京成電鉄  3700形[6・7次車]
 
  3700形の1次車が登場してから9年が経過した2000年、マイナーチェンジを施した3700形が新たにバリエーションに加わります。今回取り上げる6次車・7次車の登場です。
6次車は3700形初の6両編成での登場となり、3700形の活躍の幅を広げた後、7次車として8両編成バージョンが1編成登場しています。全部で3編成しかいない小所帯ですが、今回はその中から7次車を取材しました。
車外では車端部の転落防止ホロの設置や前面のライト形状の変更がみられ、シングルアームのパンタグラフになりました。個人的には前面のライト形状変更により、3700形のイメージをよりスポーティなものにしたような気がします。この流れでやがて3000形が登場したのは驚きですが(^^;
前述の通り金町線以外の京成各線で活躍中です。
(取材・撮影 京成電鉄本線・京成上野)

 

 

 


まず迷い無く「たれていないパンダ」に注目してしまいそうな(^^;;車内全景です。実際は画像よりも若干明るめに見えると思いますが、雰囲気だけでもつかめて頂ければ幸いです。
3700形というよりも、3000形っぽさを強く感じるかもしれません。この画像からも従来の3700形から3ドアロングシートの構成はそのままに、袖仕切りを大型にして、バケットシートを他の物に切り替えたことが伺えます。ただ、雰囲気は3000形よりもこちらの方が若干暖かみがありそうです。

 
乗務員室との仕切りです。そして先頭車の乗務員室に近い位置に車椅子スペースが設けられていることから、こちらで車椅子スペースもご紹介します。右の縦長の画像になります。
仕切りそのものは「ここにデザイン力を投入して何になるんだ!!」とばかりに小さい窓を左右に、中央にドアを設ける至ってシンプルかつオーソドックスなものになっています。他の車両とできるだけ統一して操作の煩雑化を防ぐ狙いもあると思います。その手前には3人掛けの座席があるのですが、前面展望にはかなり厳しいものがありそうです。
車椅子スペースは固定器具のみならず立席スペースとしての機能もしっかり備わっています。

 
「怒濤の」というコトバは座席の紹介で使うことが多いのですが、通勤電車では珍しく「怒濤の」車端部バリエーションです。まずは6人掛け、貫通扉無しの車端部です。どちらの画像も貫通扉が見えていますが、いずれも隣の車両の貫通扉になります。いわば2つも必要無い貫通扉の代わりに座席を設けた格好になっています。
 
ということで、こちらが5人掛けの座席に貫通扉が加わった車端部になります。先ほどの画像も含めて、左の画像が優先席つきの車端部、右の画像が両方とも普通のモケットの座席を用いた車端部になります。
貫通扉の窓がこの6・7次車からぐぐぐっと下に伸び、開放感がアップしたかと思いきや、これまで貫通扉つきの車端部にあった妻窓は廃止されてしまいました。元から広告ステッカーが多かった車端部ですが、いざ廃止されると少し寂しいものがあります。

中間車はどの車両も片側が貫通扉付きの車端部、もう片側が貫通扉無しの組み合わせになります。

・・・怒濤と言っていた割にはあっという間に終わってしまいました(^^;;;


天井です。ラインデリアを用いていますが、所々画像手前のようにフタのように大きめの四角で囲まれている部分があり、単調になりがちな天井に程よいアクセントを加えています。
吊革は丸い形状の取っ手を採用しています。えっこの時期に丸!!と思う方も多いかもしれませんが、意外と関東大手私鉄における吊革事情は複雑?!で、三角形の形状を割と早く導入した私鉄と、そうでない私鉄に二分されるようです。確かこの辺りの事情を夕刊フジかフリーペーパーのR25あたりが記事にしていたような気がするのですが…詳しい内容は忘れてしまいました(^^;;;


床はフットラインを意識したツートンの物を採用しています。
どちらもベージュで、あまり色の差をつけないようさりげなくアピールしています。

 
ドア周り、そして右の画像はLED表示器になります。LED表示器は全てのドアの上に設けられており、鴨居部の上にポコッと設けられています。
貫通扉は化粧板できれいに装飾されたものの、こちらは無塗装のまま。かえってこちらの方が目立つかもしれませんが、周りのキレイにまとめあげた雰囲気を少し壊しているような気がしてなりません。無塗装がスタンダードなので仕方が無いと言えば仕方がないのかもしれませんが・・・。

LED表示器は見やすい文字で次駅案内や行先案内などを行っています。

 
「怒濤の」はここで使った方が適切でしたね(^^;;; 座席満開でお届けします。まずはドア〜ドア間の8人掛けの座席と貫通扉の無い車端部の6人掛けの座席からになります。このスタイルを見て「アッ!」と思った方は京成の座席をよくご覧になっていらっしゃる方かもしれません。3500形の更新車と同じ座席になります。
元々3500形更新車で使い始めた座席を新車でも導入しよう!という段取りになるわけですが、数編成のために新たに座席の図面を起こし、素材を考え・・・とやるよりも合理的だなぁと納得してしまいました。また、新車にも使われたことで、3500形更新車の座席にも「新車と同じ座席を採用!どうだスゴイだろう!!」という大きなPRポイントが追加されることになります。若干こじつけのような気もしますが(^^;;;

・・・ちなみに6人掛けの座席は3500形更新車には無いバリエーションになります。

 
5人掛けは2種類。左の画像は車椅子スペースの隣の座席、右の画像は貫通扉付きの車端部の座席になります。
車椅子スペース隣の座席は窓に干渉しないよう、小さめの独特な袖仕切りを備えています。
紫色のモケットは京成ではお馴染みになりつつあります。そこに随分厚みを持ったバケットシートが並んでいるわけで、座り心地もやや硬めながらこの「厚み」が活かされたものになっています。ただ、見た目がやや狭く感じるだけに、ちょっと雰囲気で損しているかなぁ…という気がします。


先頭車のみの配置となる3人掛けのロングシート、別角度から撮影してみました。
端で比較的余裕があるのは5人掛けのロングシートになります。さすがに3人掛けは他の座席に増して狭そうに見えます。

尚、この「3人掛け」というバリエーションも3700形限定になります。逆に3500形更新車にある2人掛けは3700形にはありません。だから何?と小一時間問い詰められると言葉に詰まりますが・・・(^^;;;

 
最後に優先席。吊革の色は黄色、座席モケットも紺色になっています。左の画像は6人掛け、右の画像が5人掛けとなります。紫も渋めで良いのですが、個人的にはこの紺色がお気に入りです。ちょと画像では見難いですが、こちらの座席もバケットシートになっています。


最後にクローズアップ袖仕切り。久々のコーナーなのでタイトル名忘れてしまいましたが(^^;;;
今回の3700形6次車から大型の袖仕切りを投入し、従来の肘掛けも兼ねた小さい化粧板の袖仕切りを用いた3500形の座席とはここで差別化を図っています。3500形の袖仕切りを大型の物にするためには網棚まで影響する改造、もしくは網棚ごと交換を行わなくてはならず、新車だからこそ気軽に設けられる強みが発揮されています。


更新車と仕様を合わせたり、これからの新車へのスタンダードを模索したり、1990年代後半の3700形は「なんだ、また3700形だ・・・」と若干新車に飽き気味の方への刺激的なスパイスとして密かに受け入れられていったのかもしれません。でもこの車両から3000形へ繋がっていく展開をこの6次車登場時点で予想できた方は、果たしていらっしゃったのでしょうか…?
 
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