京王電鉄  1000系[1・2次車・リニューアル車]
 
  井の頭線約30年ぶりの新車としてデビューした1000形。仕様の違いなどで1・2次車、3・4次車、5・6次車に大別できますが、特に製造年次が先の1〜4次車については2016年頃からリニューアルを施すことになりました。今回はそのうち、1・2次車のリニューアル後の車内を取り上げます。
足回りの換装が主であり、特に中間の3号車が電動車になった点は大きな特徴にもなりますが、見た目はあまり大きな変化はなく、慣れ親しんだ表情もほぼほぼそのまま、5・6次車との違いの一つである、正面の出っ張ったLED表示機もそのままの形状です。
現在は3・4次車も含む対象車全てでリニューアル改良が終了しています。どの編成がどの列車に入るかは5・6次車も含めてお楽しみ…といったところです。帯色や正面の色も通常塗装だけで7色、さしずめ虹とか七草のようなパッケージですが、さて皆さん、7色全て言えますか…?
(取材・撮影 京王電鉄井の頭線・永福町〜吉祥寺)

 

 

 


車内全景です。リニューアルで車内は紫色が大きく幅を利かせる車内に一新されました。京王線では見ない色合いに誤乗対策も一役買いそうな紫色の起用、そして化粧板には桜の花びら、ロールカーテンには爽やかな新緑の葉…リニューアル前の8000系に倣ったかのような雰囲気はどこへやら、30分にも満たない乗車時間にこれでもか!とわかりやすい、親しみやすい雰囲気を詰め込んでいます。
他にも袖仕切りの交換、ドアの交換、液晶ディスプレイの設置、LED照明への交換なども行われていますが…1・2次車の座席の特徴でもある座席の脚台がそのまま残ったのは意外でした。ほんの少し年上に見えるアイテムですが、乗客からしたらそこまで気になる存在ではありません。


乗務員室との仕切りです。この部分も基本的な構成は変えず、化粧板を交換したくらいでしょうか。渋谷駅、吉祥寺駅ともに一番改札に近いドアになりますが、仕切りに横方向の手すりはありません。その分吊革が大活躍といった構成は1000系5・6次車でもみられます。
…その1000系5・6次車よりも大きいのは仕切り窓。着色ガラスですが、リニューアル前から変わらない見通しが確保されたのは嬉しいものです。

 
車端部です。車端部は全席優先席で、先頭車と中間車の渋谷方に車椅子スペースが設置されています。登場時は編成で1か所、吉祥寺方先頭車だけだったので、今回のリニューアルで一気に増えた格好です。
貫通扉は2号車、4号車のいずれも3号車よりに設置されており、両先頭車と隣の車両をつなぐ貫通路に扉はありません。相変わらず渋谷や吉祥寺では貫通路の往来が多く見られ、正直もう少し幅が広い方が…と3000系を思い出してしまいますが、さすがにリニューアルでそこまでは施されませんでした。
妻窓や妻窓上の消火器はそのまま残っています。5・6次車にはない開放感を堪能できます。

 
今回増設された車椅子スペースです。左の画像は2号車、つまり吉祥寺方から2両目になりますが、なぜか若干床面に出っ張りがみられます。非常通報機が奥まった位置にあり、出っ張りのせいで届かないのでは…と一瞬不安がよぎりますが、手を伸ばせば届くはずです。右の画像は貫通扉がない4号車のスペースで、戸袋を兼ねている妻窓とそうでない妻窓の比較もできます。
非常通報機と手すりのシンプルな構成です。化粧板や床も一新されたため、座席があった時の面影は残っていません。窓に貼られたステッカーは「手すりに手を入れないでください」というもので…他社の車椅子スペースではあまり見かけない表記です。


天井周りです。1000系1・2次車で特徴的な着色ラインフローファンはリニューアル後も健在です。床のフットラインとの関連性はなくなったものの、この落ち着いた佇まいが実に魅力的です。LEDの照明にはところどころ防犯カメラの姿もみえます。ウィキ○ディアには吊革の交換まで記載されています。明らかに形状が変わった優先席付近の吊革はわかるとして、従来丸かった吊革がリニューアルを経て太くなった…というJR西日本の通勤車のような変化、この1000系では感じませんでした。
多分、私が鈍感なだけだと思います。


床です。パープルの濃淡でフットラインをさりげなく見せています。フットライン、京王電鉄の通勤車ではすっかりお馴染みのアイテムになりました。それにしても…なかなか素敵な色だと思います。
ドア付近は黄色い滑り止めで区別しています。

 
ドア周りは大きな変化がありました。従前のドアから一新、ドア窓が複層ガラスになり、カクカクした形状になりました。そして、右の画像のとおりLED表示機に代わり液晶ディスプレイが設置されました。ドア周りの注意喚起もなかなか賑やかで、戸袋への挟み込み防止の案内も大人の視線、子どもの視線と上下2種類貼られています。LED表示機に目を転じれば駅に着くと「忘れ物に注意」の表記。これ、1000系5・6次車でも見られますが、なかなか他の鉄道事業者では見かけない表記で、降りる人のことまで考えている好例ではないでしょうか。

 
窓周りです。1段下降窓に真ん中の桟には5cm、10cmの目盛り…これはリニューアルとは関係ない表示ですが、乗客が目盛りを見ながら窓を開けたり、雨が降ったら閉めたり…するような時代が来るとは思いませんでした。
右の画像、かなりわかりにくくて恐縮ですが…薄緑色のロールカーテンは葉の模様が施されています。京王線と比べるとどうしても短い乗車時間になりますが、これでもか!と車内外にわたり印象づけるようなアイテムが満載です。

 
座席です。左の画像は通常仕様のモケットで、紫色がベースです。右の画像はオレンジ色モケットの優先席仕様で、4人掛けです。リニューアルでスタンションポールが設置された他、バケットの形状が登場時よりも強くなり、特に座面の沈み込みについては登場時の仕様とは明らかに異なる、あまり沈まない仕様になっています。短時間の乗車、かつ乗り降りも激しいところを鑑みると定員着席に主眼を置きたくなるところですが、それを感じさせない、背もたれのモケット…(^^;

ただ、このモケットがまさに1000系リニューアル車の最大の個性であり、特に井の頭線沿線で梅雨の時期にきれいに咲く紫陽花を採り入れています。紫の色遣いと花の可憐さが見事で、単色モケットには無い魅力と、両端の街とは一線を画す沿線の雰囲気を背もたれで見事に表現しています。
日本シールがこのモケットを活用した座布団を販売していて、たまに京王線沿線でも販売されているようですが、ダイニングチェアの座面に敷いても違和感ないシーンになるはず…です。(個人の感想です(^^;; )


最後にクローズアップ袖仕切りです。
リニューアルを機に大型袖仕切りが登板したのは嬉しく、ドア脇のスペースがあまりないとはいえ、終日混雑する井の頭線で立客との分離が果たせたのは大きいです。
ただ…内側の塗装が剥がれてきている袖仕切りが散見されるのは残念で、交換してからあまり月日が経っていないように思われるだけに、今後、マメなメンテナンスに期待したい部分です。
 
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