京浜急行電鉄 新1000形[17〜19次車]
 
  随分とバリエーションが豊富になっている京急新1000形。今回取り上げる新1000形は2017年度から2019年度にかけて増備された17次車、18次車、19次車の車内の模様を取り上げます。なお、文中では「新1000形」の「新」を省きます。
800形の代替ということで製造されたこともあり、複雑に入り組んだ1000形の中でも割と頻繁に見る印象があります。前面…ではその違いがよくわからないので、車端部のお客さんの座り方で判断しています(^^;;;
現在は6両編成と8両編成が在籍しており、大師線を除く各線で普通車から快速特急まで…まさに「何でもござれ」の活躍っぷりです。2020年度の増備になった20次車はこれまた仰天のL/Cカーで、正直なかなか落ち着かない感じは否めません。L/Cカーの20次車もそうですが、どこまでこの構成の車内がキープできるかは、生暖かく見守っていく所存です。
(取材・撮影 京浜急行電鉄本線・浦賀 他)

 

 

 


車内全景です。基本は3ドアロングシートの車内で、早くも気になってしまう車端部は後程ご案内します。
淡いピンクのパーツが減ったからか、ドアから入った時、率直に思ったのは「白くて明るい車内だなぁ〜」でした。思えばLED照明やちょっと明るめの床、そしてよく晴れた日だったという点もあるかもしれません。
袖仕切りにグラデーションのような模様が入ったガラスを入れたこともあり、車内を見渡した時にどう変化するかが愉しみでしたが、思ったよりも桟が太め、素材のツルンとしたアイボリーがだいぶ目につき、広々とした感じとはちょっと違う印象に落ち着きました。

 
車端部です。右の画像は優先席の仕様で、先頭車と中間車のうちの片側がこの仕様になります。座席モケットや床、吊革で判別していますが、補助席のモケットが赤ということもあり、ちょっとでも混むと目立たなくなってしまいそうです(^^;
この片側に4人1組のクロスシートに補助席2席、もう片側に5人掛けロングシートの配置は16次車で採用されました。このような座席の配置で有名なのは東京都交通局の6300形や東急の9000系で、京急1000形で追いかけると両側クロスシート、両側ロングシートに続く配置パターンで、ひとつ前の16次車から採用されています。
ご覧頂いて、座席配置はもとより通路幅や吊革の設置状況に一喜一憂した方が多いと思います。ただ、私が実際にどちらにも座ってみた限りでは、あまりこの区画の他の席に座っている方の視線は気になりませんでした。案外実用的な配置かもしれません。


乗務員室との仕切りです。ウインクしたような窓配置が京王6000系っぽさを感じますが、上下方向が短い窓の下には避難はしごが格納されています。これもこの位置が定着したと思いきや、20次車では…あらら、展望席の復活と大々的に謳うことになったようです(^^; こちら17〜19次車ではお決まりの立席スペースですが、ここの座席は単純にあるか無いかの争い…日々の整列乗車、お疲れ様でございます。
仕切りとドアの間には広告枠が入り、その上下に横方向の握り棒が走っています。握り棒や吊革が多いのは立客の心強い味方です。


車椅子スペースは先頭車に設置されています。非常通報機、握り棒とともに…消火器がここの位置に鎮座しています。中間車ではクロスシートのすぐ後ろに控えているだけに、先頭車のこのポジションはなかなかわかりやすい位置では、と思います。正直、珍しい位置を確保していますが、1000形では製造年関係なくお馴染みのポジションです。


天井です。LED照明になって明るさが大きく変わり、より新鮮さを増した色合いになりました。ラインフローファンがところどころある姿、こちらもやはり1000形お馴染みの構成です。吊革の握手の○は京急ならではのこだわりです。
この部分は周りの化粧板と素材が異なるようで、少なくても光沢感はありません。大きく浮いていることはないですし、ステンレス車以降の1000形ではお馴染みになりつつあります。


床です。基本は灰色一色です。ドア付近と優先席付近は素材や色を変えていますが、無難な色のチョイスです。


ドア周りです。画像は車端部寄りのドアで、片側は立席スペースを広めに確保した補助席区画、もう片側はロングシートがそこそこの位置まで迫っています。取材時は補助席の仕様が一切できなかったのですが、普通車やエアポート急行の運用だったからでしょうか。鴨居部には液晶ディスプレイによる案内が充実し、ドアそのものは化粧板を貼っていますが、ここも貼ったり貼らなかったりと何かと仕様変更が忙しく行われています。大きめのドア窓がなかなか素敵ですが、そこにはもう「開くドアーに注意」は貼られていません…。


液晶ディスプレイを2つ使って列車に関するご案内…というのは最近じわり増え始めたかなぁ…という印象があります。京急の潔いところはこの2画面に加えて広告用の画面が無い点で、列車案内の合間に流すようになるのか、気になります。
2画面が中央に寄っていますが、私が一番お気に入りの表示はその中央に寄った画面の構成を活かした羽田空港のご案内です。1タミ、2タミが画面できっぱり分かれています。お見事。


窓周りです。2分割の窓のうち片側が開閉可能になっています。結構隅のRが目立っているように見えますが、ロールカーテンを引くとこの隅のRは気にならなくなります。それにしてもロールカーテンが備わっているだけで夏の暑い日の乗車などではちょっとホッとできると思ったのは…私が汗かきだからです(^^;


座席です。ドア〜ドア間は8人掛けのロングシートがスタンバイ。座席下にはドアコックやヒーターなどそこそこ賑やかな様子。片持ち式で、かなり厚めで凸凹がはっきりわかる座面がポイントです。この厚めの座面が最近の京急っぽい仕様ですが、これも20次車では見られなくなってしまいます…。
低反発の座面はじわーっと沈み込みます。硬くは無いけど柔らかくもない絶妙な感じ、久々に京急に乗る時に「そうそうこれこれ」と思わせる要素にもなりつつあります。私はあまり気になりませんが、もしかしたら着座ポジションが少し高いように感じる方がおられるかもしれません。


車椅子スペース脇の5人掛けにはスタンションポールが備わっています。これも1000形ならではの形状の袖仕切り、上に握り棒をうまい造形で1本通しています。そういわれれば、背もたれの形状は1000形ではよく見るスタイルですが、スタンションポールについていた肘掛けがいつの間にかなくなっています。あれ、良かったんですけどね…。

 
車端部の座席も5人掛けです。通常のモケットの座席には無いスタンションポール、優先席では見事に2人・3人で分けています。最近相互直通の車両ではこの区画を全て優先席扱いとするケースが増えていますが、この1000形のスタンションポールの設置方法、京成3050形でも優先席のみスタンションポールを設置する、全く同じ方法を採用しています。何か縛りでもあるのでしょうか?


袖仕切りです。内側はなかなかまずまずですが、外側の意匠がふわっとしているように感じます。輪郭がもう少しはっきりすると存在感が増すと思うのですが…。あ、存在感は無くても大丈夫ですか…ね(^^;;

 
そして車端部ロングシートの向かいはクロスシートです。背面に補助席を背負っていることもあり、ここの座席は片持ち式ではありません。補助席はランプがついている時は使えないとのことですが、壁面には乗り降りの際には立ってという案内も貼られています。
一時期両側ともロングシートだったのですが、クロスシートが復活した際に、見事に前のパーツをそのまま持ってきた感じがします。故に、違和感のある青い肘掛もそのまま復活…優先席だとハマるんですけど、ねぇ…。

 
クロスシートです。右の画像は優先席仕様で、モケットとヘッドレストカバーの色が異なります。初期の新1000形クロスシートは微妙に赤いモケットが残っていましたが、さすが新型車両、見事に青いモケットで整えています。
バケット形状ながらカチッと枠にはまったようなものではなく、わりと緩やかな形状を採っています。ロングシートよりも厚みの実感は少ないですが、硬すぎない座面と背もたれの形状はまずまずです。強いて言うなら、窓側の座席と壁の間のスペーサーが硬く、座面の窪みと合っていないので…窓に寄りすぎると悲惨です(^^;;

そしてコンセントの存在感…えぇ、エアポート急行で早速お世話になりました。
普通車で浦賀〜品川まで充電しながら移動というのも悪くない…そんなヒトトキを送りたいものです。
 
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