が切り立っています。そして貫通扉にも白い化粧板を貼り付けて違和感がないようにしています。国鉄の通勤形車両とは違って右から左に開けるんですね。この辺の些細な違いも面白いところです。
そして貫通扉の上には案内表示機。その右には…ちょっと吊革で見えにくいですが、かの有名な「怖い数字フォント」でお馴染みの車両番号プレートがしっかりスタンバイ。


そしてこちらが乗務員室との仕切りになります。車端部とは打って変わって実に開放的なつくりです。
仕切り窓は丸みを帯びた独特のスタイルで、しっかり3枚設置。特に右側の座席からは前面展望が楽しめます(^^)
乗務員室に通じる扉は、貫通構造ではないので必要最低限の幅。そしてその上には案内表示機。
このスペース、結構天井周りがごちゃごちゃしています。


さて車端部や仕切りに設けられていた車内案内表示機がこちらです。
紺で縁取りされて左から号車表示、禁煙マーク、そしてLEDの表示機になります。LED表示機は次駅案内や行先案内から速度表示に中日新聞ニュースまでとことん豊富に取り揃え。
やはりロングシート主体の通勤車両において車端部のみの設置に留めているのが弱点になってしまっています。座った位置によってはかなり見にくいですし、表示を見るためには右か左を必ず向かなければいけないですし。内容量が豊富なだけに残念です。


天井をいつもとは違う角度から、吊革をからめつつお届けしています。
天井そのものはフラットで、2列になった冷房の吹き出し口が結構キレイですが、注目していただきたいのが吊革です。
まずドア付近と座席付近で取り付け位置を変えています。これはドア付近に握り棒が別につくための処理で、吹き出し口を挟んでドア付近の吊革は内側、それ以外は外側に設置されています。
また、長さが異なるのも特徴といえば特徴ですが、自分が一番驚いたのは「天井から吊革をぶら下げている」光景です。
関東の通勤電車では、ほとんどの車両が天井から直接吊るす事はなく、バーに一つ一つくくりつける格好なのですが、ご覧ください、一生懸命一つひとつ天井から固定しています。

そのため、座席付近にある吊革のバンドの長さはなかなかのもの。網棚にぶつからないかどうか冷や冷やものです。
個人的には胃袋を襲う究極かつ壮大なアドベンチャーとしておなじみの「パン食い競争」のセットを思い出しました(^^;;;


天井です。薄いグレーを主体にフットラインも兼ねたモザイク状のデザインが真ん中を貫いています。
モザイク状のデザインだと「目が〜、目が〜」なんて目がチカチカしたり、落ち着かなかったりするものが多いと思うのですが、色合いの勝利でしょうか、そんなことは全然感じませんでした。


ドア周りをどかっとご紹介。白い化粧板で覆われたドアですが、ちょっと重たそうな雰囲気もでています。
自分がこの車両に乗って驚いた部分はここにも。ドア周りに「握り棒」がぐるっとコの字に設けられていました。吊革ではつかめる人が限られてしまうのですが、握り棒でしたら百人乗っても・・・もとい、掴める限り何人でも掴めます。ただ、見ていてちょっぴりうとうしさを感じるのは否めません。ドア上の広告枠ちょっぴり見にくいですし。

戸袋部分の広告枠は大小揃っているのがデフォルトです。


さて座席を見ていきましょう。まずは9人がけの座席からです。ドア〜ドア間のもので、18m車体のためにあまり聞き慣れない着席人数の座席になります。
パープルに青がかった茶色のラインというモケットは名鉄標準のようで、他の車両でも結構みかけます。
はっきりとした形状は取られていないものの一人ずつ区分けがされていて、なおかつ背もたれと座面の間に妙な隙間があります。実際座ってみると背もたれと座面が離れ離れになった感覚がするのですが、見た目ではそうでもないですね。


こちらは乗務員室背後の2人がけ。この区画は若干窮屈ですが、先述のとおり前面展望にはもってこい。パパの日曜親子小さな旅にいかがでしょうか。
座り心地は硬め基調で、さすがに長距離乗り通すにはしんどいかもしれません。


車端部の5人がけの座席です。優先席部分は背もたれの茶色のラインが青色になります。
また、窓の上の桟に小さく「優先席」と書かれたステッカーが貼られており、やんわりと区別されています。
逆サイドも同じ扱いになっているため、1両あたり4席が優先席に指定されています。車端部に優先席を追いやらないでドア付近にもってきた事により、「優先される方」を考慮した配置になりました。

それにしても袖仕切りの形状は独特ですね。下の袖仕切りは肘掛を兼ねているとして、上の袖仕切りは…目隠し?!(^^;;
なんて事を言いつつ、ダブルで仕切った効果もあって立客との干渉はあまりありません。


優先席と普通の席の関係はこんな関係です(^^; 左の青いラインが優先席になります。
座席の位置づけは違うもののデザインは全く崩壊しておらず、すっきり一直線に流れています。


最後に車椅子スペースです。
握り棒は少なめ、そして吊革は長めという格好で、まさに「必要最低限」という空気が漂っています。
それにしても・・・天井からだらんと垂れ下がる吊革はやっぱり慣れません・・・不思議な感覚です・・・。
 
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