名古屋鉄道  6500系[ロングシート改造車]
 
  名鉄の多数派系列6000系。表情も車内もバリエーションが豊富で知られており、鉄道ピクトリアルもこの形式だけで特集が成り立つほどです。
今回取り上げる6500系は1986年にセミクロスシートの車内で登場した3次車で、1995年にオールロングシート化改造を行っています。それにしても、このロングシート化もどのような経緯で選ばれたかがわからないくらいバラバラで… 取材班もこの顔で来たからクロスシートに座れるか…と思ったら全席ロングシートで驚いた感情のまま取材することになりました(^^;
4両編成のロングシートということで幅広い活躍をしていますが、今回は名鉄河和線の普通列車でバッタリ遭遇。キビキビとした走りを見せてくれました。6000系の廃車も正直よくわからない順序ですが(^^; まだまだ活躍してくれるはずです。
(取材・撮影 名鉄河和線・知多半田〜河和)

 

 

 


車内全景は先頭車、乗務員室に向かって撮影しました。3ドアロングシートのスッキリした車内です。確かにクロスシート車と比べて床の広さを感じます。そして、床の色が明るくなったこともあり、座席と妻面の茶系統とのツートンでメリハリがついた感じです。
すっかり板についた様子ですが、吹出し口のすぐ近くでスラッと並んだ吊革の位置がクロスシートがあったことを物語っています。

 
車端部です。左の画像が岐阜方、右の画像が豊橋方の車端部で、後者は左右2席ずつ優先席になっています。吊革を黄色くし、背もたれを紺にして区別を図っていますが、圧倒的多数の中の小さなバリエーションなので、正直目立っているかというと…(^^;; 6500系では先頭車、中間車とも同じ長さの車端部を採用しています。
白い貫通扉、そして木目柄の妻面が良い味出していますが、これもこの編成だけ特別…ということもなく、6000系列では割とお馴染みの意匠になっています。
ドア上の消火器も割とよく見かけるポジションですが、近年全国的にはあまり見なくなったような気がします。きっと、しっかり固定されているから大丈夫ということなのでしょう。

 
乗務員室との仕切りです。ドアと仕切りの間の側窓がありませんが、前面の表情がガラッと変わった6500系6次車以降ではこのポジションに縦長の側窓がついています。どちらの仕切りも車椅子スペースがついていますが、豊橋方車両ではこの部分に片側だけ優先席が設置されています。前面窓はなかなかの大きさですが、仕切り窓はちょっと高めのセッティングです。

車椅子スペースです。床のパッチワークがなかなか素敵です(^^;; 頭上ちょっと見慣れない手すりはドア付近から伸びているものです。病室の「じゃぁここでちょっとカーテン引きますからね…」の支えではありません(^^;
スペースとしては手すりのみの設置で、JR東海の車両と比べるとどことなく質素な雰囲気が漂いますし、この画角で撮るとやたら漂うバックヤード感…(^^;;
あ、鏡は他の車端部にもあります。


天井周りです。ラインフローファンから割と近い位置に設置された吊革、名鉄らしいなぁと思うところですが1つずつ天井からぶら下がっています。その両脇に蛍光灯…と続きます。クロスシートが残っている6500系も同じですが、ドア周りの袖仕切りや手すりと荷棚がそれぞれ独立して設置されており、特にドア周りではそのあたりの関係がありそうでなさそうな様子が展開されています。だから何?と言われればそれまでですが…(^^;;;


床です。フットラインをキレイに形成しています。こちらも茶色のモケットと同じくらい名鉄ではお馴染みの柄です。


ドア周りです。登場時外側のドア周りの塗装が若干ことなっていましたが、今では外側は赤一色、内側はご覧のとおり周りの化粧板よりも若干濃い色の化粧板で覆われています。なお、登場時からドア窓はこの大きさです。
この画像の左側は車端部、右側はドア〜ドア間の座席で後々ロングシートが設置された区画になります。このドア周りの空間の余裕の違いが興味深いところで、6000系列で見るとここまでドアと座席が接近しているケースはそうそうないかと思います。


側窓です。3連窓です。下降式ではなく上昇式で窓が開きますが、6000系1次車あたりの桟が薄い連続窓を思い出すと、あらあらどうしたものかと思ってしまいます。換気が機械的に行われているので昨今のコロナ禍でも何ら問題はありませんが、近年関東私鉄で盛んに貼られている「窓開け目安」のような案内表記はこの車両も含めて見られません。

 
座席です。ドア〜ドア間の座席と、間に挟まった肘掛けです。なぜ6人と3人で分けたのだろう…とずっと考えていたのですが、帰ってきて納得、奥の3人掛けは元々あったロングシート、手前の6人掛けは改造で設置されたものだったんですね…(^^;
ただ、元々あった肘掛けに加えて、背もたれ、座面ともクッションを入れて隙間をできないように工夫を施している点は素晴らしいと思いますし違和感なく見ることができた理由の一つになったと思います。
しっかりと沈み込む座席は縫い込みにより着席区分が示されています。ある意味製造後10年でクロスシートをやめて同じ座席を作ることになった心境やいかに…と思う部分もありますが、その時にでも背もたれの形状をもう一工夫して欲しかったものです。

 
製造当初から変わらない5人掛けのロングシートです。優先席仕様はドア側2席の背もたれを紺色にしています。6500系では車端部のロングシートはすべて5人掛けになりますし、思えば6500系1次車であった妻面の片側の出っ張りが見られなくなっています。
1人ずつ区分された座席、妻面はピタッと壁に面していますが…1人当たり430mmの幅で5人座ると…さすがに、狭いです。

 
乗務員室後ろの2人掛けです。車椅子スペース同様窓の無い区画になります。面白いのはヒーターの吹出し口があたかも仕切り部分まで続いているように見える点で、乗務員室側がどのようになっているかは気になるところです。
それにしても、ここの区画だけ限って言えば背もたれを取り替えるだけで優先席ができるわけで、逆に言えば配色が地味なだけになかなか優先席の存在感が出せない区画でもあります。
 
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