神戸市交通局  西神・山手線2000形
 
  1976年に製造された1000形につづき、1988年に4編成が製造された神戸市営地下鉄の車両が2000形です。角型ライトに少し前面の扉を助手席側にズラしたあたりに「おけいはん」の雰囲気を感じるのは多分私だけだと思いますが、車内は果たして…。
さて、鉄道趣味誌を見ると5両編成で取材を受けており、デビュー後間もない時期に中間車が1両追加となった模様。その追加になった中間車は終日女性専用車両として運用されています。貫通路越しに見る車内は他の車両と大きな違いは確認できなかったのを良い事に、このコンテンツでは2015年9月に取材した模様をお届けします。
2022年中の引退が予定されており、2月の時点で1編成が最後の活躍を見せています。同時期に登場した北神急行出身の7000形とは異なり、外観の雰囲気はあまり変わらないままの卒業となります…。
(取材・撮影 神戸市交通局西神・山手線 西神中央 他)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシートの車内です。
1000形との見分けがつく、つかないで鉄分の濃度が測れそうな…なんだかアハ体験の材料になりそうな装いです(^^;;; 目立つのは天井のラインフローファン、そして袖仕切りでしょうか。どちらも製造当初から変わらないアイテムです。
変化と言えばモケットの色合いと床の色が大きいと思います。どちらも2013年から2014年にかけて行われた更新で装いを一新、遠くから見るとモケットは少し渋めに、床は少しポップになった印象です。


乗務員室との仕切りです。前面の扉が若干右に寄っている様子が仕切り扉の窓から確認できますが、その仕切り扉は引き続き中央に設置されています。この2000形では右側に仕切り窓が設けられ、前面展望のハードルが1000形より下がりました。
横方向の手すりが無いのは神戸市交通局の伝統芸のようなもので、それよりも1000形では左右に設置されていた広告枠が左だけになってしまったのは、営業的に大丈夫だったのでしょうか…(^^;;; そして、独特な書体がポイントの車両番号が記された銘板はこの形式から仕切り窓の上に移っています。

 
車端部は各車両とも片側が優先座席、もう片側が通常仕様の座席のデュオで統一されています。ただ、車椅子スペースの有無や貫通扉の有無で大きく分けて3パターンになります。左の画像は両先頭車とその隣の車両で見られる幅広貫通路、扉無の車端部です。右の画像は2号車、5号車と隣の中間車を結ぶ車端部で、貫通扉がポイントです。この貫通扉の配置は1000形と同様ですが、この2000形では製造当初からこの縦長の窓を用いています。なかなか先見の明があった選択だったのでは…と思います。


車椅子スペースが備わった車端部です。こちらは貫通路の幅狭め、扉はありません。貫通路の上には隣の車両が女性専用車になっている旨の表示があります。この貫通路の幅がデビュー当初の5両編成を物語っている格好で、貫通扉と車椅子スペースを示すマークが両隣になった写真を見てかなり新鮮な気持ちになったわけですが(^^;; デビュー当時は片や貫通扉が隣の車両と2枚ついた車端部、片や貫通扉が隣の車両の1枚だけ…と、なんともアンバランスな車端部だったのでしょう(^^;;


車椅子スペースです。ベビーカーマークのステッカーが追加で貼られたのは他の形式と同じです。
横方向の手すりを設けたくらいで、1000形と設備の差はありません。まだ他社も含めて車椅子スペースを確保した車両が極めて少なかった頃から設けられていることもあり、良くも悪くも黎明期らしい設えです。
6000形には無い二人掛けの座席が備わっていますが、製造当初は優先座席の窓のシールはもっと小さいものでした。今や車椅子やベビーカーのマークが押し出されてしまいそうな勢いを感じます(^^;;


吹出し口がラインフローになり、より洗練されたスタイルに変化を遂げたのが天井周りです。新たにラインフローファンも中央に登場しました。普段その違いに気が付かなくても、「お、普段よりなんだか冷風がテンポよく吹いているなぁ…」と思った人がいたら、2000形も喜ぶのでは…と思います(^^;;
その両側、カバーつきの蛍光灯が備わっています。晩年はLED照明化された編成もいたようで、撮影自体はできなかったものの、車外から見て普段とは異なる「白くて明るい」車内に気が付いたのも、今となっては良い思い出です。


床も張り替えて一新。座席モケットほどではないですが細かい模様が入ったクリーム色のものになりました。
ちょっと気になったのはドア周りの滑り止め。床の更新のタイミングであればドア周りに黄色の滑り止めシートを貼ることもできたと思うのですが…これまでどおり、統一感のある色の滑り止めで更新しています。
転落防止、乗り降りの注意喚起のレベルを上げる選択をとらなかったあたり、もしかして先を見据えて…と余計な妄想をしてしまいそうですが、車両置き換えの針は私一人では止められません。


ドア周りです。化粧板を貼った落ち着いたドアです。1000形ではドアの真ん中に銀色の飾りがついていましたが、この2000形ではドア窓が縦長になったこともあり、かなりスタイリッシュに見えます。心なしかドアそのものも1000形よりもほんの少し、ほんの少し高くなったような気がします。鴨居部も天井近くまでまっすぐ、途中で曲がっていない分、やはりスタイリッシュです。窓ガラスの支持方法は変わらないのに…(^^;;
ドア周りに荷棚が無い仕様は神戸市交通局のお約束でしたが、6000形ではしっかりドア付近まで荷棚が伸びてきています。

 
実はモケットは緑のドット柄というところにモット気が付いて欲しい(^^;; 座席周りです。
ドア〜ドア間は8人掛け、車端部は4人掛けです。袖仕切りや蹴込み板のデザインは一新しましたが、基本的なものは1000形と大差ありません。故にバネが効いた柔らかい座り心地は2000形でも堪能できます。見た目は背もたれのカーブが少し大きくなった感じはありますが、座り心地にはそこまで響いてこないかなぁ…と思います。

 
優先座席は車端部のみの設置。車椅子スペースは2人掛けになります。
こちらも製造当初からオレンジ色のモケットですが、やはり途中でこの画像ではわからないくらい小さなドット柄に移行しています。
4人で座ると若干窮屈なような感じがしますが、着座跡や乗車中の様子を見ていると結構定員どおりの着席をしているように見受けられます。
そうそう、窓の下の横長ステッカーも製造当初から貼られているものです。そのステッカーを隠してしまう(^^;;側窓の鎧戸ともども「懐かしのアイテム」になる日が間もなくやって来ます…。


座面部分に両面モケット張りの板を採用した袖仕切りです。
1000形ではパイプ形状、3000形ではモケット張りの部分がさらに拡大し、6000形では板張り…と代を追うごとに板の面積が増えていくのが面白く(^^;; 成長を感じますが、まだこちらは寸足らず。通路方向に下がる袖仕切りをひじ掛け代わりに使うシーンも多くみられましたが、このパイプ形状に指先まで沿わせると若干無理な体を強いることもあり、1000形に続いて分け隔てるためのアイテムという解釈の方が和やかに過ごせそうです。
 
ひとつ前に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送