京阪電鉄  6000系[リニューアル車]
 
  昭和58年生まれ、洗練された出で立ちに伝統のツートンカラーを身にまとって颯爽と登場した京阪6000系。塗装が変わった記憶もなかなか新しいところですが、2014年からはリニューアルも行われています。見た目の変化で特に新しいのが正面、側面のフルカラーLED表示機で、これまでの京阪の車両同様、書体にこだわった表示をこの系列でも維持しています。
今回は2019年に取材した模様をお届けしますが、実は私…リニューアル前の6000系にじっくりコトコト乗った記憶がなぜかありません(^^; 故に新鮮な気持ちで乗れたわけですが、ローレル賞を受賞した時の雰囲気も味わいたかったものです。現在リニューアル工事も佳境を迎えており、全車8両編成でフレキシブルに活躍中です。
(取材・撮影 京阪中之島線・中之島 他)

 

 

 


車内全景です。リニューアルによって13000系に寄せた車内に仕上がりましたが、特に天井周りの構成はリニューアル前から大差なく、カバーつきの蛍光灯、必要最低限の整風板などの「見慣れた景色」が如何に落ち着きをもたらしてくれるかが伺えます。3ドアロングシートの車内、夜間や地下線内では化粧板と照明が織り成す灯りの色につい惚れてしまいそうです。
ただ、リニューアルによってドア〜ドア間の座席が8人掛けから7人掛けになったことは触れなければならないところです。多種多様な車種が走る京阪電鉄故にあまり気にならないかもしれない上に、割と自然にやってしまうあたりは一本取られたような気分ですが(^^;; 実際6000系を普段使いされている方はどう思っておられるかは気になります。

 
車端部は基本的に2パターンで、各車両の出町柳方車端部が通常仕様のモケットで両側とも座席、淀屋橋方車端部が優先座席と車椅子スペースのタッグになります。
13000系では妻面に窓を設けて貫通扉の窓を大きく確保していますが、ここは種車の仕様そのままで、妻面には広告枠、貫通扉の窓もこれまでどおりといった感じです。故に13000系とは違う落ち着きを放つ空間に仕上がっています。
消火器は座席の下にあり、妻面のピクトグラムでその存在をお知らせしていますが…下のピクトグラムは立客に、上のピクトグラムは中吊り広告でそれぞれ隠れてしまいそうな小ささです。ここはもう少し目立たせたいところ。

 
こちらも仕切り窓はあまり変化が無い乗務員室との仕切りです。色々とアップデートされている中で仕切り窓だけポツンと取り残されているような気もしますが(^^;; 丸みが可愛い仕切り窓です。左の画像が出町柳方、右の画像は淀屋橋方の仕切りで、後者には車椅子スペースが設置されています。中間車のように座席、それも他系列で見られる「ボッチ席」がこの形式にはありません(^^;;
仕切りにくっついたお守りにホッとする一方、銘板もシールになり所謂格好良いロゴのKawasakiになりました。それはそれで好きですが、1983年生まれでシールはちょっと若作りし過ぎじゃない?!…そう、ウン十年後引退迫った時に「登場時からシールでした…」と激写する未来が見えるのです。

 
今回のリニューアルで各車両に車椅子スペースが設置されました。左の画像は中間車、右の画像は先頭車です。13000系を見ているかのような仕上げで、大きな違いは窓上の手すりくらいでしょうか…。非常通報機の位置もしっかり押さえられています。
床を見るとドア付近の滑り止めのシートが車椅子スペースにも伸びています。その先、座席がない先頭車の角の処理も三角でバッチリ。


天井周りは吊革の変更がわかりやすい違いでしょうか。このリニューアルでLED照明を用いていますが、カバーはそのまま利用しています。新車では結構気を遣うパーツですが…なるほど、こういう使い方はアリなんですね。
13000系と比べて仕方がないなぁ…と思うのが天井の低さで、戸袋の上に新たに設置された横長の広告枠、2つのうち上の枠は見上げて見るような位置に設置されています(^^;


床です。京都の石だたみをイメージした濃いグレーの床に一新されています。画像は落ち着いた石だたみで奥行きを感じますが、点検蓋がついた車両になると…なかなかカオスです(^^;;


ドア周りです。こちらも濃いグレーの化粧板を貼ってスタイリッシュに、戸袋部分の指詰め注意もよりはっきり目立っています。ドア窓自体はリニューアル前から変更がありません。
鴨居部は全て液晶ディスプレイが1面設置されています。その手前、吊革が並走しています。側ドアと垂直になる方向に吊革が設置されていないので見た目がスッキリしている反面、「ここぞという場面で吊革がもう少しあれば…!」と思うことはないのでしょうか。


天井に貼りついている路線図の下に、鴨居部の液晶ディスプレイです。
1画面のみ、次駅案内や路線図などをフレキシブルに表示します。車内ではあまり使われていない青を文字のバックに多用しているのは駅名票に合わせたからでしょうか。その青の違和感や全てのドアについていることで、小ぶりながら存在感はなかなかのものです。
女性専用車に指定されている車両ではこのディスプレイの脇に女性専用車になることを示す表示が貼られています。


側窓です。登場時から1段下降窓で、大きな変化はありません。ロールカーテンを引き続き採用していますが、柄はグレー一色。3000系の模様をこの系列でも期待していましたが、特別だったようです…。


ここからは怒涛の座席バン主義。まずはドア〜ドア間の7人掛けです。13000系同様背もたれ、座面のモケットが美しいバケットシートで、2人・3人・2人で分ける格好でスタンションポールを2本設置しています。そのスタンションポールの蹴込み板側の取り付け方が独特で、熱くなりがちな蹴込み板とスタンションポールを直接つながない工夫がされているのでは?…と思うことも。
13000系との違いはその蹴込み板が引き続き設置されていることですが…リニューアル前よりも角の丸みが増しています。

 
通常モケット、車端部は6人掛け、乗務員室との仕切りには3人掛けがそれぞれスタンバイ。車端部のスタンションポールは1本のみの設置で、3人ずつ分かれています。
リニューアル前は背もたれと座面が分かれていた独特の構成の座席でした。心なしか背もたれが間延びして見えるのはそのせいかもしれません。座面の緩やかな沈み込みに対して背もたれがどうもついていけていないような、もう少し腰回りの食いつきが良ければと思うこともありますが… 案外、乗車時間短めを想定したセッティングなのかもしれません。


車端部の優先座席は黄色を主体としたモケットを採用しています。モケットの色と窓のステッカーの色、吊革の色がバラバラなのはご愛敬ですが(^^;; 雰囲気を損ねず、しかも一目で違いがわかる仕様がgoodです。
妻面の真っ平な仕様はそのままです。
 
3人掛けの優先席は乗務員室の仕切り、車椅子スペースの脇の2か所に設置されています。車椅子スペースと分け隔てる袖仕切りは大型の袖仕切りとは仕上げも違うもので、これもリニューアルを機に設置された物になります。リニューアル前の袖仕切りを彷彿とさせる…にはちょっと無理がありますね(^^;;


大型の袖仕切りになり、手すりは吊革から少し低い荷棚に直結するようになってしまいました。神戸市交通局や京阪電車で見られた存在感のある手すりが徐々に減っていっているのが寂しい…と思うのは私くらいなものですが、手すりと袖仕切りの設置点が少し高くなってしまい、お子様や車椅子で乗られる方にとっては少し握りにくくなってしまいました。
大型袖仕切りのメリットももちろんわかるので、どちらがベターかと言われると…なんとも悩ましいものです。
 
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