神戸新交通  3000形
 
  いわゆる「六甲ライナー」の新型車両として2018年から運転を開始しました。少しずつ置き換えを進めているような状況とは伺っていましたが、取材で乗った時は全ての列車が3000形で運転されていました。深緑の車体にLEDライトの配置が独特で、落ち着いているような、でもワクワクするようなデザインはKEN OKUYAMA DESIGNが全体監修を行っているとのこと。営業最高速度が62.5Km/hで物足りなさを感じるそこのアナタにはフェラーリの購入をお勧めしたいワタクシは、このコンテンツも安全運転で進めて参りたい所存です(殴
導入当初のだった1000形に続いて前面は大きな窓、中央に非常扉を備えています。故に引き続き前面展望も愉しめます。中間2両の増備を想定している車番の振り方も1000形と同じで、取材中6両で良いのでは…と思ってしまう混雑がみられる場面にも遭遇。すっかり六甲アイランドの足として定着しています。
(取材・撮影 神戸新交通六甲アイランド線・住吉〜マリンパーク)

 

 

 

 
車内全景です。車体の幅や長さ、ドアの位置など制約が大きいであろう新交通システムの車内において、1000形とは異なる雰囲気を生み出しているのはお見事。特に床の木目が良い仕事をしていて、空いていればちょっとしたリビングにいるかのような雰囲気さえ感じます…え、言い過ぎですって?!
右の画像は先頭車の車内で、ドア〜前面の運転台まではクロスシートが配置されています。それ以外はロングシートの配置で、ここは1000形からの流れを汲んでいます。


ドア付近から運転台に向けて、クロスシート配置の様子です。これ以上前に進むと私がガラス越しに映ります(^^;;
ドアに近い2列は2+1列の配置にしている点は1000形と同じですが、頭上に吊革を設置したのは3000形からで、ドア付近の横方向の手すりを設けたのもこの形式から。握れる手段が多いのは結構なことなのですが、お洒落にまとめた車内において柵のような横方向の手すりもなんとかお洒落にはできなかったものでしょうか…。有人運転時の仕切り柵は運転台付近にもスタンバイしています。


中間車のうち、運転台側の車端部は通常モケットの5人掛けの座席が左右に展開します。妻面は左右に機器スペースがあり、頭上には冷房の吹出し口、貫通扉はありません。
暗くなりがちなここの区画にも機器スペースの天板には木目調の柄を入れ、天井にはLED照明を設けて明るさをキープしています。窓が大きくなったこともあり、1000形で設けられていた小窓は3000形では設置されていません。
 
鮮やかな黄色の柄は優先座席になり、各車両とも1か所ずつ設置されています。車椅子スペースの向かい側が目印で、車椅子スペースの隣には通常仕様のモケットの座席がセッティングされています。画像は2枚、同じようにみえますが…先頭車は2席、中間車は3席と、微妙な差が…(^^;; 乗車時間が短いとはいえ、椅子取りの様相を呈してきた時にはポイントになりそうです。
前2両は車両後部の車端部が、後ろ2両は車両前部の車端部がこの構成です。


車椅子スペースです。床の模様を変えて車椅子スペースであることを強調していますが、リビングに対する脱衣室とか洗面室のようなイメージを抱くような柄で、特別な場所…としてのインパクトが若干小さい気がするのは、床に貼られたピンクの車椅子・ベビーカーマークを近年急速に見かけるようになったからでしょうか…。
非常通報機の隣には非常停止ボタンがスタンバイしています。非常時に押すボタンがまとまっているのはわかりやすい反面、間違いやすくしてしまう可能性もあります。車内で非常通報機を取り上げている掲示も見かけましたが、もう少しわかりやすく区別できる工夫があると良いな、と思います。

 
天井周りです。冷房の吹き出し口は引き続き車端部から、そして照明が両端に設置されたこともあり、ツルンとした天井周りに仕上がりました。ドア付近に大きな円を設けることができたのもこの成果の一つだと思います。尤も、混雑する列車に乗った時は割とドア周りへの滞留は少なく、吊革を使う方が多かったと思います。定着したか否か…の回答はこの後継車で出ると思いますが、果たして。


木目柄の床です。木目の向きや色の整え方も空間の広がりを感じるポイントになるのでは、と思います。床の柄で気になるのは何と言ってもメンテナンスのしやすさですが、この木目柄であればホームセンターで……(以下、自主規制)
ガムテープで……(以下、自主規制(2回目))


側窓同様大きな窓がポイントのドア周りです。周りの雰囲気にマッチした化粧板を設置し、小さなお子様でも景色が愉しめるような工夫を盛り込んだのでは、と思う嬉しいドアです。
大人だとちょうど目線の位置にご案内が2枚貼られていますが、片方はプラズマクラスター機器の車内設置場所についてのご案内で、正直それよりも路線図や沿線の観光情報が一目でわかるマップの方が欲しい…と思ったのは六甲ライナーに乗り慣れていない取材班だからでしょうか…。そして、この部分に透過処理されていないステッカーを貼った目的が沿線の住民の方への「ご配慮」だとしたら…お疲れ様であります。

 
液晶ディスプレイで次駅や行先などの案内をしっかりフォローしています。ただ、少し機器が小さいこともあり、文字が2行、3行…と展開すると読みにくさを感じることもしばしば。機器設置の制約もあろうかとは思いますが…なんとかならなかったものでしょうか。
右の画像は六甲ライナーの標記。後ろに薄く小さく六甲ライナーと表示されているのを見ると昔のパソコンの壁紙のような画面を思い出して泣けてきますが(^^; ついついスピードを出してしまいそうな、速そうなデザインです。


大きな窓は上部が内側に折れる格好で開くようになっており、1000形でもみられた仕様になります。
窓が大きいのは良い事なのですが、座席の背もたれと重複した部分がかなり大きく、日々の清掃で溜まりがちなホコリを除去できるかどうかが大変気になる部分でもあります。大きな窓の表現を塗装で誤魔化さなかったのは立派ですが、どれだけ使いやすい車両に仕立てるかは乗客目線、事業者目線が大事だと思いますヨ。

 
ここからは怒涛の座席Eyeランド。まずは5人掛けのロングシート、通常仕様のモケットと黄色い優先座席のモケットです。
独特のデザインです…。背もたれが稼働するのでは…と思うようなデザインに見えますが、稼働しません。体育館とかで講演会をやる時に座る折り畳み椅子が早くも頭の隅っこの方にチラつきますが(^^;; 1人1人の背もたれを明確に分けた趣向は今後、通勤車で流行るかもしれませんね。格子柄のモケットもなかなかお洒落です。
優先座席は5人掛けのうち2人掛けと3人掛けの間にスタンションポールを挟んでいます。肘掛けも兼ねられそうなデザインは周りの空間の余裕があるからでしょうか。

 
通常仕様のモケットは3人掛け、2人掛けが車椅子スペースの脇にいます。小ぶりになればなるほど可愛く見えるロングシートですが…背もたれと座面の間の空間が実に勿体ない上に、お尻のポッケから物を落とした時に気が付きにくいのでは、と心配になってしまいます。また、深く腰かけた時に背もたれの支えになる金属に触れるケースも考えられます。ヒンヤリした素材に触れてドキッとするのは如何なものかと…。
片持ち式ながら座面の下、蹴込みがほぼ垂直で10cmほど展開しているのもイマイチ。通路が狭い車内故に足を引くシーンがあると思いますが、引きすぎると蹴込みの金属に当たります。見た目を重視しないのであれば蹴込み部分までクッション、モケットを伸ばした方が良いと思うのですが…。
大事な物を置き去りにして、デザインが先行しすぎていませんか?と六甲から一考を求めたい取材班でした…。

 
窓枠の低さが際立つクロスシート、まずは運転台から2列目〜3列目の様子です。1人掛けと2人掛けのペアですが、ロングシート同様2人掛けは背もたれ、座面が独立しているような設えです。
座面のクッションが背もたれの部分で切れていて、ロングシートのような間延びが無いのは見た目上の大きな違いですが、それでも背もたれを支える出っ張りはロングシートと同じです…。
取っ手が背面についていますが、立客が使うには中途半端な位置です。

 
1列目はどちらも1人掛けの座席でしょうか、幅が広い座席が2席設けられています。この2席は有人運転時は立入禁止、乗務員席扱いになります。足元はどうしても狭めですが、特に運転台隣、左の画像の座席は机にもなりそうな天板が備わっているのは棚ぼた的な嬉しさがあり、私が高校生に戻ったら迷わず座りそうです(^^;;
この区画だけクッションの厚みが他の席よりも若干薄く、底つき感が少し大きいように感じましたが…気になるほどのものではありません。個体差の可能性もあり、もう少し乗ってみる必要がありそうです。

 
昔からの配慮と、新たな配慮。さて、後者は「お馴染み」になるのでしょうか。
 
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