北大阪急行  9000形[3次車]
 
  2014年から1年に1編成ずつ増備されていった北急9000形。2016年に増備された3次車から外観も大きく変更されました。このコンテンツではそのうち3編成目、3次車の車内を取り上げます。
1次車、2次車から細かい改良が行われた3次車の車内ですが、続く4次車では床のデザインが大きく変更されたため、ある意味唯一無二の存在です(^^;; デザインのテーマは「竹林」ということですが、1次車、2次車のギラギラした外観に比べると、ししおどしの音も聞こえてきそうな(^^; 実に落ち着いた雰囲気に仕上がっています。
今後の延伸で更なる増備に期待がかかるわけですが、2017年の4次車を最後に増備が止まっているだけに、増備再開の暁にはどこまでバリエーションが増えるのだろうと思うと…ウルトラソニックバスに3日入り続けたようなふやけた気分になります(^^;;
(取材・撮影 OsakaMetro御堂筋線・なかもず 他)

 

 

 


車内全景です。3次車からスタンションポールや座席の着席区分のプリントがなくなり、ドア付近の空間がほんの少し広がりました。ちょっと先祖返りしたような印象ですが、木目柄の化粧板とゴールデンオリーブの座席を中心に、北大阪急行らしさをしっかり踏襲した車内に仕上がりました。4ドアロングシートの車内です。
twitterで阪急や神戸電鉄、北急の座席の画像を並べて「阪急の座席はど〜れだ?!」的なクイズが瞬間風速的に流行りましたが、何より1枚窓と袖仕切りにこの9000形らしさを感じることができます。


乗務員室との仕切りです。8000形では仕切り扉も含めて3枚窓だった仕切りは2枚窓に改まりましたが、中央上部の路線図はそのまま継続して掲出されています。何より驚いたのが8000形では低かったこの部分の天井が周りと同じ高さになっている点、そして触れる部分に木目柄の装飾を施した手すりの上品さです。天井の高さが周りと一緒になったからでしょうか、吊革は仕切りまでしっかり伸びています。

 
中間車のうち、なかもず方車端部は両側とも通常モケットの座席が展開されています。丸みを帯びた妻窓と座席の間にはちょっとした空間を確保、肩を逃せるようになっています。その空間にある消火器入れの蓋、その上の非常通報機、貫通扉も木目調やそれに準じた色で整えて、落ち着いた雰囲気を見事に作り上げています。尤もそのせいでわかりにくくなってしまうと本末転倒ですが…(^^;
右の画像、貫通扉を自動で開閉させるための「ひらく」ボタンです。光っているので存在感は抜群ですが、ちょっと高さが低いかな…という印象。そのポジションであれば寄りかかりによる誤操作を防ぎやすいのは理解できるのですが…

 
先頭車と中間車の千里中央方の車端部は車椅子スペースを備えています。オレンジ色のモケットは優先座席で、ドアを挟んで点対称の配置で左右3人ずつ設置しています。優先座席の吊革は手掛けが白、それ以外の部分が手掛けが茶色で、優先座席=着色された吊革、それ以外=白色の吊革…というイメージを見事にひっくり返しています。
車内で最も木目柄の化粧板を堪能でき、天井の高さを実感できる空間ではないかと思います。8000形に合わせたせいか中吊り広告が車端部に無いのもその理由の一つだと思います。


8000形よりもスッキリした印象の車椅子スペースです。窓のステッカー、側面のプレートともに車椅子マークとベビーカーマークが一つにまとまったピクトグラムが目印です。
8000形は窓の上、窓の真ん中あたり、窓の下と3か所に分けて設置していた手すりについて、9000形では窓の下だけ備えた上で、ここも木目調の化粧を施しています。細いのは視覚的に寄りかかりにくくさせているように感じます。


天井です。LED照明で見た目はスッキリ、しかし8000形のカバーつき、グルッと車内を回す配置の照明を見るとちょっと物足りなさを感じます。物足りない部分は調光や調色で補おうとのことで通勤電車では初めての機能設置もどことなく誇らしげですが、まだ調光、調色で演出した場面に出会ったことがありません…。ラインフローファンは焦げ茶色に塗ってお洒落な装い。
3次車では荷棚の先端が手すりになっていて、2次車までの仕様よりも細く、握りやすく改良されています。


ベージュを基本に模様がついた床です。ドアの前には黄色いテープで注意喚起を行っています。
4次車からは石畳の模様の床になり、見た目がガラッと変わりました。

 
3点ドアチャイムの音色が実に心地良いドア周りです。3次車から複層ガラスになり、見た目も少し変わりました。液晶ディスプレイを2つ並べた鴨居部と、横長の液晶ディスプレイを1つ設けた鴨居部の千鳥配置で、ドア本体はもとより天井付近まで木目柄の化粧板が幅を利かせています。ドア窓も側窓に合わせた大きさが心地良く、薄く貼られた「扉に注意」のステッカーも遠くから見る分には気になりません(^^;;;
スタンションポールを廃止してねん出することができたドア周りの空間、これまでどのドアも右の画像の優先座席脇の空間程度しか確保されていなかったことを考えると、確かに広くなっています。それでも立ち方によってはドアの開口幅を少し狭めてしまうこともあり、果たして効果のほどは…?!

 
鴨居部です。液晶ディスプレイが2つ並んだ左の画像、左側はひたすら広告、右側は列車に関するご案内が流れます。千里中央行きで江坂を出るとちゃんと北大阪急行をご利用いただき…と案内が出ます。
右の画像はいわゆるパッとビジョンで、こちらも列車案内を中心とした画面展開です。


側窓です。ドア〜ドア間は見事な1枚窓で、8000形で採用された鎧戸はカーテンになりました。

 
ドア〜ドア間の6人掛け座席です。右の画像は3人分が優先席のモケットでセットされた座席です。はっきりとした鮮やかな色遣いや地下鉄の車内では大いに目立っています。…ん、誰ですか「湘南色」と言っている人は…!!
モケットの触り心地が気持ち良い座席は座面下の蹴込み板を設けた形状で、流行りの片持ち式にしなかったのが意外でした。意外と言えば、座面下は8000形に似ている感じがします。ちょっと先祖返りの最たる部分でしょうか。

 
車端部は3人掛けです。こちらも優先座席仕様と並べてみました。バケットシートではない分座面、背もたれともに程良く沈み込みます。定員どおり着席するとちょっと狭くかんじるかもしれませんが、深掘りすると議論が北極星の方向に飛んでいきそうなので(^^;;; 浅いところでやめておきます(^^;;;


最後に吼えるソデシキリちゃん!です。…だいぶ字余りですね(^^;;
不思議な形状は立っている方には手すりとしての利用、着座している方には立っている方との仕切りとしての利用を想定してのことでしょう。肘掛けとしての役割が無いのは(偶然の産物か否かはさておき)妻面の処理とは相反する部分になります。両側にモケットを貼ったのがせめてもの寛ぎのサーヴィスでしょうか。
あと、この形状だと袖仕切りに長い傘を引っ掛けると動線の邪魔になる恐れもあります…。
ユニークな形状は見ていて愉しいだけに、次回作でのブラッシュアップに期待です。
 
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