近畿日本鉄道  内部・八王子線260系
 
  1982年、ナローゲージの鉄道線で知られる内部・八王子線に待望の新型車両が登場しました。今回取り上げる260系です。
導入当初の内部・八王子線の状況を汲み取った上で導入したこともあり、ワンマン運転など先進的な方法を次々と採り上げていきました。
画像は随分ノッペラボウですが(^^;; 2007年頃から塗装変更が行われており、この車両の先頭車も広告を1両まるまる掲出しています。

合計8両が装備されており、釣り掛け駆動を響かせて内部・八王子線をひたすら行ったり来たりしています。ナローゲージだとおもちゃの遊園器具を思い出すかもしれませんが、あまりに立派すぎる設備に圧倒されっぱなしの取材でした。
(取材・撮影  近鉄内部/八王子線・近鉄四日市 ほか)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。
固定クロスシートが左右キレイに1列ずつ展開しています。片開き扉の2ドア車です。
画像で見ると元々の画像が横長ということやドアなどがさくっと画像内に収まっていることもあって意外と横幅が広く見えるものです。ただ、実際乗車してみますと幅の狭さに呆気にとられます。特に乗車してから開いたドアの反対側にある席に座ったり、終点で降りる時に車内を移動したりするとその幅や長さの狭さ、短さを実感できます。

色の感覚は近鉄ならでは、鹿も頷く近鉄オーラ全開です。

 
乗務員室との仕切りは設備によって2種類あります。左側の画像は四日市方先頭車の様子、右側の画像は内部・西日野方先頭車の様子です。ワンマン運転なのでどちらも小さな小さな運賃箱が設置されています。早朝でお客さんが少なかったこともあり、使っている人は見かけませんでした…。
真ん中、左の画像にはワンマン運転の掲示板と、それに合わせたような大きさの窓がありますが、右の画像には両替機が設置されています。その関係もあってか座席配置が異なっており、前者は向かって右側が2人分席があるのに対し、後者は向かって右側が1人分しかありません。それでもこの動線がごちゃごちゃしそうな区画に座席を設けたのはこの路線の輸送実態、すなわち誰もが四日市というターミナルに向かっているという想定があったからでしょうか。

 
車端部の作りは優先座席の指定か否かが違うくらいで、基本的な構成は同じです。左の画像は四日市方先頭車の様子、右の画像は内部・西日野方先頭車の車端部です。隣のロングシートは違う形式になります。
貫通路の幅とその両隣の窓の幅が車体幅そのものの短さを象徴しています。貫通扉は特になく、ワンマン列車ならではの気軽に移れる感覚を備えています。
また、座席と妻面の壁は離れているため、妻面がそのまま大きな背もたれになるような事はありません。


天井周りです。緩く弧が描かれた天井、中央にポツリポツリと蛍光灯が設けられています。
カバーつきのものですが、大きさとカバーのつき具合が路線バスに見えてきます。
いやぁそれにしても吹き出し口が目立たない!と思ったあなたに謎の鐘の音。この車両、実は見てのとおり非冷房です。恐らく近鉄の中でも非冷房の車両は内部・八王子線くらいではないでしょうか。
扇風機などもないため、夏場は窓を開けて涼をとる、ちょっと懐かしいスタイルで運んでいます。


床は茶系一色。この年代の車両では多く見かけますが、この車両、上は懐かしの非冷房・・・。


片開きの側ドアです。とにかく大きな幅の片開き扉のため、横に長い窓が良いアクセントになっています。他の系列が両開き扉になっているため、余計にこの扉の存在感が増してきます。
ドアそのものは化粧板を貼り、存在感を消そうと努力しているように見えるのですが・・・

鴨居部は天井に合わせてぐいっとカーブしています。


側窓は2段窓になっています。ここが固定窓なら地獄の様相でした(^^;;; 重たい二段窓を開ける動作も慣れればどうってことはないのでしょうか。カーテンも巻き上げ式の物が備わっていますが、こちらは若干くたびれている様子が伺えました。

 
座席です。ここだけ切り取るとバスのようにも見えますが、一方向に並んだ小ぶりなクロスシートがドア〜ドア間にずらっと並んでいます。他の車両がロングシートなのに、この形式はクロスシートです。バスとの部品共用によるコストダウンやワンマン化に伴う通路の通り抜けなど様々な理由が挙がりそうですが、旅人にとってみたら大歓迎の座席になるかと思います。

ただ、背もたれが転換できないため、四日市行きは進行方向に向いたクロスシートの車両が改札に一番近い車両になります。人気も高くなる場面が多そうです。

右の画像は座席背面です。このスタイル、どこからどう見てもバス用にしか見えません・・・。

 
車端部、並びに乗務員室背後には優先座席が備わっています。画像は車端部の模様で、右の画像のように灰色のモケットを優先座席用として活用しています。モケットによる差があるだけで、シートピッチなどは全然変更されていません。それにしてもいかにも近鉄らしい配色に仕上がっています。

 
横から見てみます。左の画像は通常の座席、右の画像、ちょっと斜め上からですが優先座席の画像になります。
スタイルは決して悪く無いですし、バスで採用された実力を伴って乗り込んでいるわけで、そのスプリングの効いた座り心地は唸らせるモノを感じます。

ただ、横幅が狭いこと、窓側には肘掛けがないこと、そして足元の狭さについてはもう一工夫欲しいところです。足元の狭さを考えるとロングシートの方がゆったりできるかなぁという気になりますが、果たしてどちらの座席が人気なのでしょうか。


おまけ。車内に突如として凸っと登場した両替機です。
なかなかレトロな機械でしたが、稼働している機会には巡り会えませんでした。確かにキップは売っていましたし、万が一のことがあっても四日市に精算機があるというハナシもありましたが…


ワンマン運転の黎明期も垣間見られそうなナロー電車。
その幅の狭さも、ワンマン運転の侘びしさも含めてご賞味下さい。
 
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