京王電鉄 6000系[元5ドア車]
 
  元5ドア車というのがかなりいびつに聞こえます(^^;;
1991年に京王ではラッシュ時対策として5ドア車が登場します。5両編成で4本が作られ、ラッシュ時には2両、3両編成を組み合わせて使われていました。ところが、編成中間に組み込まれた5ドア車はお客さんからは座席数の減少や整列乗車の混乱などにより不評。結局増ドア作戦は失敗したのでした。 でも車庫に寝かしておくわけにはいかん…京王の中の人が立ち上がり、4本あった5ドア車のうち1本を4両編成にして動物園線に、もう1本を6両にして相模原線に、そして残りの2本を4ドア化してしまったのです。・・・随分思い切ったことをしちゃいました(^^;; そんな元5ドア車を取り上げます。
現在は改造された5両2本をつなげ、10両編成として京王線内の優等運用に就くことが多いようです。
(取材・撮影 京王線/京王高尾線・明大前〜高尾山口)

 

 

 


もう少しだけ外観の話を。これが元5ドア車、現在4ドア車の外観です。6000系なのに戸袋窓が無い4ドア車、見ていて多少落ち着かないのは戸袋窓つきの6000系に慣れているからでしょうか。窓も大小2つずつドア〜ドア間にあり、小さい窓は5ドア車の頃から使っていたもので1段下降式、大きい窓は4ドア化とともに作られた固定窓になります。画像左側から「小・大・ドア・小・大・ドア・大・小・ドア」という組み合わせです……。あ、トイレで用を足した順番とかではありませんので念のため(殴 お食事中の方すみません…。


スッキリしたところで車内に突入です。4ドア車の中身もロングシート。5ドア車はクリーム色の化粧板で登場したので、4ドア化とともに化粧板を貼り変え、5ドア時代の面影はほとんど残っていません。やはり戸袋窓が無いおかげもあって、そして化粧板や床の組み合わせが他の6000系では見られないものなので、まるで別形式のように見えてしまいます。


乗務員室との仕切りです。仕切りそのものの構成は通常の6000系とは違いなく、アンバランスな配置の窓も楽しめますが、運転席の背後に立って前面展望…というのは少し人を選んでしまうかもしれません。角ばっている仕切りの両窓に対して、中央の扉の窓が丸みを帯びているのも特徴…といえば特徴ですね。

従来の6000系では乗務員室仕切り背後の薄暗さが某評論家のおかげもあって有名ですが、元5ドア車はドア付近にも蛍光灯を配置することによってその薄暗さを解決させています。画像の短い吊革の上辺りにその灯りが見えます。

 
一方の車端部、先頭車は両側とも優先席のモケット、中間車は片面だけ優先席のモケットを使っています。
戸袋窓は無いですが妻窓はあります。ただその妻窓も優先席のステッカーが貼られ、窓としての機能がいくらか失われています。このステッカーは1世代前のもので、近年はこのスペースが「おもいやりスペース」として黄色の帯や不透明の優先席ステッカーが貼られているため、さらに賑やかな物になっています。裏っ返せばこの6000系を含めた京王の車端部から落ち着きさは完全に失われたことになります。モラル低下が叫ばれている以上仕方が無い措置なのかもしれませんが、そこまで目立たせたがる京王、電飾イルミネーションは何年後に施すのか楽しみに期待しています(^^;;;
妻面の扉は化粧板が貼られています。ドアそのものは片開きのごくごく普通のスタイル。こちらにも新宿寄り先頭車のみ女性専用車のステッカーが貼られています…。なお、この取材は女性専用車対象時間外に行っています。


天井です。所々スポットによる空調やラインフローがしっかりカバー。
特筆すべきは吊革の存在。レールと平行方向には吊革が設けられていますが、垂直方向にはバーが設けられているだけで、吊革が設置されていません。画像の広告手前のような感覚です。このバーの設置位置もドアから少し離れたところに1箇所とか、ドア付近に1箇所だけなど、実にバラバラ。5ドア車にもこのバーは設置してあるのですが、あちらもあちらでドア位置に沿った配置ではないため、実に不思議な存在の設備です・・・。

 
床です。全体を通して明るめのコルク調の柄が使われています。フットラインなどはありませんし、他の6000系ではなかなか見られない色になっています。
貼り変え時期が違ったのでしょうか、画像左のように色合いが若干違う場所が何箇所か見られますが、5ドア時代のものとは関係無さそうです。


ドア周りです。戸袋窓が無い、という点では6000系に見えないかもしれません。真ん中2つの扉は他の部分から移設し、車端部に近い2つの扉は5ドア車から位置の変更はありません。
ドアそのものは無塗装のもので、カクカクした窓が特徴です。ステッカーの他に百草園の宣伝が入る枠がある戸袋部分もあり、サイズはステッカーよりも1回り多くなります。百草園の宣伝は他に9000系、1000系でも見られますが、実に落ち着いた、季節感のある物になっています。鴨居部にも枠がありますがそこにも百草園以外の京王の宣伝が入ることが多いです。枠の後ろには化粧板でしっかり仕上げています。


一番最初に外から側窓をピックアップしましたが、中から見るとこのような具合になっています。窓が開く方には開け方を、固定窓の方には「この窓は開きません」というステッカーが貼られています。

 
座席を見ていきましょう。まずはドア〜ドア間の7人掛けから。
5ドア車時代はドア〜ドア間も4人掛けだったので、それを活用した形で7人掛けに改造されています。
座席下のヒーターがまさにその代表例で、元々4ドア車で登場した6000系はヒーターの網目が1.75人分ずつ4等分されていますが、元5ドア車の場合は2人分の網が3つに1人分の網が1つ設置されています。ただ、些細と言えば些細です・・・ね(^^;;

座面や背もたれにも特徴が。場所によって3人+4人と2分割で設置されているところと、7人掛けがそのままどかんと置かれているところに分かれます。4ドア化改造を受けた2000年はすでに6000系に廃車が出ており、元々4ドアだった車両は7人掛けと4人掛けの座席があったことから、7人掛けに改造された部分にはその座席を持っていったことが考えられます。また、3人掛けの座席は新たに作らなくてはならず、その製造費を抑える目的もあったのかもしれません。


車端部は5ドア時代同様に4人掛け。茶色一色のシンプルな座席です。
袖仕切りは6000系標準のバーで構成されたタイプ。4人で座るとやっぱり気持ち窮屈かな、と思うのも他の6000系と同じ。
でも意外にへたれた座面ではなく、しっかりとした座席ではないでしょうか。


優先席は水色の柄物がセッティング。茶色の方とはガラッと様子が変わります。
触り心地はなんとなくごわついた感じがして、こちらも茶色のスベスベ感とは異なります。
座ってみるとヒーターの切込みが思ったよりも斜めに見えるのですが、座る分には何も支障はありません。

優先席のステッカー。先述の通り旧バージョンになります。
京王と言えば8000系でお馴染みの必殺技「シルバーシートロールカーテン」ですが、6000系には備わっていません。
うーん、残念といえば残念・・・かな?


・・・この窓配置、まだまだ慣れないですね・・・。
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