神戸市交通局  6000形[西神・山手線]
 
  新幹線で新神戸駅を降りて三ノ宮へ向かう時にお世話になるのが神戸市交通局の地下鉄西神・山手線。列車はその前後、西神中央から神戸の街中を通り、谷上まで運転しています。そうそう、「山を抜けて北区」のキャッチコピーと可愛いキャラクターが目を惹く今日この頃です。
これまで3種類の車両を投入しましたが、平成31年2月、6000形がデビューしました。今後西神・山手線はこの車両で統一されるとのことですが、デザイン段階で3つの前面デザインをどれにするか選ぶイベントも行われ、この表情に決まりました。…うむ、これはこれで落ち着きがあってよろしいし、前面のレタリングがなかなかお洒落ですが…フレンドリーというよりもちょっとよそ行きの装いを感じるのは私が滅多に西神・山手線に乗らないから…かもしれません。
(取材・撮影 神戸市交通局北神線・谷上〜新神戸)

 

 

 


車内全景です。車内のこの雰囲気がある意味フレンドリーなのかもしれません。ただ、袖仕切りに見られる木目柄は1000形の化粧板の模様を引き継いでいるような感じがします。深緑の座席は三宮で接続する阪急電車の象徴のようですが、周りの化粧板をはじめとする色遣いは地下鉄オリジナルであることを伺わせるに十分な演出です。
3ドアロングシート車の車内です。

 
車端部の様子です。6000形は通常モケットの4人掛け座席がなくなり、左の画像のような両側とも優先座席、もしくは片側車椅子スペース、もう片側が優先座席のどちらかになりました。車椅子スペースは奇数号車の谷上方と偶数号車の西神中央方の車端部に設置され、既存の車両の3号車・4号車にある車椅子スペースと位置を合わせています。
少し小さい妻窓の丸みがなかなか可愛いですが、貫通扉はガラス張りの直線的なものを採用しています。その貫通扉と妻窓の組み合わせが開放感を高めているように感じます。

チェック柄のアイコンがなかなかお洒落な貫通扉のデザインです。正方形の中に×…のデザインを見ると、小学生低学年の図画工作が「もう少し頑張りましょう」だった取材班が書く「グリーン車のマーク」を思い出して思わず赤面してしまうものですが…座席は緑、運賃だけで座れます…。
各車両に貫通扉が備わったのはこれまでの車両にはなかった嬉しい配慮です。


車椅子スペースです。結果として各車両に設置されていますが、非常通報機、横方向の手すりを2本設けています。
網棚はさすがにありませんが、吊革の配置が独特で、奥の3本だけベルトを長めにスタンバイ、このあたりは立席利用でも吊革が邪魔にならないと判断したのでしょうか。これまでの車両もドア周りの1本だけベルトを短めにしていた神戸市交通局、このあたりのこだわりは中の人にじっくり訊いてみたいものです。
ちなみに、フリースペースとして扱う車端部は車椅子マークが省かれていますが、おおよそこの車椅子スペースと同じ構成です。そのうち付け足されるのでしょうか(^^;;


乗務員室との仕切りです。この仕切りに消火器を設けるケースはなかなか珍しいですが、1000形から3000形まではこの画像でいうところの左側ドアの手前に消火器があったので、座席幅が広がったことにより従来の場所には設置できず、移設した…と考えるのが自然でしょうか。
真ん中に仕切り扉に縦方向の握り棒、右側に開閉可能な窓を設けているのは他の車両と同じ構成です。吊革はしっかりドア周りも増設されています。


天井周りです。最近川崎重工業の通勤電車がよく採用するデザインをこの系列でも採用しています。ルーバー調といったところで、この手の天井はこまめな清掃がカギを握りそうですが…不思議と絶句するような状態に遭遇したことはありません。両脇はLEDのさりげなく間接照明、その下には三角形の手掛けの吊革がぶら下がっています。このあたりのこだわりは二の次、実用性を求めているような格好です。


床周りです。ベージュを基本とした柄で、周りの化粧板や座席に程良くマッチしています。
点検蓋が点在しているのはちょっと意外な感じがします。
ドア周りには黄色いラインテープを貼っています。

 
ドア周りです。液晶ディスプレイとドア開閉の予告案内がついた鴨居部の千鳥配置です。化粧板を貼って端にやはり黄色で強調したドアはなかなか美しいもので、静かに開閉する上品さがポイントです。外から見るとQRコードを貼りつけたドアもお目見えしていますが、6000形に統一されるまでの暫定措置との話もチラリ。ドアチャイムはJR東日本で採用されている音色です。

 
鴨居部です。液晶ディスプレイはワイド画面を2つ並べ、右側に路線図や次駅案内、左側に広告を流しています。ドア開閉の予告案内は液晶ディスプレイが「まもなく・・・」を示す頃に「こちら側」「反対側」のどちらかが点灯する仕組みで、三宮で連絡するポートライナーと同じ仕組みながら、こちらは2つ横に並んでいます。
液晶ディスプレイの遊び心はこれから…といったところでしょうか。広告ももう少し本数が増えると特に谷上〜新神戸間は飽きることなく移動できると思うのですが…。


側窓は3連窓です。これも神戸市交通局ではお馴染みの配置と言えるでしょう。ただ、これまで採用していた鎧戸はなくなり、ロールカーテンが設置されています。このあたりは使いやすさを考慮したのでしょうか。ちゃんとロールカーテンを設けているあたりは優しいなぁ。窓周りには広告やオリックスの選手をPRするステッカーを貼っていますが、車外に向いたステッカー、文字が小さいものも散見されます……。

 
座席は2種類。ドア〜ドア間は9人掛け。車端部は4人掛け。どちらも片持ち式のロングシートです。
モケットがとにかくお洒落です。特に通常仕様の座席の千鳥柄が実にお洒落で、若草色の優先座席も見事です。神戸の市バスも名所が入った柄のモケットでお馴染みですが、地下鉄もその域に達したかなぁと惚れ惚れしてしまいました。
早くも3000形同様にモケットを用いた商品化を期待したいところですが…

え、なんでモケットの話しかしないかって?それは…バケットシートですが、着座時のインパクト、メリハリがありません。どこに着座すれば沈み込むかが掴みにくい、そして背もたれが薄く感じる、まさに短時間向けのセッティングだと思います。
そう、皿の上に置いたゆで卵のような気分のまま運ばれていくのでした…。コケコッコー。


木目柄の袖仕切りは手すりとは完全に分けてスタンバイ。面白い形状で、オリジナリティが溢れています。
少し座席と袖仕切りが交わる部分の背もたれが盛られているものの、仕切り「板」を払拭できるほどの盛り具合には至っていません。座席側に関しては、穴の面取りがもう少し緩やかであって欲しかったです。着座時に腕や肩に跡がつかなければ良いのですが… 今度Narada Michael Weldenの名盤「Divine Emotion」のアルバムジャケットのような服装で乗ってみようと思います。

3席ごとに肘掛けとスタンションポールが備わっている点はさすがです。
欲を言えば、優先座席も…
 
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