熊本電鉄  03形
 
  世代交代が進む熊本電鉄。01形に続いて登場したのは元日比谷線の03形です。2019年から走り出し、3編成が出揃っています。何やら改造には01形同様にあれこれ手間がかかっていたようですが… 見た目はスカートこそ大きく目立つものの、帯の色から行先表示のLEDの色までもう日比谷線そのもの。水色と紺色の正方形には熊本電鉄の標記を社章も含めて記載されていますが…おう、ここもか…とくまもんも驚くくらい目がテンになったのも良い思い出です。
走行する車両に制約がある上熊本から北熊本までの路線にも入線することができますが、実際の運用を見ていると藤崎宮前から御代志までの列車に入ることが多いようです。元都営三田線の6000形はだいぶ前面がカラフルになった編成もいますが、03形もそのうちカラフルになるのかなぁ…と想像するだけで、ワクワクが止まりません。
(取材・撮影 熊本電鉄菊池線・御代志 他)

 

 

 


車内全景です。3ドアでロングシート、この画角から見ると整理券発行機が目立つ車内です。とはいえ、整理券発行機の奥に見えるピンクの座席、灰色のキレイな床、白系の化粧板、窓配置…もうそこには東京メトロ03系の仕様がこれでもか!と残っています。
大まかなところだけではありません、東京メトロ当時のステッカーは案内表記に加えて広告までそのまま…「この乗車でポイントを」ってあぁた…もはや、ややこしすぎて涙が出てきます(^^;;
熊本電鉄のこれまでの車両を振り返ってもわかるとおり、あまり車内を弄らないのはこの系列でも健在です。


乗務員室との仕切りです。シンプルな設えに運賃箱や運賃表示機を設けています。向かって右側の仕切り扉は運賃箱の設置により若干加工が施されていますが、元々のドアをそのまま用いているようです。運賃箱の場所はこの位置がデフォルトのようですが、北陸鉄道ではこの位置が若干センターに寄っており、譲渡事業者ごとの色がここでもチラリ。ただ、仕切りの構成自体に大きな変更はありません。
夕方ラッシュ時は御代志行きで立客の姿も結構みかけましたが、こういう時こそ先頭部分までしっかり伸びた吊革が活躍します。

 
車端部です。左の画像は藤崎宮前方先頭車、右の画像は御代志方先頭車の車端部になります。どちらも貫通扉の設定はなく、頻繁に通り抜けもみられます。
車椅子スペースの設定がない2両が種車になったこともあり、車椅子スペースは熊本電鉄入線とともに整備したものになります。面白いのはその位置で、車椅子スペースの位置が左にいったり、右にいったり…とマチマチです。特に陽射しの眩しい時間帯は編成を通じて陽射しが差し込む窓から遠ざかる位置に車椅子スペースがない…といったシチュエーションも考えられます。
その車椅子スペースの天井の低さがこの位置からの小さな画像でも伺えます。

 
その車椅子スペースです。2両での設備の差は特段なさそうですが、やはり頭上の機器スペースが大変気になります。近くまで行けば暗さはあまり感じませんが、ドアの高さがギリギリの背が高い方はここの部分の頭上にも要注意、です。
種車に備わっていたものを活かした吊革は優先席仕様ですが、窓に貼られたピクトグラムは車椅子マークだけで、そろそろ車内側もベビーカーのピクトグラムが必要では、と思う…お節介なオヂサンが私です。


天井周りです。中央にはラインフローファン、その両側の冷房の吹出し口とここも変化はありません。譲渡車でありがちな「分散冷房1台撤去しました」という姿もこの03形にはありません。
取り立てて特徴が無い吊革も、形状がカジュアルな荷棚もそのまま使っています。


灰色一色の床もやはり東京メトロ時代からのものです。ただ、ドア前の黄色い滑り止めは車椅子スペースの滑り止め同様熊本電鉄移籍時に施工された可能性があります。座席のモケットと違い、床の張り替えは東京メトロ時代も割と遅かった印象があり、この系列に関してもツートンの床を真っ先に思い出してしまいます…(^^;;

 
ドア周りです。左の画像は東京メトロ時代の雰囲気が色濃く残る中扉、右の画像は整理券発行機が僅かな隙間にスタンバイしている車椅子スペース脇のドアです。東京メトロ時代の案内表記が残る中、ワンマン運転のご案内が大きく貼られています。色々伝えたくなるのはわかりますが、最も伝えたいな案内が埋もれるのではないか…と心配になってしまいます。
ドアそのものは化粧板を貼ったもので、複層ガラスの美しさは東京メトロの頃からそのままです。


LED表示機があった部分は上から路線図のシールをペタリ。運賃表示機で次駅案内などの表示をやってくれるので、あまり不便に思うことはありませんでした。ただ、路線図が全てのドアの上に必要かと問われると少々難しい部分もあり… この部分も活用して、少しでもドア窓のごちゃごちゃを整理するのも一考だと思います…。


特徴的な3連窓はどのまま、カーテンも残っています。
真ん中の窓の注意書きまで東京メトロで貼っていたものを踏襲しています。

 
座席は大きく分けて2種類です。ドア〜ドア間の9人掛けロングシートです。東京メトロ時代にスタンションポールを設置し、モケットを黒系のものからピンクの柄に変えています。熊本電鉄に来てから大きく変わったのは整理券発行機くらいでしょうか。
平成初期に瞬間的に流行った柔らかめのバケットシートを採用しています。座面、背もたれの形状もあまり無理がありませんが、真ん中のスタンションポールと座席の区切りの部分は完全に1人掛けといった感覚で、少し狭さを感じるのでは…と気になります。
座席幅自体は440mmから450mmに広がった後の座席なのですが…。


優先席は鮮やかな青いモケットの4人掛けです。ここにも1か所スタンションポールが設置され、妻面にも余裕があります。
無人駅での乗降や藤崎宮前、御代志の改札位置を考えると優先席の設定を乗務員室の近くにしてもいいのでは、と思うこともありますが、ここも東京メトロ時代から位置を変えていません。
通常モケットの座席同様の柔らかめのバケットシート、空間の余裕に反対側が車椅子スペース…と、あまり人の視線を感じない環境が整っています。


この狭い空間に整理券発行機を設けた袖仕切りです。袖仕切りの向きがドアの方を向いているのはナイスアイディア。乗客目線をしっかり考えています。
そして、東京メトロオリジナルと言っても過言ではないモケットを巻いたバーと化粧板のハーモニーが九州の地にも渡ったことが、(様々なメリット、デメリット全て無視した趣味人の暴走気味の感覚として)嬉しいものです。
 
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