熊本電鉄 200形 | ||
熊本電気鉄道…青ガエル、東京メトロからの新車、e-wingと近年話題に事欠かない私鉄ですが、この車両の存在感も忘れてはいけません。ここ最近は車両繰りの関係からか頻繁に運用に入っているようで、この日も夕方から本線を行ったり来たりしていました。 元々は南海の22000系電車。和歌山電鉄にも譲渡された形式だけに顔つきもそっくり…かと思いきや、前面はライトが全く別物、側面は3ドア化改造がされていて…まるで別形式のような雰囲気です。おまけにサイドミラーもしっかり備えて…どうも熊本電鉄というと何かと大規模改造が伴う印象が強いのですが、今に始まった事では無いんですネ…(^^;; そうそう、上熊本~北熊本間のローカル輸送にも入る事があるそうです。 (取材・撮影 熊本電鉄本線・北熊本~御代志) |
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車内全景です。パッと見ると3ドアロングシート…18m車ならではの標準的な車内に見えそうな物ですが…ドア~ドア間の窓の枚数を見ると、すごい違和感を覚えると思います。何ということでしょう、3ドアのうち、真ん中のドアが編成中央寄りに寄っているのです。従って、編成真ん中よりのドア~真ん中のドアまでは側窓2枚、それに対して真ん中のドア~乗務員室側のドアは側窓3枚…均等になるものが均等じゃない違和感…乗務員室側にドアを移設して、真ん中のドアを増設した結果、こうなりました。結局その真ん中のドアって、使うのは…という切ない話はさておき、匠も驚きのビフォーアフターっぷりは今も昔も西鉄の協力あってこそ、筑紫工場の功績です。 車端部は種車のままの長さでロングシートが展開しています。和歌山電鐵への譲渡車はこの部分に車椅子スペースを設けていますが、熊本電鉄は乗務員室の後ろに設置しています。 整理券発券機の色が珍しい色になっていますが(^^;; 昔ながらの設備をそのまま使っています。そうそう、向きはこの向きが正しいと思います…あ、これは独り言です。 車内の通り抜けも多いので、貫通扉が無いスタイルはかえって好都合です。 両開き扉も移設されました。乗務員室との仕切りの様子です。ここだけ戸袋窓が設置されていますが、これも移設後この大きさでついた格好で、他の真四角の窓とは明らかに雰囲気が違います。 運賃箱はセンターに、運賃表示器もその上に設置しています。ちょっとした広場のような感じですが、車椅子スペースには指定されていません。 その車椅子スペースはドア~ドア間に設置されています。2両とも設置されているのは南海っぽい配慮ですが、吊革が長いバンドになっているのは立ち席スペースとして見た時に少々邪魔にもなってしまいます。 握り棒は横方向に展開、だいぶ低い位置になっているのは嬉しい配慮ですね。一方高い位置にあるのは非常通報機。ちょっと色も地味です。 それにしても、ぶら下がっている広告にこのスペースの現実を垣間見ることができます…。うーん…。 天井です。冷房装置は南海時代の時のまま、蛍光灯や吊革に至るまで南海時代と大差はありません。確かに吊革の長短はドアに合わせてますし、吊り広告は外した跡がありますが… なお、網棚だけはちょっとお洒落な半透明の板を設けています。 床です。灰色一色の床は何も飾り気がありません。 ドア周りです。乗務員室背後のドアをピックアップしてみました。 両開きドアで、静かな音でガラガラ開け閉めされます。このカクカクした窓、ちょっとカーブした鴨居部はまさに南海電車そのものです。が、6000形もカクカクした窓なので熊本電鉄=カクカクしたドア窓というイメージが抱けなくも無いです(^^;; 増設した真ん中のドアが活躍するのは有人駅のみ。ワンマン運転を実施している以上仕方が無いですし、本線での運転では3ドア・4ドアの2種類に分かれてしまうので、運用がなかなか難しいかもしれません。 編成中央にあたる車端部のロングシートから座席を見ていきます。ベースは南海の時の座席と同じはずですが、現存する南海電車の同世代のロングシートと比較すると、座席下ヒーターの網目が南海っぽくないように見えて気になって夜も眠れません…。妙にカクカクしているし、網目も細かいですし…は!もしやここにも改造の手が…?! 奥行や座面のフカフカ具合、袖仕切りの形状は南海電車なんですけど、ねぇ…。 ドア~ドア間、左の画像はショートバージョン、右の画像はロングバージョンです。この長さの違い…見た目は同じだけに、ついつい全く同じ座席に見えてしまいますが… 夕方もサラッとラッシュ需要がある熊本電鉄だけに、この座席は○人掛けです!という表記をだしても面白いかもしれません。私は長さには惑わされないぞ~! モケットはピンク系の格子柄のもの。南海のものよりもちょっとゴワっとした触り心地です。熊本電鉄と言うとほかの車両でもメンテナンスが厳しい車両が散見されますが、この車両も少しくたびれた印象を受けました。 車椅子スペース脇のロングシートです。車端部の座席と同じ人数が座れる長さになったのは単なる偶然だと思います。袖仕切りが窓枠の下で完結するスタイルだったため、座席を短くして袖仕切りを移動して…終わるはずなのですが…?! こちらの座席も泣けてくるくらい座面モケットの過酷な状況が伺えます。 袖仕切りはパイプ形状です。青ガエルのような美しいカーブこそ描けていないものの、それに近い造形になっています。 青ガエルの引退の時にも話題になりましたが、この形式にも吊革に広告が入っています。 そして懐かしい東急車両の銘板。この改造されすぎた車両にも確実に歴史が宿っています。 それにしても「CITY」…潔いネーミングセンス、嫌いじゃないっす。 |
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