京成電鉄  3400形
 
  機器流用車…90年代にたびたび聞いたこの言葉。西武9000系と同じ平成5年に登場したのが3400形です。
ステンレス車として華々しくデビューした3700形に瓜二つのボディー。しかしこちらは鋼製でグレーをベースにしていて、見た瞬間「あ、3400形だ…!」と気が付く分かりやすさです。登場時はスカートがなかったのですが、後年設置されて凛々しさに磨きがかかりました。
京成本線から押上線、都営浅草線方面への運用が主体ですが、優等列車から空港乗り入れの列車まで幅広く活躍している印象です。私的には西武9000系のように足回りのリニューアルの末4連に短縮して…と妄想を繰り広げたいところですが、先行きはあまり長くないとの話もチラホラ…
せめて、AE100形が先に引退した件についてはそのうち3400形にマイクを向けたいと思います。
(取材・撮影 京成本線 成田空港 他)

 

 

 


2020年撮影の車内の様子です。モケットを赤系&優先席の銀色モケットから一新していることもあり、登場時の雰囲気とは少し異なるかなぁとも思います。一方、3700形の1次車と見分けがなかなかつかない意匠は外観以上に加速してしまった感があります。私のようにたまに乗る人にとっては音で見分けるしか方法がなさそうという有様です…(呆
3ドアロングシートの車内は京成電鉄の他の車両と同じです。3400形に関しては8両編成のみの存在で、成田空港方が1号車、京成上野方が8号車になります。
 
車端部は4種類あります。6人掛けの座席が設置された車端部で、妻面がツルッと壁になっています。それでも妻窓があり、貫通扉があるだけでなく、非常通報機が端の方にくっついている、何かと充実の車端部です。青いモケットに黄色い吊革は優先席で、中間車は成田空港方車端部が該当しています。
この6人掛け車端部は先頭車の他、中間車のうち偶数号車の上野方と奇数号車の成田空港方が該当します。車端部は全て5人掛けで統一された3000形の増備によって、ここの6人掛けは「当たり前の1席」から「当たりの1席」になっていきましたが…気が付けば妻窓も懐かしのアイテムになりつつあります…。
 
中間車のうち、偶数車両の成田方と奇数車両の上野方は5人掛けロングシートになります。妻窓の手前には機器スペースがあり、肩から腕を逃すスペースとしても機能しています。検車区でしっかり封をしているので、運転に欠かせない機器類が入っていると考えて間違いないと思いますが、もう反対側も5人掛けにすればいいのに…は、私が言う前に3000形が叶えました(^^;
ただ、これだけ妻面に余裕があるのに、非常通報機は6人掛けの方の車端部に…このあたりの法則はよくわかりません(^^;;;


乗務員室との仕切りです。京成電鉄お馴染みの開閉窓が仕切り右側に目立っています。真ん中には仕切り扉です。蛍光灯の配置と仕切りのせいだと思いますが、若干他の空間よりも暗い印象がありますが、地上区間の日中であればそんなに気になりません。
仕切りの手前は3人掛けのロングシートを左右両側に設置しています。ドアのすぐ脇まで迫っている様子がこの位置から確認できますが、反対側、仕切りの窓はちょいと高め。前面展望は立ちながら…の方が良さそうです。


車椅子スペースです。握り棒や固定器具が備わっています。
製造当初は3400形にあって、3700形には無いものとして取り上げられていましたが、その後比較対象だった3700形の1次車にも車椅子スペースが設置され、見分けがつかなくなってしまいました…。ただ、3700形は窓上にも握り棒があります。こちらは… この差、微妙すぎて伝わらない…(^^;;;


天井です。ラインフローファンを中央に配置し、蛍光灯を両側に、そして吊革は丸い握手のものを用いています。画像の中央、冷房の通風孔の素材が3700形には無いような気がするのですが、これについては3700形の天井をじーっと見る必要がありそうです。
フラットな天井にパイプ構成の網棚は3700形と同じです。

床です。ツートンの柄物です。3700形の中にはこのあたりやドア周りに改良が加えられた車両がいますが、3400形はそこまで手が加えられていません。

 
ドア周りです。千鳥配置でLED表示器がある鴨居部と無い鴨居部が展開されています。
ドア自体は戸袋挟みを注意喚起するようなラインテープが貼られています。ホームドアのQRコード、京成パンダ共々小さい変化がみられます。ドア付近の吊革も登場時からそのままで、ある意味完成された3700形をそのまま持ってきた格好になります。それにしても、ドア周りの狭いこと…左の画像、ドアの隣は5人掛けの座席がある車端部ですが、そうでもしないと確保できない空間に泣けてきます。

 
LED表示器と、LED表示器の無い鴨居部を並べてみました。
一度交換されたというLED表示器、表示は次駅案内や行先案内を中心とした標準的な内容です。唯一、成田空港第2ビル到着前に成田空港のご案内が長々と流れるところが見所です(^^;;


窓周りです。1段下降窓も3700形と同じです。ロールカーテンが備わっている他、窓上には定員着席を促す可愛いステッカーがあります。ここが京成パンダに変わらないのはきっと京成パンダを8つ並べた図がシュールだから…だと勝手に思っています(^^;; バケットシートにはないので、いつの間にかいなくなってしまいそうな気がして…心配になります。


ドア〜ドア間の8人掛けロングシートです。スタンションポールは後付けになりますが、先ほどの定員着席を促すステッカーは8人掛けでご案内しています。
バケットタイプではない座席も座る機会が少なくなってきました。適度に柔らかい座面もくたびれた様子は特段感じませんでした。


先頭車の車椅子スペース脇の座席は5人掛けですが、こちらにはスタンションポールの設置がありません。3人・5人で分けているからかもしれません。また、車椅子スペース脇の袖仕切りとドア脇の袖仕切りでは高さが異なります。窓の高さにピタッと納めた車椅子スペース脇の袖仕切りは私的には肘を掛けるには良い高さで、「お、京成やるなぁ。」と感心した次第。

 
同じ5人掛けも車端部になるとスタンションポールが登場します(^^;; 右の画像は優先席です。
 
それぞれ、6人掛けの座席と比べると…その余裕の有無が一目瞭然。定員どおり座ってもらうのであれば座席幅も大事ですが、座席の周りの空間も同じくらい大事だと思うのです。スタンションポール…もいいけれど、肘掛けがもっとええなぁ…と叫ぶ前に3100形が(折り畳み席を間に入れた事情があるにせよ)肘掛けを設けました(^^;; 
5人掛けのスタンションポールはドア側を2人掛け、奥を3人掛けに分けるように設置していますが、ちょっと真ん中に通っているような気がして不明瞭かなぁと思います。あの着席人数を示すステッカーも2人・3人に分けた方がわかりやすそうですが…どうでしょ?


乗務員室後ろの3人掛けです。それこそ車端部よりもキツキツ…(^^;;
モケットは登場時の真っ赤から紫をベースにした柄に変わりましたが、なかなか似合っていると思います。そう、真っ赤よりも縁起がよさそうですし…(殴 優先席も灰色から青い柄に変わっています。

2020年に1本廃車になったそうですが、廃車にするには…と思うくらいくたびれたところが車内からは見られず、なんかこの先もずっと走っていそうな気さえした取材になりました。…どうですか、大榮車両で足回りの一新…(困
 
ひとつ前に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送