松浦鉄道  MR-600形
 
  第3セクターの鉄道は似た時期に開業したこともあり、時として同じような顔の車両が各地に出現することがありますが…この車両もその一つでしょう。ヘッドライトとテールライトがおでこにピタッというスタイルは真岡鉄道や由利高原鉄道でもお馴染みで、今後も増えていくのでは…と思うと、いすゞの高速バス「GALA」みたいにもう少し個性的な表情で作れなかったものでしょうか…なんて悔やんでしまいます。
平成19年から増備された松浦鉄道のMR-600形も帯の色を変えながら最終的に21両が製造されました。今回は3次車の車内を取り上げます。
肥前WEST LINERとの愛称がつき、松浦鉄道の他にJR佐世保線にも乗り入れます。もう一歩ロゴマークに洒落っ気が足りないと思うのはきっとJR九州の車両がどこよりもお洒落だからだと思います。
(取材・撮影 松浦鉄道西九州線・たびら平戸口 他)

 

 

 


車内全景です。ロングシート主体の車内ながら中央部には固定クロスシートと転換クロスシートの組み合わせが見えます。このクロスシートの設定が長距離客には嬉しくてたまりません。ただ、吊革が車内全体でまんべんなく設置されていて、ロングシートも長めにとられている点が通勤通学輸送、そして短距離輸送に特化した仕様であることを暗に示しています。路線はだいぶ長いのですが… 2ドアでトイレはありません。
この3次車からモケットの色が変更され、没個性的な車内においてさらに海をイメージさせるような色になりました。

 
乗務員室は半室構造です。仕切り壁自体は真岡鉄道でも同じものが見られますが、運賃箱や運賃表示機の設置方法は各社バラバラで、特に駅数が多い松浦鉄道では運賃表示機が団地のネオンの如くキラキラ輝いている様子が伺えます(^^; また、長崎スマートカードを導入しているため、ちょっと懐かしささえ感じる整理券発行機の上にICカードリーダーが設けられています。
若干暗く見えるのは撮影時間の他にも蛍光灯の配列上停車中以外は消灯してしまう灯具があること、そして中吊り広告の配置も考えられます。客席の灯りまで消えてしまっては問題ですが(^^;; 元々デッキを想定した部分なので、あまり影響はありません。


車椅子スペースです。握り棒、非常通報機、車椅子の固定器具、スロープと無人駅であろうとどこであろうと充実の装備です。ただし、この手のディーゼルカーでは良くある現象ですが側面の景色は全く考慮されていません。うーん、残念…。
佐世保寄りドアの脇の設置で、高い位置の吊革も含めて朝の混雑時間帯対策も想定しています。


吹出口が細くてちょっと心もとない天井周りです。9月に乗った時は程よく冷房が効いていたので見た目以上のスペックは持っているようです。また、暑くなったら窓際のロールカーテンも使えるのが嬉しいですね。
蛍光灯は必要最低限の配置。節電と称して間引いたら本当に暗くなってしまいます(^^;;


床は灰色一色。どの色にも合わせられる灰色、オーソドックスな選択になりました。

 
ドア周りです。ドアチャイムとともにゆっくり開け閉めするスタイルはすっかりお馴染みですが、鴨居部の「出入口」にハングルまで振られている点は珍しく、ハングルに頼りたい方のご利用も多いのかなぁ…なんて思ってしまいます。
ステップつきのドアで、乗り降り時にはさすがに上の照明が光りますが、足元照らしたり、滑り止めマットに着色するとよりわかりやすいと思います。


大胆な窓配置です。部分的に開閉できる箇所と固定されているところがあり、さらに窓下にはテーブルも備わっています。


座席です。基本的には片側9人掛けと6人掛けで構成されていて、優先席は進行方向左前方と右後方が指定されるような配置です。やや長めのロングシートで、片持ち式です。完全に短距離客を念頭に置いている仕様で、見事に背もたれと座面が垂直交差です。モケットの色こそ美しいものの、一昔前のゆったりした紺地のシートを思い浮かべるとなんとシンプルな…と開いた口が塞がりません(^^;
 
優先席の6人掛けです。平戸方の優先席が右の画像になりますが、基本的にはどちらも大差ありません。
通常モケットがエメラルドグリーンの美しい色にしているのに対し、優先席は青…この色、一次車では通常モケットに使用している色に近く、通常モケットとの区別もつきにくい弱点があります。単にモケットを変えるだけではなく、会社として統一したカラーコードを決めたいところですが、優先席の表記も心なしか控えめで、あまりPRしなくても済む現実があるのかな…?と、これは余計ですね。

 
さて、中央には固定クロスシートと転換クロスシートがスタンバイ。この組み合わせが1両の車内で展開する様子はまさに座席の見本市(^^;; 一畑電車の「出雲大社号」を彷彿とさせるこの状況、佐世保行きでは進行方向右側が固定クロスシート、左側が転換クロスシートになります。
背面からご覧いただきますが、特筆すべきは固定クロスシートの背面が全てモケットで覆われています。転換クロスシートに仕様を合わせて低い位置までビシッとモケットを貼ってみた格好ですが…意外と泥はねがついてしまうもので、メンテナンス大変そう…。


固定クロスシートです。JR東日本のキハ110形から始まり地方各地に派生しているスタイルのクロスシートです。日本車輛の車両で見かけることはあまり無いだけに、なんだか不思議なご縁を感じ…るのはきっと私だけです。
本家でもなかなか類を見ない爽やかなモケット、そしてヘッドレストカバーが良い味出しています。また、側面のモケットの面積が伊勢鉄道や本家JRよりも若干広めで、座面の縫い付けが横に1本で、座面が膝裏に向かって若干傾斜していて、座面のクッションの盛りが今一つで…と、本家JR東日本ではできない細かな間違い探しが堪能できる商品に仕上がっています(^^;;
同じようなスペックで勝負するのであれば、座面も本家並のスペックで挑んで欲しかったです。


転換クロスシートです。どう見てもこちらの方が居心地良さそうな座席が並んでいますが、1両当たり僅か4席…テーブルの有無、端の席が背もたれ固定になっているため「お見合い」にならない率、窓枠の太い細いなど… 気になる点を全て考慮すると当たり席は1席に限られてしまいます(^^;;
薄めの作りながら座面にもそれなりに角度がついてまずまず座りやすい座席です。そそ、窓枠に肘掛がついている点もポイント高いです。


あら、こんなところにゴミ箱が…
 
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