北九州高速鉄道  1000形
 
  北九州に旅行に来てまず驚くのが「ビルの中から発車するモノレール」の姿ではないでしょうか。ちょっと前まではそれに加えてQRコードが記された切符が妙に新鮮で…ワクワクしながらホームに上がると、来た車両は開業当初の1000形…時代のギャップが激しすぎデス。
足回りは換装しているそうですが、パトランプが印象的な表情は登場時のまま。画像はコカ・コーラのラッピングですが、様々なラッピングや塗装のバリエーションがあり、特に銀河鉄道999のラッピングを施した車両はなかなか美しいものがありました。
登場は昭和60年。車内もそれなりに改良が入っており、特に編成中1か所車椅子スペースが設置されていますが、今回は2019年に取材した画像を中心に、登場時からの姿をなるべく保っているであろう車両の車内を取り上げます。
(取材・撮影 北九州高速鉄道小倉線・小倉〜企救丘)

 

 

 


車内全景です。2ドアロングシートの車内で、4両編成になります。フラットな床が大きな特徴ですが、袖仕切りや車内の色遣い、天井の造作までどことなく昭和後期から平成初期にかけての雰囲気を色濃く伝えてくれています。
この1000形の細かいバリエーションはこの画像の車内の他に、黄色い吊革が車内全体に展開する仕様、バケットシートに換装の上、背もたれのモケットにピクトグラムや図形を描写した仕様…などが存在します。1形式ながら気が付けばバリエーションが…というパターン、他の事業者でも思い浮かぶところが幾つか…あ、モノレールあるあるかもしれません…。


乗務員室との仕切りです。大きい窓が左と真ん中に、小さい窓が右側に展開しますが、側窓は客席部分にはありません。吊革は仕切りまでしっかり伸びていますし、左側の大きな窓の下には手すりもあります。
運転台は左側です。運転台の後ろの窓を小さくすることは度々見かけますが、北九州モノレールではその逆を行きます。小さい窓の先には非常口にもなる前面扉などが備わっていることを考えると、前面展望に配慮している様子が伺えます。
その仕切り窓の右下、体育座りを禁止するようなピクトグラムが…よく見ると「床には座らない」だそうです。JR九州ではよく見るこの表記、北九州モノレールでも石のような方がおられるのでしょうか。

 
車端部です。この弧を描く素敵なデザインの貫通路で4両が1つに繋がっています。この緩やかな弧に惹かれるのはその造形もさることながら、貫通路部分に照明が入っているから…かもしれません。まばらな間隔の照明ですが、明るさをしっかり窓と化粧板でカバーしている印象で、あまり不便さは感じられませんでした。
小倉方が1号車、企救丘方が4号車で、2号車の企救丘方に車椅子スペースが、2号車の小倉方、3号車の企救丘方以外の車端部には優先席を設け、黄色い吊革で色分けをしていますが…吊革が全て黄色い編成も存在しています(^^;;;;


車椅子スペースは登場時はありませんでした。2010年に取材した際には黄色地に青いマークの車椅子ピクトグラムでいかにも独特でしたが、現在はベビーカーのマークも含め、一般的な表記に改まっています。
荷棚の無い区画ですが、他の区画と同じように上窓が内側に折れる格好で開け閉めすることができそうです。取材時点では窓を開ける文化は今ほどありませんでしたが、試してガッテンすれば良かったです…。その下、手すりは横方向に1本、消火器は妻面にしっかり備わっています。
中吊り広告のような広告の吊り方が独特ですが、編成を通して中吊り広告は特段設置されていません。

故に見通しの良い天井が車内全体で展開されています。中央にはラインフローファン、ダクトも兼ねて1段出っ張っていますが、その両側には蛍光灯を配置し、あまり天井の凸凹を感じさせないデザインになっています。
独特なのはドア横のダクトで、車内下からこのダクトを通じて天井に冷気を送り、上から送風する仕組みです。排気は座席下から吸うようですが、ビックリするほど吸い込むわけではないので(^^;;乗っていても気にならないと思います。


貫通路の蛍光灯は座席に対して垂直に配置されています。これも阪急電鉄の車両で見かける「貫通路の照明」が鮮烈に記憶に残っているだけに、まさかモノレールで見るとは…と驚いてしまったものです。貫通扉が無いので車端部にも光が入り、車内全体に均等に明るさが行き渡る感じです。


床です。茶色をベースにしています。細かいところに改良が入る1000形ですが、製造年が異なる最終編成以外はこの色の床で統一されているようです。

 
ドア周りです。2010年の取材で見かけた年齢不詳の彼がいつの間にかいなくなりました(^^;; 代わりにドアの左右にメッセージが貼られ、特にドア中央に貼られた白い案内表記はホームのスロープの有無で記載内容を変えるという、なかなか細かい芸を発揮しています(^^;; 白い化粧板が印象的ですが、周りの窓が大きいせいかドアが小さく見えてしまいます(^^;;


側窓です。ドア〜ドア間は横長の窓が3つ連なっています。先ほど車椅子スペースで見かけた中吊り広告のような広告枠は真ん中の窓の上で展開し、その区画には荷棚がありません(^^;; 内側に折れる窓の上、ちょうど蓋になるような格好でパンチングメッシュが貼られていますが、逆に先ほどの車椅子スペースにはありません(^^;; 窓を開けるとロールカーテンが使用できなくなってしまうのがこの車両の弱点ですが(^^;; 冷暖房完備の車両で、まさか窓を絶えず開ける世の中が来るとは…2019年の取材時点では全く思いませんでした。

 
座席は2種類。車端部の3人掛けとドア〜ドア間の14人掛けロングシートです。ドア〜ドア間はさすがに長いこともあり真ん中に仕切りが入りますが、これは製造当初からそのような仕様だったようです。
背もたれと座面の間に窪みを設けた座席は硬めのセッティング。ただ、腰回りに関してはしっかりサポートしてくれる角度で、乗車時間を思えばまずまずだと思います。
蘇芳色のモケットは画像ではわかりにくいですが1人ずつ区分けされる縫い付けが入っています。2010年に取材した時はそこそこ目立っていたのですが、2019年ではあまり目立っていないようで、個体差がありそうです。

バケットシートに換装された座席は見た目もより華やかになっていますが、それは出会ってからのお楽しみ…(^^;;;


真ん中の仕切り、そして袖仕切りの出っ張り具合をご覧ください。製造当初から設置されている強みで、背もたれ、座面から蹴込み板に至るまで全く違和感がありません。
さて、2010年の取材時点ではあまり見かけなかったメッセージが仕切りに貼られています。いずれも定員着席を促すようなメッセージですが、正直ターゲットがよくわからない角度に貼られている印象です…。案内表示の氾濫はあまり良い効果を生まないように感じますが…そろそろ整理とか、いかがですか…?

今であればスタンションポールが生えそうな仕切り、空いている時に使いたくなりそうなアイテムです。
 
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