高松琴平電鉄  1100形
 
  色が変わってから京王アイボリーっぽい上半分に好感が持てるところですが、この形式が元京急の車両と仲良く連結して走っているところは未だに驚いてしまいます。
東京から四国に渡ったのは平成9年のこと、同じ四国の伊予鉄道よりも遅かったこともあり、車両数が多い琴電では4編成8両のみの導入に留まりました。よって1070形とともに琴平線専属となっています。
見た目は塗装以外はあまり変化がなく、外観もそのまんま。私が行くとラッピングを施されている車両を見かけることが多く、取材時も映画「百年の時計」のラッピングがどりゃっとついていた車両を見かけました。百年の時計…百年とは言わず、75年くらい前の琴平界隈のドキッ!私鉄だらけの世界をこの目で見てみたいものです。
(取材・撮影 高松琴平電鉄琴平線・高松築港〜琴電琴平)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシート車、京急車が多い琴電琴平線で緑のモケットはなかなか珍しいと思います。幅広の裾絞りの車内は琴平線ではお馴染みになりました。
大きな窓、そして丸みが印象的な天井周り、特に窓上の広告枠の高さが空間の広がりを感じさせます。フラットな天井が多くなった昨今、ここまで丸みを感じる通勤電車もなかなか珍しくなってきました。


車端部です。通り抜けは高松築港駅での乗り降り時こそ多いものの、ワンマン運転ではないのであまり多くない印象です。その幅広の貫通路、そして縦長の窓のデュオが懐かしい雰囲気です。元京急車はここの部分に余裕があるのですが、この形式は切妻断面になっているため、あまり空間の余裕は感じません。
ドア周りに短いつり革を増設したのは琴電への譲渡後のことです。吊革の支持棒も特筆するほど高い位置…ではないのですが、この配慮は嬉しいですね。


乗務員室との仕切りです。仕切り直後にも座席が設置されているのは琴平線ではお馴染みの仕様です。
きれいに張り替えられたであろう化粧板がだいぶ白いですが、窓配置や仕切り扉の構成は譲渡前と大差ありません。また、中吊り広告の位置の関係で乗務員室のすぐ後ろがちょっと暗いようにも感じますが、気になるほどではありません。
大きな仕切り窓からは連結時には他の車両の顔が真正面にドドンと見えるわけですが、相互の行き来はできません。


天井周りです。大きな特徴が2点。まずは分散型クーラーの吹き出し口です。正方形の吹き出し口は各方角に均等に、かつ美しく見えるもので、ラインデリアが一般的になった今ではなかなか見ない吹き出し口になりました。
そしてもう一点、丸みを帯びた天井だからより光る逸品かと思います…が、中吊り広告の支持棒が1本のみなのです。通常2本で支える事が多いこの中吊り広告、なかなかスマートに見えませんか?元京王5000系の譲渡車でも分散クーラー車しか見ることができません。


緑一色の床です。ちょっとくたびれているようにも感じますが…譲渡車の中でもなかなか見ることがない色です。


片開き扉です。左隣が戸袋窓になりますが、他の側窓に似せたつくりになっています。
京急でもお馴染みの幅が広い扉で、鴨居部分まで銀色になっている点が特徴です。京急のドアよりもしなやかに開閉しているような感じがします。故に閉まるタイミングが京急車よりも僅かに遅いようにも感じますが…車掌さんはそのあたりの見極めも求められるのでしょうか、ラッシュ時はなかなか大変です。


側窓は2段窓です。下段の窓も開けることができますし、ロールカーテンも備えていますが…ロールカーテンはちょっとくたびれてきている印象もあります。

 
座席です。ドア〜ドア間の長いロングシートと乗務員室背後の3人掛けロングシートは緑のモケットでお出迎えです。3人掛けの方は「この座席は3人掛けです」との案内が記されていますが、こちらはパンダでもケ○ロ軍曹でもありません、うどんを食べるイルカ、ことちゃんがご案内しています。
阪急のそれより触り心地がちょっと物足りない緑色ですが、スプリングがよく効いた座席はフカフカそのもの、琴平まで乗り通しても空いていればあまり疲れることはありません。思いのほか飛び跳ねるような乗り心地もありません。


優先座席は琴電共通の蘇芳色のモケットです。後発組で残念なのが妻面の処理。伊予鉄道のようなモケット張りはできなかったのでしょうか…。なお、2両とも車端部は優先座席になっており、JR西日本と同じ優先座席ステッカーを貼って区別しています。JR四国の121系とモケットの色の重複が…と考えだしたらキリがないですが、それでも地域で優先座席のデザインを統一するのは良いことだと思います。
座席下ヒーターの丸みが良い味出しています。


袖仕切りです。パイプ構成の単純な作りながら、乗り降りの邪魔にならない程度の長さに抑えています。京急車とは全く別の形状、名古屋市交通局からの車両とは荷棚付近の構成が違うことから、外観以外にも各社の違いが楽しめる身近なポイントではないでしょうか。空間に余裕があるのでイルカのことちゃんが言うとおりの人数で着席しても、若干のゆとりはあります。うどんぞぞー。
 
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