近畿日本鉄道 1620系 | ||
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近鉄は多岐にわたる車両形式が鉄道ファンの心理をくすぐり、常に頭を悩ませる要素にもなります(^^;; この顔は近鉄の主要路線に乗れば大体見るかと思います。しかし、1620系を名乗る編成はたった1編成しかありません。 大阪線をメインに活躍しており、4両編成バージョンの1430系、2両編成バージョンの1420系や1422系と同じグループに属しています。いわゆる1990年代前半に製造されたVVVFインバータ制御の通勤車で、この後は奈良線用のデュアルシート車、そしてシリーズ21の各系列に増備が移っていきます。両車とも大阪線にはあまり入っていないことから、大阪線の通勤車ではまだまだ新しい部類に入るのではないでしょうか。 (取材・撮影 近鉄大阪線・上本町) |
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![]() 21m車、4ドアオールロングシート車の車内です。1990年代前半の近鉄通勤車のデザインそのものです。1620系以外にも様々なシーン、様々な車両で見たことがある車両でしょう。故に、1620系ならでは、という特徴がなかなか見当たりません(^^;; 1990年代前半のデザイン、色彩としてはなかなかハッキリした色遣いではないでしょうか。外観の色遣いをそのまま車内に持ち込んだような感覚ですが、意外に長時間乗っても飽きることの無い色合いです。 ![]() 名張方先頭車両の乗務員室との仕切りになります。最前部まで吊革が伸びるのは通勤型として頼もしい限りですが、仕切りとしてはどうでしょう、握り棒が若干寂しく、仕切り窓も小さな窓が3枚並ぶだけ。見た目は前時代的な、実用性を追い求めた結果の形状に落ち着いた模様です。 窓と窓の間にはデジタル温度計が設けられています。お馴染みの温度計もシンプルな仕切りではより一層目立ちます。 ![]() さて、大阪難波方先頭車は握り棒を増やしてこのスペースを「車椅子スペース」にしています。…とはいっても、スペース自体は乗務員室の仕切り背後にできた部分で、わざわざ設けたわけではありません。それ故に握り棒とピクトグラム以外には何もありません。他の仕切り背後のスペースにも握り棒を増やして車椅子スペースを設ければいいのに(^^;; 後年更新工事を受けている5200系は両方向とも車椅子スペースにしています。また、シリーズ21シリーズは各車両に車椅子スペースを設けているなど、車両系列数の多い近鉄故に、なかなか統一が計れていないようです。 ![]() ![]() こちらも素っ気ない車端部の様子です。右の画像はグレーのモケットでお馴染みの優先座席柄です。 素っ気なさは特に貫通扉の窓や色和えで目立ってしまいます。近鉄5200系のような細長い窓の貫通扉や薄茶色の化粧板は一切使われていません。通勤車両と急行形との違いなのでしょうか、はたまたこの顔、この外観のデザインを描いた当初から内装の意匠を変えていないからでしょうか。 さて、21mという中途半端な車体長はこれまで車端部の長さが車両によって異なるという点に表れていました。4両編成以上の中間車では外観から「側窓1つ」の車端部と「側窓2つ」の車端部どちらも混在し、ドアの位置や座席の長さが異なるというデメリットがありました。 そこで、この系列では中間車の車端部の長さを一つに統一しました。優先座席の定員が先頭車を除いて統一されたり、ドアの位置が編成によってズレなくなったりするなど、より乗りやすい空間になりました。もちろん、シリーズ21にも継承されています。 素っ気ない車端部の裏には、画期的かつ実用的な寸法の変化があったのです。…ここに、技あり。…なんていうとテレビ東京の経済ニュースっぽく聞こえますね(^^;;; ![]() 天井です。ラインデリア、そして端にはカバーつきの蛍光灯が並んでいます。このあたりのクオリティはさすが関西私鉄。運用の都合上青山トンネルを越えて伊勢中川方面に向かうことはないそうですが、真夏の小さな虫のアタックにも無視できそうな仕様になっています。 ![]() 床は座席モケットに合わせて茶色に仕上げています。茶色一色、他社の車両にも用いられています。 ![]() ドア周りです。白い化粧板が貼られ、窓を大きくとっている点は近鉄クオリティの一つです。赤文字の「ドアにごちゅうい」も近鉄ならではです。扉周りの握り棒が短いのは…他の車両に倣っているかどうかはちょっとわからないです(^^;; 1990年代前半の生まれだからでしょうか、デュアルシート車などで見られるLED表示機は特にありません。故に、鴨居部分も白い化粧板で占められています。 ![]() 窓周りです。だいぶスッキリしています。 遅ればせながらという表現が適切なのでしょうか、カーテンは両側に溝があり、何か所か引っかけて止めるタイプになっています。かつての近鉄のようなトリャァ!と下までまっすぐ豪快に下げて引っかけるタイプのカーテンではありません(^^;; ![]() ![]() 真っ赤なモケットが印象的なドア〜ドア間の座席です。名張方先頭車両のみで見られる優先座席バージョンも銀色一色のモケット。近年は別の柄への張り替えも進んでいる模様ですが、近鉄通勤車といえば何はともあれこのモケット。奥行き深めで沈み込みもなかなか。長距離だと踏ん張りドコロが多めになってしまうことも懸念されてしまいますが、シリーズ21のまっ平らな座席に比べればまだまだ安心して座れます。 ![]() ![]() 車端部は4人掛けで統一されています。例によって蘇芳色と銀色の2パターンがあります。 ここの4人掛けはなかなか左右の空間に余裕がありません。袖仕切りの形状が辛うじて空間を広く使えるようなパイプ形状になっていますが、これは偶然の産物。本音は3人でゆったり腰掛けたいところです。 この系列の副産物として、側窓が縦長なので一番端の席は寝ている最中後ろに頭をぶつけても髪の毛の整髪剤などで窓を汚さない点が挙げられます。無論、壁は汚れてしまうわけですが(^^;; 窓についた汚れは目立つので、それに比べれば少しはいいかな、なんて思います。 ![]() 最後に袖仕切りをクローズアップ。かつて用いていたパイプ形状の袖仕切りを今風にアレンジしてみました、という趣でしょうか。この進化形をシリーズ21で見ることになるわけですが、少なくても真ん中の横棒に何の役割を持たせているのでしょうか、その存在が気になります。 |
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