京成電鉄  3100形
 
  京成が3050形に続く新型車両は成田スカイアクセス線向け新型車両…しかも帯の色をガラッと変えて登場です。成田空港の案内が専らオレンジ色なのでこれで迷わず…という安堵の表情が想像できる一方、赤と青の帯を巻いた新型車両はいつになれば…と大ロングセラー3000形に飽きた本線系統のユーザーの声も微かに聞こえてきそうです。私としては成田空港行きの特急といえばスーツケースが通路にゴロゴロ…が行商車両、コーシン牛乳の次に思い浮かぶ京成の雰囲気だっただけに、ちょっと寂しさを感じる契機になりそうな車両です。なんてったって全ての車両に荷物スペースが設けられるのですから…。
8両編成の増備が令和元年以降続いています。都営地下鉄、京浜急行にも乗り入れます。
(取材・撮影 京成成田空港線・成田空港 他)

 

 

 


車内全景です。ガラッと3050形から雰囲気を大きく変えてきました。こちらもオレンジのモケットが活かせそうな色和えの車内です。ベストセラー3000形の雰囲気をあちらこちらに感じつつ、床のポップな装いが車齢の若さを際立たせます。3ドアロングシートの車内です。
ハイバック、つまり背もたれが既存の車両よりも高いのがウリで、乗り慣れている人は見た瞬間普段の車両とのちょっとした違いにも気が付くことかと思います。荷物スペースは跳ね上げが基本ですが、窓際のランプが消えている時間帯は座席としても使えるという案内です。ドア周りでの表示は無く、誰もいない車内では座れるかどうかしばし試されることになります(^^;; 


助手席側の2段窓と乗務員室下のルーバーが京成の「お馴染みの仕様」になりつつあると思う仕切り周辺です。背もたれこそ戸袋窓の大きさを調整している様子がうかがえますが、内側の窓の大きさを調整しているのはこの区画だけで、あとの側窓は外から見ると背もたれがにょきっと窓寸法を無視して伸びている様子が伺えます。その乗務員室背後の座席も荷棚のデザインは仕切り窓の意匠に左右されない、我が道を行く設計です。
アクセス特急では前面展望も楽しそうですが、座って眺めるのはちょっと厳しそうです。

 
車端部は全て優先席です。右の画像は中間車のフリースペースを有した車端部です。背あてが新鮮ですが、ここも優先席扱いになっています。車椅子スペースは先頭車の乗務員室背後に設置されています。
妻窓は3050形に続いて塞がれています。妻面の扉は1両につき1か所といった様子で、右の画像のように妻面扉が無い車端部も隣の車両にはひょっこり登場するスタイルです。3050形と比較してガラス面積が大きくなっていて、開放感があります。ここも飛行機と京成パンダの組み合わせ…その高度で飛んでお互いに大丈夫なのでしょうか。柳田理科雄先生に尋ねてみたいところです。

 
車椅子スペースとフリースペースです。後者には車椅子やベビーカーのマークがなく、背あてのクッションがついています。クッションの上にはしっかり握り棒が備わっていますが、車椅子やベビーカーのお客さんにとってつかみやすいかどうかは気になるところです。ここも3050形と比べると非常通報機がスリムになっていたり、高い位置の握り棒がなくなっていたりしますが…中でもヒーターが付いた点は嬉しいです。


天井周りです。この系列では吊革の持ち手が三角に変更されています。また、ファンデリアが所々展開する天井で見慣れない機械が所々…プラズマクラスターです。なんか自家用車のオプションみたいに「あれもつけて…これもつけて…」とオプションカタログを見ながら腕を組んで考えるお父さんの姿が思い浮かびますが、実際どのような経緯で選ばれたのか、他の車両への普及も合わせて気になるところです。
液晶ディスプレイに押し出されて天井にひっついている広告枠もポイントです。

 
床です。優先席部分は青い水玉模様、それ以外は茶色の水玉模様です。右の画像のように荷物スペースにはスーツケースが置けるようなピクトグラムを配置しています。この床の柄、結構お気に入りです。


ドア周りです。白い化粧板で覆われたドアはだいぶスッキリした印象です。ここも3050形から装いを一新させています。ドア窓にも着色ガラスが使用されているようで、京成パンダの存在感が若干薄めです(^^;; その窓の大きさも少し小さくなったようですが、ドアの上には液晶ディスプレイ、そして天井に広がった広告枠と余裕がまるでありません。


液晶ディスプレイは2画面展開になりました。左の画面ではニュースや天気、広告などを、右の画面では次駅案内、行先案内等を時折京成パンダも加わって賑やかにお知らせしています。防犯カメラがついている鴨居部とそうでない鴨居部がありますが、いやはや、防犯カメラとドアコックを縦で並べるとこんなに窮屈になるものなんですね…。
余談ですが、令和2年に取材した際に天気予報が左の画面に出てきたのですが、もう日本列島のイラストと地名があまりに遠すぎて…名古屋が関東地区に表示されているように見えたり、東京が南東北地方に表示されているように見えたり…イラストの地名を示す赤丸と予報表示を線で結ぶとこの違和感がなくなると思うのですが…いかがですか、共同通信さん?!


窓周りです。窓枠を無視して背もたれがニョキッと伸びている様子が伺えます。後程座席の画像でも登場しますが、ロールカーテンは窓枠の下まで引くことが事実上できないようになっています。ハイバックのロングシートが少しずつ増える中、窓枠と背もたれの関係をどうするかは令和における通勤電車のデザインポイントの1つになっていくと思います。

 
ドア〜ドア間の座席から見ていきます。オレンジのモケットは鮮やかで、桜の花びらが入っています。千葉なので「なのはな体操」にちなんで…という考え方は古いのでしょう、きっと(^^; 8人掛けのうち真ん中の2人席は折り畳まれた状態がデフォルトで荷物スペースになっています。この間に袖仕切りが入ったのは嬉しい配慮だなぁと思うのですが、実際に座るとひじ掛けには程遠い薄さで、実質荷物スペースを仕切るだけの板になってしまっています。
窓際の赤いランプが消えている時は座れるという仕掛けですが、このランプ、カーテンを下すと大変見難いです。液晶ディスプレイで「この時間は折り畳み座席も座れます」と1画面出してもらえると、もう少し座りやすくなるかなぁと思います。
荷物スペースはコロコロ転がらないような金具も設けられています。このあたりはスマートでGoodです。

 
通常モケットの画像をあと2枚。いずれも先頭車の設置で、車椅子スペースの隣の5人掛け、そして乗務員室後ろの2人掛けです。
座席はハイバックのロングシートになりました。バケットシートで片持ち式は3050形から踏襲しています。背もたれも限られた空間でなるべく接地面を大きくしようと努力したとは思うのですが、座面の凸凹がだいぶ大きくて、正直狭い座席だなぁ…という印象でした。背もたれの肩回りのちょっと覆われた感じはセクシーで新鮮でなかなか好印象なのですが、窓に頭をぶつけながら…もとい、よりかかりながら寝る人にとってはこの仕様は苦しいものがあります。


優先席もキレイなモケットで彩られています。しかし、3050形と色の考え方が真逆…同じ路線で走ることを考えると、色で判断する方は要注意といったところです。5人掛けの車端部の座席です。
妻面はちっとも優しくない、切り立った壁になってしまっていますが、妻面扉の脇に握り棒があるので、ドアから遠い席でもアプローチは若干しやすくなっているかなぁと思います。

 
背あてクッション、そして2人掛けの優先席です。この部分のクッションは傾斜がゆったりできるような角度にセットされていますが、通勤電車として考えるともうちょっと角度を立たせても良かったかもしれません。また、ここの部分に凸凹をつけても良かったと思います。
2人掛けの優先席…中間車も含めて各車両に2人掛けの座席が設けられることになりますが、成田空港に向かうアベックには素敵な空間になることでしょう(殴


3100形のガッカリポイントは袖仕切りにあります。この袖仕切りの境目がちょうど肩から腕にジャストフィット…なぜこの部分に境目を設けた?!と設計者に小一時間聞きたい次第です。この食い込みは見た目以上にストレスですが、バケットシートなのでちょっとずらして座ると座り心地が悪くなる始末。これまでの3050形のような袖仕切りでは気にすることはなかったのですが…デザインに溺れると大事なポイントを見失う、そんな袖仕切りです。


お楽しみの貫通扉は飛行機と京成パンダが夢の競演です。シュワッチ!(違
 
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