北大阪急行  8000形
 
  昭和61年に登場した「ポールスター」といえば北大阪急行8000形です。北極星こと「ポールスター」は1つだけですが、この8000形は7編成在籍しています。7編成在籍していてもなかなか乗りたい時に現れない気まぐれな星です…(^^;;;
昭和61年に登場したとは思えないスマートなスタイルは乗り入れ先の大阪市営地下鉄御堂筋線でも光り輝いています。アルミ車体に色を塗っている点がより御堂筋線では目立つわけですが、その手法は親会社でもある阪急とそっくり…と、いうことは下の帯のマルーンもきっと…車内もきっと…様々な妄想が膨らんできます。
御堂筋線との乗り入れが原則になり、北大阪急行線内で完結する運用は深夜以外はありません。
(取材・撮影 北大阪急行南北線・千里中央ほか)

 

 

 


車内全景からご覧いただきます。登場時のモケットはオレンジ色だったそうですが…
今はもう緑のモケット。えぇ、阪急電車だと思い込んでしまう方もいらっしゃることでしょう。違いはドア数や床の色くらいでしょうか。4ドアロングシートの車内は御堂筋線乗り入れ時により威力を発揮します。
以前関西のラジオ番組で「関東の通勤電車の内装は見た目そっくりだらけ」という主旨の発言を聞きましたが、この手の車内はいったい何社にまたがっているのでしょうか。神戸電鉄、北神急行、北大阪急行、そして阪急…それぞれ微妙な違いがあるのが面白く、このサイトで取り上げる醍醐味なんですけどネ。


中間車の車端部、一方はこのようになっています。優先座席を示すステッカーやプレートはありますが、モケットの色変更は行っていません。このあたりは乗り入れ先の大阪市交通局と異なる部分になります。
木目調の落ち着いた雰囲気の中、当時としては画期的だったのが妻面の自動扉の導入です。手掛けを握るとスススーっと開く自動扉は今も現役の設備として使われています。今なら自動傾斜でドアエンジンをつけることなく閉めるように仕掛けを作りそうなところですが、導入当初も今も画期的に映ります。

 
中間車のもう一方、そして先頭車の車端部には車椅子スペースが設置されています。違和感が全くないですが、こちらも基本は後付になり、妻面の機器スペース手前にあるちょっとした銀の出っ張りに座席時代の名残を感じます。
面白いのが手すり。縦に幅が広い手すりを採用しています。握りやすいという面もありますが、壁に立ったまま寄りかかった時に細い手すりよりも痛くなりません。尤もこれは当たり所にもよりますが…。見た目もお洒落です。


乗務員室との仕切りです。
非常ドアが前面右側にあることも手伝い、仕切り扉は右側に設置されています。丸みを帯びた仕切り窓が上品で、木目調も近年の阪急のように極端に濃い仕様ではないので、なかなか見ていて飽きが来ません。
これは中間車でも見られますが、冷房機器による出っ張りが無い車端部以外の天井を極力高めに取っており、その境目に蛍光灯をレールと垂直方向に設置しています。従ってそのポジションは非常に明るくなっています(^^;;が、営団地下鉄でも段差がデザインに活かせなかった部分だっただけに、この手法はこの車両のイメージをさらに上げています。

 
その天井周りです。先ほど紹介しました蛍光灯の配置部分も合わせてご覧いただきます。
蛍光灯のカバーの上、そしてラインデリアに濃いめの色を塗り、天井の高さを緩やかに示したり、メリハリをつけたりしています。これにさらにデザインの磨きをかけると阪急9000系のような半間接照明になるのかなぁ…と思うと、北大阪急行8000形後継車への過度なプレッシャーをかけたくなってしまいます。


床にも模様を施しています。通勤車の床にしては少し明るめの模様です。このあたりは茶系の床を用いそうな予想を立てていたのですが…予想に反してと言いますか、意外なチョイスです。


ドア周りです。車椅子スペースのロゴは側扉の窓に貼られています。
阪急だとドア周りの木目調が異なる色をした車両をよく見かけますが、地下鉄メインだからか、はたまた手入れがいいのか日に焼けて色が変化した様子は一切見ません。反面、LED表示機をつけた編成が限られており、液晶ディスプレイつきの車両も登場した大阪市交通局の車両との情報量の差が広がるのではないかと思う今日この頃です。


側窓です。鎧戸がついているのが最大の特徴です。なかなか地下鉄だと上げているシーンを見かけませんが(^^;;

 
座席周りです。まずはドア〜ドア間の6人掛けです。
背もたれに1人ずつ模様が入っているのが最大の特徴で、単なる緑の座席から定員着席への誘導を行っています。ただ、緑のモケット自体こすれると色合いが著しく変わってしまう弱点があり、右の画像のようにあまり着席区分が目立たなくなってしまうこともあります。素材の肌触りが非常に滑らかなだけに、実に惜しい部分であります。

バケットシートなど、背もたれの柄以外に定員着席にこだわった点はみられません。

 
車端部の3人掛けも背もたれにプリントがされています。優先座席もこの緑のモケットでスタンバイしています。
座り心地も柔らかく、深く沈み込む点が大きなポイントで、大阪市交通局の真っ赤なモケットに対して落ち着いた雰囲気を色合い、座り心地ともに出しているように思えます。個人的にはもう少し座面の位置が高くてもいいかな、なんて思います。あと、妻面に寸分の余裕があればもっとくつろげると思いますが、ドア周辺のスペースを確保したい地下鉄において何事か!と御堂筋線の利用客に怒られてしまいそうな気もします。


最後に袖仕切りです。両面ともモケット張りで立客にも優しく接する心意気です。この座席外側のモケット張り、メンテナンスが大変なせいかなかなか他の鉄道会社ではみかけません。流石の北神急行も化粧板を貼っていますので、このような細かい部分の贅沢からこの車両が御堂筋線において「当たり」だと思われている所以が伺えるのではないでしょうか。

さぁ、今後10年、20年経過すると更新工事をするかどうか判断が迫られるわけですが…このクオリティがどうなるか、今から早くも楽しみです。
 
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