弘南鉄道大鰐線 6000系 | ||
青森県弘前市を拠点に走る弘南鉄道。7000系が大多数の運用を受け持つ中、大鰐線には6000系もいます。これ、実はここが第二の人生の働き場、かつては東急の6000系だったのです。登場時は「1台車1モーター2軸同時駆動」や「セミステンレス」、「空気バネ台車」などさまざまな新機能を搭載して登場!していたのですが…東急時代もたった20両のみの生産にとどまっており、「少数派系列」の称号は東急時代からつけられていたのかも・・・しれません。 尚、いままでこの車両が唯一運用に入っていた快速列車は残念ながら2006年11月に廃止になってます。そのため現在この車両が動いているか否かはこちらではわからない状態です。動いていればいいのですが… (撮影・取材:弘南鉄道大鰐線・義塾高校前〜大鰐駅) |
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いつもどおり車内全景からお届けします。窓の外には一面の銀世界。リンゴ畑の中の疾走です。 18m車で両開きドアのロングシート。 これは営団の乗り入れ基準を視野に入れた構成で、両開きドアは東急初!だったとの事です。 半自動ドアや整理券発行機がちらっと見えますが、それらの改造は弘南鉄道に譲渡される際に行われました。 それにしても・・・ガランとしていて広いですね・・・丸みを帯びた天井も影響しているのかもしれません。 乗務員室との仕切りです。ワンマン運転なので後部車輌の乗務員室には誰もいません。 義塾高校前まで賑わっていた大鰐行きの車内も、最後のラストスパートでは「祭りの後」のような空気が・・・ 先ほどもちらっと触れたワンマン設備がさらにはっきりと設けられているのがわかります。真ん中の薄緑の機械は運賃箱になります。それにしてもボックスの上にちょこんと載った整理券発行機が愛くるしいですね。 と、いうことでちょっと運転台まで迫ってみました。 貫通型だった上にワンマン機器が設けられたりしているので、思った以上に狭そうです。 ちなみに、前面展望は、空いていればロングシートの端から座っていても充分可能です。 車体断面の丸みがよくわかる車端部です。幅広の貫通路や妻面にわざわざ設置された窓に京王3000系の・・・もとい、昭和の香を感じます。ただ貫通路が広い分車内の行き来がしやすいので、昭和だとかそういうのは関係無しに、ワンマン運転時においては結構威力を発揮するかと思います。 ちなみに戸袋窓は設けてありません。車体強度の関係でしょうか? 天井の様子です。右側蛍光灯が切れていますが、仕方が無いとして・・・ 冷房が無い分ダクトなどを設けなくていいのでスッキリとした天井かと思ったのですが、意外や意外、結構賑やかですね。 やはり扇風機と広告枠の効果が大きいのでしょう。 吊革はドア〜ドア間と車端部のみの設定になります。 その吊革のアップがこちら。お、どっかで見かけた事ありませんか?このロゴ。 109ですよ、109!!まさかこんな所で「マルキュー」のロゴを見るとは思いませんでした、お嬢さ〜ん。ロゴが残っている理由は吊革を東急時代から変えていないという一点だけで、7000系では自動車学校のステッカーなどがプラスチックの所に貼られていたりしますが、6000系ではそのような事はしていません。 「109」は画像の赤バージョンの他に、営業時間などを記した青バージョンがあります。 続いて1枚だった元画像を2分割してちょっとアップ気味にお届けします。「東横お好み食堂」です。 失礼ながら東京のド田舎に住む自分ですら、行ったこと無いです。お好み食堂。 このネーミングセンスに時代の感覚をしばし忘れてしまいますが、これを見ながら通学する、青森の今時の高校生に感想を求めたい今日この頃です。 そして「東横のれん街」。今度誰か連れてってください(^^;;; ちなみにこの手の「プラスチック広告つき吊革」は「電車とバスの博物館」で見て以来です。今度吊革付け替えるときには「109」、わけてくれないかなぁ〜なんて仄かに期待してみたり・・・ それにしても、物を大事にすると言うことは、良いことです。 床、そしてドアです。床はベージュ一色、そしてドアもステンレスの無塗装のものが使われており、このあたりの造作は至ってシンプルに仕上がっています。 座席のところでまたお伝えしようとは思いますが、袖仕切りが網棚と「直結」していない分、結構ガランとしていますね。 そして、整理券発行機の上が半自動ドア用の「スイッチ」になります。 と、いうことで押しボタン2景。左が車内用、右が車外用です。 左の車内用には、テプラで上に「開」、真ん中に「ドアスイッチ」、そして右に「閉」が貼られています。 また、車外用にも「ドアスイッチ」なんて水色のステッカーで貼られています。 ボタン自体が小さいので、ドアスイッチ・・・というよりは蛍光灯のオン・オフをやっているような錯覚にとらわれそうなのは…多分自分だけでしょう(^^; さて、お待たせしました、座席です。まずはドア〜ドア間の8人掛けのロングシートから。 エンジ色のモケットにはどこか暖かい雰囲気を感じさせてくれます。また、周りの化粧板などとの色も調和しています。 座り心地は、座面が少しスカスカでしたが、思った以上に経年劣化しておらず、ごくごく普通、といった所です。 しかしながら・・・一方ではこのような「座席」に弘南鉄道の現実を垣間見ざるを得ません。 画像は車端部の4人掛けの座席になります。が、モケットがほんの少し、つぎはぎになっているのには気づかれましたか。 何かの拍子に破けてしまったようですが、その修復に布を当てたり、縫ったりしてあります。 一生懸命、少しずつでもいいから直して、大事に使おうとしている弘南鉄道の「努力」を痛感しました。 そして袖仕切りです。この袖仕切りから座席下のヒーターまでの美しいカーブ、素直に惹かれました。 あぁ、機能美ってこういう物を指すんだなぁ、なんて。 ちなみに座席下のヒーターの丸みは着席時にヒーターがあまり邪魔にならないように、なんて工夫が込められています。 いやはやそれにしてもこんなに美しい袖仕切りを見たのは初めてでした。感動、です(^^) ちょっぴり寂しい無人の車内、終点、大鰐までゆっくり、ゆっくりと駅を通過しながら、大きな音をすすみます。 あぁ太陽の光が優しい3月の青森・・・ |
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