神戸新交通  1000形
 
  神戸新交通はポートライナーと六甲ライナーの2路線があり、今回は六甲ライナーの主1000形の紹介です。ポートライナーは神戸空港まで延伸したこともあり、観光客も利用する機会が度々ありますが、六甲ライナーは地域の足としての軸が強く、私のような関東在住の者では路線名以上の知識がなかなか…(^^;; 取材時は途中駅からの乗り降りも活発でなかなかの賑わいを見せていましたが、6両化への夢は車両番号の空き番を確保するくらいの進展模様で、4両編成のまま次世代の車両にバトンタッチすることになりました。
1990年に営業を開始した六甲ライナーの初代車両で、四角いヘッドライト&テールライトとブラックフェイスにグラデーションの着色ガラスと90年代テイストてんこ盛り。画像は試運転の模様で、ガラス越しに乗務員の方が…(^^;;
(取材・撮影 神戸新交通六甲アイランド線・マリンパーク駅)

 

 

 

 
車内全景です。各車両ドアは1つ、右の画像のとおり先頭車のドア〜前面以外の区画はロングシートが展開されています。先頭車の中間車寄りと中間車の先頭車寄りが優先座席に指定されている区画がありますが、中間車の指定は最近のようです。このような指定の仕方は近隣の鉄道会社ではあまり見ないと思いますが、定着のほどは…?
アイボリーの艶やかな天井と化粧板に囲まれ、カバーつきの蛍光灯がちょっとお洒落な雰囲気の車内は一生懸命天井高を稼ごうとする姿勢が伺えます。

 
先頭車のクロスシート部分を後ろから見るとこのような配置です。3列あるクロスシートは前1列と後ろ2列で役割が若干異なり、特に1列目右の座席は運転席も兼ねた座席を置いています。右に運転席の配置は島式ホームの新交通システムならではですが、乗り慣れていないと一瞬あれ?!と思ってしまいます。窓が大きいので2列目中央の席に座っても眺望自体は愉しめます。
ここも空調装置の関係で1列目の天井が若干低くなっていますが、頭上注意を示す表示が吹き出し口の下に入っています。注意喚起自体あまり見ませんが、頭にぶつける時はその表記がちょっと見難い座った状態から立った時の方が多いと思います(^^;; お気を付けください。


車椅子スペースです。関西では阪急8000系などと同時期で、早い時期の導入になりました。
そのため折り畳みの座席が設置されていますが、車椅子スペースの展開はどうも気軽にできない仕組みのようで、製造当初に発行された雑誌の紹介だと…
・袖仕切りは壁にくっつけるようにパタッ。
・ゴム足がついた支持棒は座面跳ね上げ時に折り畳み。その支持棒の手前にある握り棒が車椅子のお客様が握るための棒に早変わり。
・通常仕様の座席と隔てるように設置されたU字形の支持棒は袖仕切りに早変わり。
…というトランスフォームをするようです。よく考えられた仕様ですが、取材時に跳ね上げている様子を見ることはできませんでした。座席はまた後程取り上げます。

 
車端部です。優先座席の有無で2種類載せましたが、妻面の処理はどの車両も同一です。外観では連続窓風の味付けでなかなかわからなかった縦長の窓が大変キュートです。今だったらこの位置に窓はつけないと思います。
貫通扉が無いため、ちょっとした上り勾配で車内を見渡すことができるタイミングではダイナミックな光景が展開される一方、風の通り道になっていることも事実です。


天井周りです。この天井の高さでありながら吊革を天井から間接的にぶら下げている点はちょっとビックリですが、スピーカー以外何もない天井のツルンとした造作は新交通システムならではでなかなか新鮮です。ドア周りにはサークル形状の握り棒を設置しています。カバーつき蛍光灯は天井が低いこともあっての設置かと思われます。
天井は製造当初の意匠から変化がない部分でもあり、新交通システム皆兄弟みたいに同じような構成だろうと思いがちですが、意外と事業者ごとのカラーが出るものです。



コルク柄の床です。座席との相性は良い感じです。点検蓋は各車両に備わっていますが、意外とこの蓋が大きく見える…のは錯覚でしょうきっと(^^;;


ドア窓が鴨居部ギリギリまで攻めているドア周りです。ここまで鴨居部とドア窓が接近しているドアも珍しいと思います。
天井の握り棒や広告枠のズレなど気になるところが色々ありますが(^^;; 照明や鴨居部のドアがあることを示すような造作が全く感じられない意匠が素敵です。近年点字シールも貼られました。

ドア周りは立客が1人程度立てるスペースがありますが、クロスシートが展開する先頭部分ではそこまでの余裕はありません。


窓周りです。一部区間でいきなり曇りガラスになる装置をつけていますが、私取材時は車内混雑のためとても車内を撮影できる様子ではなかったため、文字での説明に限らせていただこうかと思います。結構勢いよく切り替わるのでわかりやすいものがありますが、沿線のお住いのプライバシーを確保するため、ということで涙ぐましい(しかし、傍から見るとドキドキワナワナするような)ギミックを搭載したとの由。ただ、この装置は全国的にはJR九州883系ソニックの「非常ブレーキをかけると前面展望を遮る」生中継中断プログラムの方が知られたような気がします。
そんな曇りガラスになる装置を応用して、曇りガラスになると秘密の暗号が出てくる仕掛けとか…すみません悪ノリです(^^;;


通常仕様のモケットの5人掛けロングシートです。1990年営業開始とはいえ縫い付けで座席定員を暗に示しており、車椅子スペース共々この先の鉄道に求められそうな事を先取りしている印象です。フワッとした座り心地が心地良いのですが、加速にどうも身体が追いついていかないこともあったので、スタンションポールは欲しかったかなぁ…と心の中のつぶやきを文字に起こしてみました。
茶色の柄付きのモケットは登場時からのものです。

 
オレンジのモケットが眩しい優先座席です。右の画像は車椅子スペース対応の座席の様子で、通常仕様と異なり足元がバタついている点、そして背もたれが他の座席と共用になっている点は大きなポイントです。少し座面の形状が異なりますが、他の折り畳み座席と比べると厚みの分だけしっかりした座り心地が愉しめる座面に仕上がっています。通常仕様の座席との段差が気になりますが、そこは縫い付けの着席位置がちゃんと誘ってくれることでしょう。
優先席の設置は昭和47年の神戸市バスが発祥。オレンジのモケットはその市バス譲りで、神戸市営地下鉄でも見ることができます。優先座席のステッカーのインパクトがイマイチでも、わかる人にはわかるというオレンジシートです。

 
先頭部分のクロスシートです。1人掛けと2人掛けの2種類が展開します。足元狭めながら座面、背もたれとも角度をつけて作り込んでいる印象です。ビニールによるヘッドレストカバーは開業時からの名物、私的にはあまり鉄道車両ではお目にかからない三角形のくりぬきがあるひじ掛けにしばし見惚れてしまいました。
2人掛けのクロスシートは通路側を大きく斜めにカットして床面の張り出しを少なくしています。点検蓋の関係ですが、この割り切りのデザインがひじ掛けとリンクしていて格好良いです。


運転席を兼ねた座席です。座面と足元の狭さに閉口してしまいます…なぜ座面はこんなにも薄いのでしょうか。横幅も1人掛けより広めに確保されているものの2人掛けには狭く、先ほどの美しい造形はどこへ行ってしまったのでしょう…。製造当初は座面も少し縫い付けが入っていたようですが、取材した車両はこんにゃくのような一枚ものになっていました(^^;;
座面と背もたれの間のスペーサーのようなつっかえ棒のような造作が見えますが、この座面が座面の下の蓋を兼ねているわけではなさそうです。
手動運転時の仕切り棒もスタンバイしています。

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